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神々のカードゲーム  作者: 葉月 優奈
一話:プロテクションカード
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11/56

011

烏嶽は、既に勝利を確信した様子だ。

対するあたしは、まだ烏嶽のカードをよく分からない。

おそらく、このターンで当てなければ次の烏嶽の狙いは予想が出来た。

焦りが無いといえば、嘘になってしまう。


(やっぱり経験者は、戦い方が全然違う)

既に2度目の戦いを経験している烏嶽は、相手のカードを当てる術をよく知っていた。

揺さぶりをかけて、読みもかなり鋭い。

簡単にあたしの考えも、あっさりと読めてしまう。


「次……天瀬 雪乃」

光山が、宣言した。

制限時間は5分、僅かな時間であたしはカードを当てないといけない。


だけど、あたしは顔を上げた。

ここで、顔を下げてはいけない。

逃げることも、隠れることも出来ない。

目の前の男が選んだ人物を、当てないといけない。


(なんとしても、烏嶽から情報を得て……当てる)

選択肢は烏嶽の両親と、女子マネージャーと後輩の4人。

この中に、間違いなく答えがあった。4択の正解率は、25%だ。

だけど、このターンで正解しなければあたしの負けはほぼ濃厚だ。

かなり追い込まれた状況で、烏嶽をじっと見ていた。


(でも、どうやって質問をする?)

烏嶽は、なかなか情報を出さない。

こちらの質問にも、満足に答えてはこない。


彼のパーソナルデータを、ここであたしは洗い出すことにした。

見た目は運動部員のような体がガッチリした男性。

筋肉質で、腕も太いし肩幅も広い。


2年C組で、あたしの元彼『長谷』の部長。

そうだ、烏嶽は演劇部の部長だ。普通に考えれば、演劇部系の人間の可能性が高い。

最も今は例の感染症もあって、それほど部活動は活発では無いが。


「演劇は好き?」

「当たり前だ」

「秋の文化祭で、やった演目は?」

「ロミオ犬とジュリエット猫」

「どんな演劇?」

「ロミオを犬の擬人化で、ジュリエットの猫に恋をする話」

「烏嶽の役は?」

「ジュリエット猫の父親猫」

「榊原さんの役割は?」

「マネージャーだ」

「後輩の梶原君の役割は?」

「ロミオ犬の弟だ」

演劇のことは、割とスラスラ出てきた。

なるほど、烏嶽は本当に演劇が好きなのだろう。

演劇系の人間に絞ったところで、この質問をすることにした。


「今まで、つきあったことのある人物は、いる?」

「何でそんなことを聞く?」

「いいから、答えて」

「いないな」

烏嶽は、不思議そうな顔であたしの質問に答えた。

この質問は、あたしの中でようやく絞れる一つのヒントになった。


(おそらくこの感じだと……今の選択肢の中で『梶原 龍馬』で間違いないと思う。

女っ気はないし、家族の線も薄い)

だけど、あたしはこんなに簡単でいいのかと思っていた。


あたしは、目の前の烏嶽を見ていた。

烏嶽は、なぜか眠そうに欠伸をしていた。

そんな中、視聴覚室のドアが再び開いた。



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