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巡る輪廻に彩る世界。  作者: ゼロ
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邂逅

 人生とは実に妙だ。

出逢いたいと思っている人間には出逢えず、会いたくないと思っている奴には会う毎日。

俺が通うコンビニもそうだった。年中、見たくもない叔母様のスマイルを見せつけられ、聞きたくもないジジイの愚痴を聞かされる。

どいつもこいつも口を開けば、世の中は生きづらいだの、不景気でこの先の人生が心配だの、俺が加害者かのように文句をぶつけてくる。

実際は、働かずにゲームセンターに通うだけの俺は社会的にクズなのだろうが、文句を言うならもっと言うべき機関があるだろう。ほら例えば国会議事堂とか……。無理な話である。

だから理不尽というボールを俺の顔面にぶつけてくるのだろうし、結局のところ、俺が暇人だとでも思っているのだろう。心に余裕が無いとも知らずに、人の気持ちなんて知りもしない癖に。

スーパーのアルバイトで勤めているあなた達の方が、よほど気持ちに余裕があるだろうに。先の短い年寄りなんかより、俺の方が脳味噌がいっぱいになるほど、毎日考えている事が山ほどにある。ニートはニートなりに時間の隙間に悩み事という種が入ってきてしまうのだ。

そして今日もいつものように、クーラーの冷気に頭を冷やされる。

「いらっしゃいませ〜〜」

毎日通っていたコンビニ。まるで世間の冷たさを肌で感じさせるような冷え切った室内。日本の将来の薄暗さを体現したかのような疲れ切ったアルバイト店員。

そこにはいつもの光景は無かった。

少し生温かく、やけに静かで、新鮮で、でも少し日常の匂いが残っていて。

何故だろう。

俺が今日、目にしたモノは、心を冷やすような現実ではなくて、日常の中にある、温かさだった。

その反対を象徴するかのように、キミのその冷たい眼差しの奥深くには、とても冷たく冷え切った人々の心を映し出していた。

日常の温かさと、人の心の冷たさは、背中合わせのように思えて、表裏一体なのだろう。

この子がいままでどんな生活をしてきたのかも、俺がいままでどんな苦悩を抱えてきたかも、この世界は知るよしも無かった。

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