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デッドリヴェンジ!-最愛の婚約者諸共殺されて腹立った俺は、最強ゾンビになって美人悪役令嬢とかイケメン人狼なんか連れて復讐序でに無双しようと思います-  作者: 蠱毒成長中
CASE4 "毒蛇蟹"の正体と新たなる戦い

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12/25/2025の激闘を終えて→いつも通りの日常が戻って来ると思ったら……?

一ヶ月以上ぶりの更新。

前回と今回の間に何があったかは『師走外伝』を参照して下さい。

 俺の名前は、北川ナガレ。


『オイてめェ~今何つったコラぁ~?

 「レンゲルラウザーは素の状態で一万枚のチェーンソーが重なっており

  その破壊力はブレイドキングフォームに相当する。

  即ちレンゲルにキングフォームなどというものは必要ない。

  井上敏樹が

  『草加雅人は蜘蛛の如く地を這う日陰者だから

   スパイダーオルフェノクになり果てた。

   奴はその程度の存在』

  と言ったように、

  そもそも蜘蛛はライダーシリーズに於いて日陰者であり邪悪の象徴。

  つまりそもそもレンゲルというライダーにも存在価値はなく、

  まして強化形態を与えるような厚遇措置は、

  ライダーシリーズの理念に反する悪行に他ならない」

 だとゴルァァァァァ!?

 てめー調子こいてんじゃねーぞデコッパゲ社会不適合者の

 不細工レンゲルアンチがゴラァァァァァ!』

「ひいいいいいっ! 言ってない言ってないっ!

 そんなこと言ってないっ! 一言も言ってないってばっ!」


 先輩方や仲間たちと一緒に一世一代の大仕事を終えた翌日、

 年末ムードで賑わう街を脅かすクソ野郎を成敗してるドヤ街暮らしの自警団員だ。


「そ、そもそもレンゲルってなんだよぉ!?

 オレ、仮面ライダーなんて全然知らねーから何がなんだかわかんねーよ!

 頼むよぉ! 見逃してくれ、この通りだあっ!」

『うるせーっ!』

「ぐべへーっ!?」


 言い掛かり同然に当たり散らしても気が収まらねえんで、

 一発野郎の顔面へ肘鉄砲をぶち込んでおく。

 なんかやたら派手に吹っ飛んでったが、

 まあ利き腕じゃねぇし肘だし着地点結構雪積もってたし死んではねぇだろう。


『見逃せだとコラぁ~?

 違法風俗で嬢相手にイキる以外楽しみの無さそうな薄らハゲがぁ、

 ナメたこと吐かしてんじゃねーぞてめぇボケがぁ~』

「むぐ、ぐぐぐぐぅぅ……!」

『てめー、今迄散々町民を苦しめてきた癖して

 よくそんなことが言えたなぁ~?』


 雪の積もった道路へ仰向けに倒れ込むクソ野郎の、

 毛の薄い後頭部を入念に踏み躙り乍ら、俺は手早くヤツを縛り上げる。


『この暴行傷害ヤローが、もう逃がさねえぞ……』

「ぐっ、うううっ! な、なんのことだよぉ!?

 オレは無実だ何もしてねぇ!

 オメーこそ私人逮捕YouTuber気取りの暴行ヤローじゃねえkもがぁっ!?」


 クソ野郎が勝手に喋りやがるんで口ん中へ固めた雪玉を捻じ込み黙らせる。

 ……『幾ら何でも酷すぎやしねぇか』と突っ込まれそうだが、

 こいつはそういう扱いを受けて当然の極悪人なんだからしょうがねぇ。

 というのも……


『おいゴミぃ~

 てめえが他人様に説教できる立場かコラぁ?

 何度も何度もお警察サツ様の世話んなって刑務所ムショ泊りした挙句、

 通行人、特にカップルや家族連れ目掛けてヘドロやゴミぶちまけて

 病人怪我人死人まで何人も出した出したてめえに、

 他人様を煉獄コロアキ(杉田一明)のパチモンだなどと糾弾する権利が、

 果たしてあると思ってんのかコラァ~?』


 そう、この野郎はこの界隈に住み着いてる浮浪者なんだが、

 盗みや傷害、強姦といった犯罪に手を染めては逮捕パクられ投獄された回数は数知れず。

 嘗て刑務所ムショでの暮らしに味をシメて以後、

 故意に罪を犯し逮捕・投獄されるっつー手口でもって

 刑務所を実質宿泊施設代わりに悪用する筋金入りのクソ野郎なんだ。

 まあ、最終的にその魂胆を見抜いた警察サツは野郎に対し実質的な黙殺を決め込み、

 結果として奴の刑務所宿泊生活は終わりを告げたんだが……


 それから程なくしてのこの度、

 野郎は何を血迷ったか年末シーズンの街で通行人を無差別に襲撃し始めやがったんだ。

 裕福そうな通行人、取り分けカップルや家族連れなんかに狙いを定めては、

 どこからかかき集めてきたらしいヘドロやゴミ、

 果てはヤバい薬品の混ざった排水なんぞを罵詈雑言と共にぶちまけそそくさと立ち去る……

 その被害は深刻で、既に述べた通り病人や怪我人、死人までもが出る始末。

 いよいよヤバいと考えた警察内部じゃ奴らを逮捕すべきとの声が高まるも、

 上層部はてめえらのガバを認めるのが警察の威信に関わるとイモ引いた結果

 あくまで黙殺を決め込む判断を下した。

 んで、その判断を不服に思った地元警察の下っ端がサイトウ地区の自警団を頼って来て、

 俺が出向く羽目んなったってのがここまでの粗筋だ。


『よぉ~クソ野郎……

 例え国家権力がてめえの狼藉を黙殺し見逃そうとも、

 恨み憎しみを持つ被害者がいる限り、

 てめえは敵意や殺意からは逃れられねえんだぜ……?

 今迄てめえがどんな思いで生きて来たのかなんて知らねえし知りたくもねぇが……

 ま、古臭ぇ言い方すりゃ"年貢の納め時"ってヤツだぁなァ』

「ぐっ……ぬぐぅぅぅっ……!」

「覚悟しろよ、てめえをこれから待ってんのは、

 規則さえ守って鳴れちまえば平気な刑務所暮らしなんかじゃ断じてねえ。

 お警察サツ様が匙投げた分、

 "その道のプロ"にしっかり対応して貰うからよぉ~!』

「ぁ、が……ひいいいいいいっ……!」


 とまあ、概ね俺はいつも通りなワケだが……

 その一方大きく様変わりしたような事も無くはねえ。


 最もデカいのは『白金の不死者団』のメンバーになったことと、

 そこで先輩格の死越者エクシーデッドの皆様と知り合えたことだろう。

 先輩方の人物像とかについては『師走外伝』の方を参照して貰うとして、

 あの方々との交流は俺にとって掛け替えのない貴重な経験になった。

 死越者とはどういうもんか、魔物や異能者なんて人外の跋扈する裏社会は如何程のもんか、

 マインデッド邸での座学である程度教わったつもりで居たが、

 それでもまだまだ知らないことばかり……

 そういった未知の分野、更なる可能性について、

 更に知識や経験を積み上げて行けたのは、

 間違いなく断腸含めた『不死者団』の諸先輩方のお陰に他ならねぇ。


(あれから結構強くなった……

 ルージュ様も

 『庭先で革命派相手に暴走していた頃とは

  比べ物にならないほど強くなった』と褒めて下さったしな)


 とは言えそれでもまだまだ未熟なのには変わりねえ。

 俺の当面の目標……

 屍人どもを操り、マナミの命と未来を奪った黒幕への復讐を成し遂げるには、

 まだまだ色んな知識や経験を身に着け、更に強く賢くならなきゃなんねぇだろう。


(ルージュ様曰く、魔物の生涯は人間とは比べ物になんねーほど長いという……

 そしてそれは死越者エクシーデッドも例外じゃねえと……)


 そもそも本来ならアンデッドになってんのがデフォルトの死越者にあって、

 俺は未だにデミ・アンデッド……

 如何に能力があろうとも、見習い程度の半端もんだって事実は受け止めなきゃならねぇ。

 まあ、そこに関しちゃ陽炎一族との接触で何か転機が訪れると信じてえが……

 ともあれ、自分なりにできる努力をしておくに越したことはねぇだろう。


(クリスマスにやり合った、亡き魔界二十三閥族の猛者の皆様方……

 あの方々は総じて俺なんかよりずっと強かった。

 あの時は団長はじめ先輩方や、お嬢、アーネスト君、早川さんなんかの協力があってどうにか勝てたようなもんだ。

 もっとだ……もっと強くならねぇと……

 立ち止まらず、前に進み続けなきゃならねぇんだ、俺はっっ……!)


 雪のちらつく夜空を見上げながら、俺は密かに決意した。


(もうそろそろ、年が明ける……

 ……ん? 年明け?)


 なんて風に思いを馳せてた所で、俺はふとあることを思い出す。


(……そうだ。年明けつったら気がかりなのはルーザイマ星人の地球侵略があるんだったか。

 ま、その辺詳しそうな江崎氏経由で魔界二十三閥族に報告済みだし?

 予定じゃ元旦に月へ到着して一週間後に地球へ総攻撃とか言ってたからわりと余裕はありそうだし、

 一々俺如きが心配するこっちゃねーんだろうが……)


 とまあ、そんな具合に思った俺は、

 その件を大して気にも留めず……


「では、後は頼みます」

「はい。お任せ下さいませ。

 大勢の罪無き人々を苦しめたこの外道には

 相応の地獄を味わわせます……」

「んぐーっ! むごごーっ!」


 クソ野郎の身柄を"その道のプロ"に引き渡し、帰路を急いでいたんだが……


「……電話だ。誰からだ~……っと、アーネスト君かぁ。

 なんだぁ、またルージュ様が忘年会やるとかで呼び出しかぁ?」


 道中かかってきた一本の電話を皮切りに、

 俺は予想外の事態に巻き込まれて行くことになっちまうんだ。



次回、ナガレにまさかのオファーが!

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