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デッドリヴェンジ!-最愛の婚約者諸共殺されて腹立った俺は、最強ゾンビになって美人悪役令嬢とかイケメン人狼なんか連れて復讐序でに無双しようと思います-  作者: 蠱毒成長中
CASE4 "毒蛇蟹"の正体と新たなる戦い

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繰り返される目覚め→死越者第一号"白羊宮のガルゴノーツ"との対面

実に一か月ぶりの更新(サボり過ぎや……)。

果たして目覚めたナガレを待つものとは!?

 俺の名前は北川ナガレ……


『……もう何度目だよこの展開。

 てかここどこ……?』


 明晰夢に介入してたクソ宇宙人をブチ殺して

 どうにかふざけた悪夢の世界からの脱出に成功……

 謎の寝室での眠りから目覚めた蟹座の死越者エクシーデッドだ。


【……お目覚めのようですね、巨蟹宮の方】

『ええ。お陰様でなんとか……』


 示し合わせたように語り掛けて来たのは白髪の執事……

 まるで芸術品みてぇな線の細さで、

 性別を超越しかけたような、

 地球のもんとは思えねえ不思議な美貌の持ち主だった。


『……唐突で申し訳ないんですが、

 質問させて頂いてよろしいですかね。

 貴男は一体、何方様で?』

【これは失敬。申し遅れました。

 わたくし、魔界二十三閥族『ボーダーフールズ』傘下

 『紅桜会』総指揮課副課長の江崎セバスティアヌスと申します

 以後お見知り置きを、北川ナガレ様】

『これはご丁寧にどうも。

 然し「ボーダーフールズ」傘下所属で、俺の名をご存知ってぇと……』

【はい。概ねお察しの通り当会は

 『白金の不死者団』様と業務提携を結ばせて頂いております】


 江崎氏に曰くここは佻尾市郊外の洋館アパート『紅桜館』で、

 住所を聞いて気付いたんだがまさに今まで俺が目指してた

 『白金の不死者団の本拠地』そのものだったんだ。


【紅桜館は管理こそ当会の管轄ですが、

 全『ボーダーフールズ』関連組織による多目的な利用を想定しておりますので。

 『白金の不死者団』様の拠点としての側面も持つのですよ】

『成る程。だから「白金の不死者団」の招待状に紅桜館の住所が……』


 更に江崎氏から話を聞くと、何とも驚くべき事実が明らかになった。


『……地球外知覚種族?』

【はい。わたくしは惑星ゼネラヴァント出身の……

 地球で一般的に言う所の"宇宙人"に御座います】


 聞けば紅桜会は元々単なるアパートだった頃の紅桜館に集まった

 それぞれ出身惑星の違う知覚種族の男女九人から始まった組織だそうで、

 八つある部署の長は殆どが地球でない惑星の出身なんだそうだ。


 と、ここで俺はふと思い出した。


『そうだ……宇宙人と言えばっ!』

【おや、どう為さいました】

『いえ、お伝えしなきゃならねぇことを思い出しましてね……』


 てなワケで俺は江崎氏に夢ん中での出来事を話させて頂いた。

 正直、信じて貰えねーだろうなと半ば諦めていたんだが……


【ルーザイマ星人、ですと……?

 それは事実に御座いますか、北川様】

『ええ。

 昏睡中の俺が実際クソ宇宙人の攻撃を受けてたってのが事実なら、

 奴もまさか命の掛かった状況で嘘を言うワケはねーハズです』

【了解致しました】


 これが実は全部単なる俺の夢だったなら、

 バカなデミ・アンデッドが妄言ぶちかましただけの笑い話で済むし

 幾らか良かっただろう。

 だが悲しいかな、現実はというと……


【只今情報技術課に確認させておりますが……

 北川様の仰有る日時に、

 大気圏内へ不法侵入した宇宙船を迎撃したとの記録が見付かったそうです。

 加えてその近辺で、攻撃を受け墜落した

 惑星ルーザイマ船籍と思しき宇宙船の残骸も発見されたようで……】

『なんてこった。つまりもう一月少々で

 とんでもねぇ規模の宇宙船艦隊が攻めて来るってコトかよっ……!』

【ええ、残念乍らそのようです。

 然しご安心を。

 北川様が提示して下さった情報さえあれば、

 地球に迫る侵略軍の迎撃並び撃退は可能で御座います】


 同じ宇宙人だからか、裏社会歴の長い先輩だからか、

 強く言い切る江崎氏がとても頼もしく見えたんだ。


 んで、俺の方はまだ暫く安静にしとけとのコトだったんで、

 お言葉に甘えて二日ほど紅楼館でゆっくりさせて貰うことになったんだが……


(とは言えそんなまるで動けないって程でもねぇし、

 ここはいっそ当初の目的を果たしに行ってみるか……)


 てなワケで俺は江崎氏に頼み込み、

 『白金の不死者団』のアリオン・ガルゴノーツ団長と面会させて頂く運びとなったんだ。




『どうぞ、お入り下さい』

『……失礼致します』


 案内されたのは紅楼館の別館にある応接室。

 促されるまま中へ足を踏み入れた俺を待ち受けて居たのは……


『初めまして、北川ナガレくん。

 私が白羊宮のアリオン・ガルゴノーツです。

 以後、お見知り置きを……』


 高級そうなスーツに身を包み、

 羊の頭蓋骨を象った仮面で顔を隠した細身の紳士だったんだ。


『此方こそ、お初にお目にかかります。

 巨蟹宮の北川ナガレです。

 此の度は危ない所を助けて頂き有り難う御座いました。

 本当に何とお礼を申し上げればよいやら……』

『お気になさらず、当然のことをした迄ですのでね……』


 ガルゴノーツ団長は徹頭徹尾紳士的な方だった。

 所作の一つ一つが一々気品に溢れていて、

 庶民乍ら無理に高貴なフリしてるこっちが息苦しくなりそうなぐれぇには……。


『ささ、立ち話も何ですしどうぞお掛け下さい』

『はい。では、お言葉に甘えさせて頂きまして……』

『それと、堅苦しいのも無しにしましょう。

 わたくしも一応、団長などと名乗らせて頂いてはおりますが、

 とは言え「不死者団」に本来上下など不要と考えておりますのでね』

『……有り難う御座います』


 その後、ガルゴノーツ団長からは色々な話を聞かせて頂いた。

 例えば彼の生前の話。

 


『自慢する様なことでは断じてありませんが、

 生前の私はさる宗教団体を率いる教祖をしていましてね……。

 山間部を開拓した集落を拠点に、信徒たちと共同生活を送っておりました』


 もっと言うと団長が教祖になる迄の経緯ってのも

 かなりヘビーでハードだったらしい。


 というのも、倫理も人道もねぇ

 クソみてーな時勢に生を受けられた団長は、

 金に困った家族に口減らしを兼ねて

 二束三文で売り飛ばされちまったそうなんだが、

 買い手はよりにもよって当時

 近隣で幅を利かせてたヤバい土着信仰系の邪教集団だった。


 程なく生贄に任命された団長は幼くして殺されかけるが、

 儀式の最中介入してきた謎の婆さんに助け出され一命を取り留める。


 その後婆さんに弟子入りした団長は彼女から技能や財産を受け継ぎ、

 民衆を苦しめる邪教集団をぶっ潰し人々を導く

 "教祖"としての生涯をスタートされたそうだ。


『教団の発展と信徒らの幸福の為に力を尽くすと言えば聞こえはよいものの、

 実際は信徒たちを言葉巧みに騙して従える詐欺師と言って差し支えなく……

 勿論、私は紛れもなく信徒たちを愛していましたし、

 何より優先すべきは彼らの幸福であるべきとの信条を忘れたことはありませんがね』


 ただそれでも、人間月日を経れば老いてくもんで、

 老いで衰えてくのは身体的なもんに限らねえ。

 内面的な信念や覚悟、矜持なんてもんの衰えに苛まれる団長……

 だがそれでも、彼は完璧な教祖、理想の指導者であろうと努力を惜しまれなかった。


『やれることはなんでもやりました。

 信徒たちを、私の大切な家族を守り支えていかなければと必死でしたから。

 ……ですが、それが良くなかったのでしょうね。

 私は彼らにとって完璧なまでに理想的だったのでしょうが、

 或いは"完璧なまでに理想的過ぎた"のです……。

 お陰で信徒たちは私に頼り切りになり、

 自らの意思での適切な思考や判断ができなくなっていた……。

 結果、信徒たちは堕落し教団の秩序は乱れ、

 私は野心を拗らせた信徒の一人に討たれ命を落としたのです』


 そして死後、霊魂の状態で『ボーダーフールズ』と出会った団長は

 ご自身が牡羊座生まれでかつ『偽神』

  ――ヒトの身にして神を騙り、神の如く振る舞い悪事に手を染めた者――

 の悪徳を有する存在であると知らされ、

 生前に犯した罪への償いも兼ねて死越者エクシーデッドの第一号として"死後の生涯"を歩み始められたんだ。


『その後「ボーダーフールズ」の一員として働かせて頂けることになった私は、

 職務の傍ら残る十一人の同胞たちを探すべく行動を開始……

 「白金の不死者団」を設立し、

 そして今、最後の一人を迎え入れる運びとなったのです。

 この時をどれ程待ち侘びたことか……


 改めて、歓迎させて下さい。

 北川ナガレくん、「白金の不死者団」へようこそ……』

『……歓迎感謝します、ガルゴノーツ団長』



 そうしてその日から、俺は『白金の不死者団』のメンバーになったんだ。

次回……ナガレを待ち受けるのは、まさか過ぎる戦場!

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