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デッドリヴェンジ!-最愛の婚約者諸共殺されて腹立った俺は、最強ゾンビになって美人悪役令嬢とかイケメン人狼なんか連れて復讐序でに無双しようと思います-  作者: 蠱毒成長中
CASE3 激突、マインデッド邸守衛隊五人衆!

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燃え盛る地獄、斬り裂かれての終焉

異質なるロボ"反撃地獄鋸キックバッカー"の猛攻!

 俺の名前は北川ナガレ……



【『改めて教えてやろう。こいつの名は……――』】


【《ギイイイイイッグ! ヴバアアアアアアアッ! ガアアアアアアアア!》】


【『――"反撃地獄鋸キックバッカー"ってんだ。

  名前だけでも憶えてってくれぇ……』】



 三機目の巨大ロボを駆り、浮遊大陸での最終決戦に挑むリビングデッドの化け物だ。



〈◎皿◎〉<てなワケで最終決戦、行ってみよう。



「バオロン! 直火で焼いてやれィ!」

≪バォロォーン≫


 開幕一番、バオロンは口から何発もの火球を放つ。直径は怪獣サイズの化け物が撃つ飛び道具としちゃ平均的なサイズで弾道も直線的……言っちまえば、回避は容易い。


【『ぅらァ!』《ヴァア!》】


 てなワケで"反撃地獄鋸キックバッカー"とほぼ一体化したに等しい俺は、直線的に飛んでくる火球の一切を回避する序でに高く跳躍、バオロン相手に飛び蹴りを叩き込むべく構えを取る。


【『食らエヤぁ!』《ヴャッ!》】


 "反撃地獄鋸キックバッカー"の両足はハンマーじみた円筒形の蹄、分かりやすく例えるならゾウの足みてーな形で言わば足首から先は鈍器のようなもんだ。


【『だァ!』《ヴァア!》】


 よって蹴りの威力は絶大、更にそこへジェット噴射の加速も加わって威力倍増。

 如何に硬かろうがヒビの一つは入りそうなドロップキックと相成ったワケだが……


【《『ヅァラァァァァ!》』】

「――……ペイサン・ファンヅァンチァホゥ」

≪バォロォーン≫

【『ぬおっ!?』《ボガッ!?》】


 刹那、蹄の先がヤツに触れる直前……奴は忽然と姿を消し、俺たちの蹴りは空振りに終わる。

 そして――


「撃てィ!」

≪バォロォォン!≫

【『《グアアアァァァッ!?』》】


 着地直後、背後から放たれた火球が俺らの背中に直撃、爆炎に装甲を抉られながら派手に吹き飛ばされちまう。

 その上……


【『づぅっ……なんだありゃ……』《ブバガァァァ……!》】

「――……ペイウー・ウェイチーチァホゥ」

≪バォロォーン≫

【《ヴァア、ガアア!》『こんな、もんでっっ……!』】

『払えッ!』

≪バォロンッ!≫

【『《ゴゲアッ!?》』】


 立ち上がろうとしたその瞬間、横合いから尻尾で殴られ空中で一回転……地に叩き付けられ仰向けに倒れ伏す始末。


(クソっ! 手も足も出ねぇとはまさにこのことか!)


 中盤か終盤で出てくる強豪怪人(多分幹部とかその辺)にボコられて絶体絶命に陥る戦隊ロボをイメージしてくれたらわかりやすいかもしれねぇ。


(ふざけんじゃねえ……見た目も中身も悪役だってのに、そんな正義臭ぇ追い詰められ方してたまるかっ!)

「畳み掛けろ!」

≪バァーオ、ロォォォン!≫

(……そうだ、そのまま来い……出迎えてやっからさア!)


 仰向けの俺ら目掛けて迫りくるバオロン。恐らく両足で踏み潰すか、さもなきゃ噛み付いて火球をぶち込む気だろうが、そうはさせねぇ。


≪バォロォォォ――

【『射ァ!』《ボォァ!》】

 ――ブバロォッ!?≫

「ぐおっ!?」


 大口開けながら突っ込んできたバオロンは、そのまま倒れ伏す"反撃地獄鋸キックバッカー"の装甲を抉る様に食い千切ろうとするが、結局奴は装甲に食らいつくどころか指一本さえ触れず盛大に吹き飛ばされる。


(離れてるジジイまで痛がる素振りを……てコトは、ゴーレムへのダメージがある程度術者にフィードバックされるタイプか)


 古くは『スターダストクルセイダース』から実装された"幽波紋スタンド"か、それこそ上級レイオニクスどもの決闘様式を思い起こさせやがる。バオロン自身のスペックがヤバいだけに苦戦必至って認識だったが……この欠陥を逆手に取りゃ案外楽に勝てるかもしれねえ。


(無論、気は抜けねえがな……)


 奴らが怯んでる隙に起き上がった俺たちは、同時に破損した部位を修復していく。


「驚いたものだ。風貌や挙動が軌道兵器らしからぬならば、搭載された機能に至っては軌道兵器らしさの欠片もないとはな」

【『……誉め言葉と受け取らせて頂くぜぇ?』

 《ヴァオォォン! ヴォンヴォンヴァブォォォォン!》】

「……他者よりの言葉を如何に受け取るも当人次第、か。良かろう良かろう。

 怯むでないぞバオロン、戦況は未だ我らが優勢である故になァ」

≪バァォロ――

【『射ァ!』《ボォァ!》】

≪ン゛ン゛ン゛ッッ!?≫

「ぐおあああっ!?」


 カッコつけてんのが何となくシャクだったんで、再び同じ攻撃をぶち込み吹っ飛ばしてやる。

 因みに種明かしをしておくと、この遠距離攻撃のカラクリは"反撃地獄鋸キックバッカー"の体表の内、胴体から両肘両膝までの装甲に仕込まれた小型の機銃によるもんだ。


「リビングデッド、貴様ぁ……!」

【『まだそっちが優勢なんだろ? だったらこの程度どうってこたあねーじゃねえか』

 《ヴァゥヴォォォォオオンン! ヴオヴァボォォオオオオン!》】


 挑発序でに両腕へ仕込まれた武装を展開、戦闘態勢に入る。

 右腕からは平バールを横一列に並べたような三本の鉤爪を展開、左腕はセイバーソーに変形させて……他にも武装は色々あるが、最初から手の内明かし過ぎるのも悪手ならひとまずはこれで十分だ。


「……吐かしおる。然し確かにそれもそうか……。

 バオロン、遠慮は要らぬぞ。どうせリビングデッドなぞ数回殺さねば死なんような連中故、十回ほど殺すつもりで相手をしてやれィ!」

≪バオォロォォォォォン!≫

【『いや数回どころか一回でも殺したら死ぬわテメー殺す気だろジジイ!』

 《ヴァンヴァヴォヴァヴァヴァンブァボバゥンガグァァァァンン!》】


 かくして改めて壮絶な戦いの幕開けと相成ったってワケだ。



「怯むなバオロン! 焼き尽くせィ!」

≪バァオッロォォォォン!≫

【『焼けるもんなら焼いてみやがれェ!』

 《ヴィヴヴァブバガググガヴァヴォォォン!》】


 先陣を切るが如く、バオロンは火球ブレスを連射してくる。


≪バオッ! バオッ! ブバボゴォッ!≫

【《『ヴリア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!》』】


 迫りくる幾つもの火球を時に避け、また時に受け流しながら俺たちはバオロン目掛けて突き進む。

 内何発かは避けきれずモロに喰らっちまったが、だからどうした。気に留めるようなこっちゃねえ……何せこの程度の傷、"反撃地獄鋸キックバッカー"の超高速全自動自己修復機能の前にはあってないようなモンだからだっ。


【《『ヅルラア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!』》】

≪グバオォッルロォォッ!?≫

「ぐぅぅうっ!?」


 一気に距離を詰めつつ、横合いから胴体目掛けて右腕の鈎爪をぶち込む。

 鈎爪は先端が平バール風に折れ曲がっているので"斬る"よりも"穿つ"のに向いている。


【『捕えたぜッ!』《ヴァウヴァア!》】

≪グボッ!? バォル!? グォロロロロロロロォッ!?≫

「なに、い……!? 刺さったまま、抜けんだとっ!?」


 その上運よく奴の横っ腹、外骨格の連結部へ滑り込むように刺さってくれたもんだから必然、俺らでバオロンを引き寄せ拘束した形になる。要するに完全こっちの間合いってワケで……


【『てめーの外骨格の硬さ見せてみろやァ!』

 《ヴァヴォボヴバヴァヴァガゥゥゥン!》】

≪ブバボロォォォォォッ!?≫

「ぐおわががががががああっ!?」


 当然、俺らの武器の餌食になる。活躍するのは左腕のセイバーソーと、鈎爪序でに右腕から出しておいた丸鋸サーキュラーソー。狙うは奴の急所……なんかじゃなく、敢えて硬い外骨格にした。痛みと恐怖でじわじわと追い詰め心を折り、早々に負けを認めさせる予定だったワケだが……


【『オォォッラぁどーしたぁ!? もうそろそろ外骨格突き破って中身に刃が届きそうだなぁ!? 散々大物ぶっといてこの程度かあ!?』

 《ヴァンヴォヴヴァヴァヴァヴ! ブォンバボガォォン!》】

≪グオオオオオオオ!≫

「抜かせェ……トンバー・バンウォ!」

≪ロンッ!≫

【『《ヅワァ!?》』】


 予定は所詮予定つーのか、俺らの目論見は見事に外れ、二本の鋸は空を切った。

 恐らくあと少しで外骨格を完全に切断しきれるかってタイミングで、バオロンが姿を消しやがったんだ。


「ぬっぐぅぅぅ……! ふぐおおおぉぉぉおおおおっ……!」

≪バァァァオッロォォォォォン……!≫


 ふと見れば、負傷しながらも拘束を脱したらしいジジイとバオロンが、なぁ~んでか十数キロ離れた位置で苦しそうに息を荒げてんだからわけがわからねえ。


(消えやがった……? 一体どういうことだ……抵抗された感触はなかったし、流体になって逃げたような感じでもねぇ。とすると瞬間移動か? ま、あのビジュアルで火まで吐いてきたんだからそのぐれぇしてきても不思議じゃねえ、か)


 謎を解くカギはジジイが発した謎の言葉……恐らくあれが瞬間移動のトリガーになってるんだろう。

 しかも今まではバオロン単体で動き回ってたのが、今度はいきなりジジイ同伴と来てる。さて、ともすれば……


「ぬっっ、ぐぅあはぁぁー……! 怯むなバオロン、奴めを叩けぃ! ペイシーアール・ディーシァン!」

≪バォロォォォン!≫

【《『!?》』】


 ……なんて考える隙も与えねえとばかりに、バオロンが突っ込んで来る。しかも正面向きの瞬間移動で俺の背後を取り火球をぶちかますつもりのようだ。

 だが……


「灼けィ!」

≪バォゥッ!≫

【『甘ェ!』《ヴァゲゼ!》】


 そうは行くかと俺らは"背中の機銃"を掃射、背後の奴を迎え撃つ。


≪グロォッ、ブボガァ!?≫

「づおっ、ぐああああ!?」


 モロに食らったバオロンは仰け反り、口腔内にため込んでいた"射出予定の火球"が暴発でもしたのか盛大にダメージを食らってやがる。当然ジジイも巻き添えで……明らかに想定外の展開だっただろう事実は想像に難くねえ。

 察するに奴らは、背後を取られ火球を撃たれて尚俺らが振り向きもしねーんで"外さねえ"し"反撃されねえ"とでも思ってたんだろうが……


【《ヴァッガガーガブァーバッ♪ グォンブロンボヴァーヴァォン♪》

 『よぉ~ジジイぃ~……誰が言ったよ?

  "正面向きにしか攻撃できねえ"なんてさぁ!?』】


「ぐんぬぅぅぅ……リビングデッドぉぉぉ……!」

≪バァオ、ッロォォォォン……!≫


 完成度の高さに胡坐かいてっとこうなるってこったなァ。


【『どうした。まさかこれで終わりとは言うめえな?

  てめえが始めた決戦だ、最後まで責任持ってれるだろぉ!?』

 《ヴィャレェェェエエエエエルヅァ、ヅボォォォォォォォ!?》】

次回、浮遊大陸戦堂々決着!

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