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デッドリヴェンジ!-最愛の婚約者諸共殺されて腹立った俺は、最強ゾンビになって美人悪役令嬢とかイケメン人狼なんか連れて復讐序でに無双しようと思います-  作者: 蠱毒成長中
CASE3 激突、マインデッド邸守衛隊五人衆!

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逆襲、開始

てなワケで始まりました水中戦に御座います、ってなもんで……

如何にも厄介そう、っていうか実際厄介でどうしようもなく面倒な水中ゴーレム三匹に、

果たしてナガレはどう立ち向かうのか!?

 俺の名前は北川ナガレ。


「プリシオソー、収束電撃だ!」

≪キュィィィィィィーッ!≫

『効くかァー! 絶縁障壁ィ!』


 一面水に覆われた浮遊大陸を舞台にロボを駆り、古生物型怪獣風ゴーレムどもと命の奪い合いに興じるゾンビの化け物だ。


 〈◎皿◎〉<極力なるべく巻きで行くぜぇ~



≪キュィィィィィィーッ!≫

『ぐっ、クソがぁ……何て出力だっっ……!

 ――ッラぁ、炙り寿司ンなっとけぇ!』

≪ギュギィィィィィィィッ!?≫


 電撃への耐性が高めの絶縁性障壁バリアでもってプリシオソーの電撃を防ぎつつ、盾に備わる銃口からの火炎放射で反撃する。

 ウミウシっぽい見た目通り柔らかく乾燥にも弱そうなヤツの外皮に炎熱攻撃は効果覿面、甲虫怪獣タガヌラーに触った巻舌原始人ブレーザーよろしく悲鳴を上げながら水中へ逃げていく。

 普通なら『よ~っしゃ撃退成功』とばかりに安堵するか、さもなきゃモンハンの水竜ガノスなんかだと釣りや高周波で引き摺り出すのがセオリーなんだろうが……


『逃がすかァ!』


 俺の場合そんな余裕や手立てもないんで、すかさず追って水中へ潜る羽目になる。前回初登場した場面からもお分かりだろうが、この巨大ロボ"竜紋大英雄ドラゴンナイト・エンブレム"は頭のいい出資者からの要望もあって戦場を選ばず戦える汎用性がウリのオールラウンダー。

 戦闘力特化のロボモードと機動力特化のビークルモード双方が陸海空の全地形で思いのままに動き回れる。よって水中戦だろうがお手の物ってワケだ。


(とは言え水中は奴らの主戦場ホームグラウンド……電撃も範囲を増すし浸水のリスクもあるなら大気中より慎重な立ち回りをしなきゃならねぇ)


 水中に潜った俺は"大英雄ドラゴンナイト"に内蔵されている探知機を起動……夜間につき暗く視界の不明瞭な水中を探るが、どうにも見つからねえ。


(範囲外に逃げやがったか……)


 戦ってみた上での経験則に過ぎず不確かだが、どうやらプリシオソーの軟体動物に似た皮膚は実際殴打・切断など物理的な負傷に滅法強く、加えて絶縁性の高さから電撃もほぼ通らない。ただその反面炎熱系の攻撃には滅法弱く、"大英雄ドラゴンナイト"の火炎放射はいっそ笑えるほどよく通る。

 だが脆弱性を補う為だろう、回復力はやたら高めに設計されているらしく、中途半端な傷はすぐに回復しちまう……よって攻撃は絶え間なく容赦なく、回復の隙も与えず素早く仕留める必要があった。


(ジジイめ、水浸しにする序でに水底の地形まで変えやがって探すの余計めんどくせーじゃねーかチキショー)


 水底の凹凸は足ツボマットも裸足で逃げ出す有様で、区画によっちゃ背の高い海藻で森まで形成される始末。機体に海藻が絡まったり岩に衝突するリスクを考慮すりゃ、深く潜りすぎるワケにはいかねえが……


≪ヴォギョッラァァァァ!≫

≪ヴォッボォォ! グォオオオッボオオオッ!≫

(チィッ、早くも残りの奴らに見つかっちまいやがったか!)


 ……さりとて、開けた表層域をばかり進むのも安全策とは言い難かった。何せ辺りは一面水だ、当然乍らプリシオソー以外の面々――サメ型のジオサーマル・カルカロレクスや、目玉だらけの異形、グレア・ディノカリディダ――にとってのホームグラウンドでもあるんだからな。


≪ヴォギョッラァァァァ!≫

≪ヴオゴッボボボオォッ!≫

『ええいめんどくせぇ、来るならせめてどっちか片方だけにしろや!』


 思わず文句の一つも出るが、それで従う奴らじゃねえ。一先ず破壊はできずとも、せめて撃退に追い込まねえとやってらんねぇワケだが……


≪ヴョルロッボァァァ!≫

『うおっ!? いきなりかっっ!』


 カルカロレクスの鼻先から放たれる熱線を、障壁バリア纏いの剣で受け流す。正攻法とは言い難い上、加減が難しく不安定なんで本来推奨されるやり口じゃねーが……当然そうまでするのには理由がある。


≪ボブルッ! ブヴォオオオッ!≫


 俺が熱線の防御に集中してると思い込み、無数の目を見開くディノカリディダ。

 奴が目玉から撃つ光弾・光線の類いはどうやら、絶大な火力や様々な特殊効果を持つ反面原則として"狙って溜める"動作が必要になるらしく、実際ヤツが攻撃してくる時には必ずと言っていいほど他二匹の"補助"があったんだ。

 つまり――


『――それこそてめえの"隙"だろうがっっ!』

≪ブギャゥォオオオオッ!?≫


 剣で熱線をいなしつつ、俺は左掌の砲口から特殊弾頭を放つ。

 その名も"集束閃光弾クラスター・スタングレネード"……集束爆弾クラスターボムの要領で弾頭内に搭載された小型の閃光弾を広範囲に散布・炸裂させる代物だ。本来は歩兵部隊や暴走族、デモ隊なんかの所謂"多人数相手"を想定した武装だったんだろうが……


≪ゴブグギョゴッ!? ヴギッ!? ヴギブグボギョオオッ!?≫


 ……どうやら"目が多い相手"にも効果は抜群だったようだ。実際閃光に視界を奪われたディノカリディダは予想外の出来事に混乱、攻撃どころじゃ無くなってやがる。


≪グギョギ!? ギギギョ!? ゴギョブボゲエエッ!?≫

『いい気味だ。暫くそこで悶えてろ……』


 トドメを刺す選択肢もあるが、それより先に対処しなきゃいけねー相手ヤツがいる。


≪――ヴョッラアアアアアア!≫

『向かってくるか……』


 仲間ディノカリディダの異常と作戦の失敗を察知したカルカロレクスだ。


≪ヴョッルロァァァァ!≫


 どうやってか閃光の目潰しを免れたヤツは、鼻先からの熱線攻撃を中断……大口を開け、牙を剝き、胸鰭代わりの両腕には、どっから出したか知らんが三叉戟トライデントが握られている。

 十中八九接近戦に持ち込むつもりだ。刺し貫き動きを封じてから食い千切る算段なんだろうが……


『所詮、使役される立場に甘んじる人工物畜生じゃその程度なんだなあ……

 とりまその大口、閉じるつもりがねぇなら"開けてろ"っ!』

≪ヴョァッ!?≫


 全くもって隙だらけな口腔内に俺が打ち込むのは二発の時限式榴弾――榴弾とは言うが要するに真っ直ぐ飛ぶ時限爆弾みてーなもん――だ。

 内訳としちゃ、炸裂範囲に吸水性高分子ポリマーを巻き散らす"高分子拘束弾"と、氷点下二百度に迫る超低温の液体で周囲の水分を瞬時に凍結させる"瞬間冷凍弾"……この二つがカルカロレクスの口腔内で炸裂したらどうなると思う?


≪ヴョ!? グァガ、ヴァグガァッ!?≫


 正解は……"凍った高分子で口ん中が埋まり、口を閉じることができなくなる"、だ。恐らく鰓も凍ってることだろう……もっとも、生身の生物じゃないなら意味なんてねえだろうがな。


≪ヴョ、グ、ヴウウッ!≫


 その証拠と言うべきか、奴はせめてもの抵抗なのか持っていた三叉戟トライデントを投げつけてくるが……そんなもんが俺に命中あたるワケもねえ。


『甘ぇ』


 最低限の動作でさっと躱しつつ、俺はカルカロレクス目掛けて突進する。

 さて、なんか必殺技の一つでも考えねーと……何がいいかな……


『うーん、えー……っと、そうだこれで行こう。


 ――必殺「伊達眼鏡流剣技"模倣式"第二奥義・討海姫音速斬」ン!』

≪ヴョゴァァァァ!?≫


 “大英雄ドラゴンナイト”の右腕から生えた長剣の一閃は、カルカロレクスの巨体を見事に両断。運良く体内の駆動中枢も破壊できたようで、腕の生えた巨大鮫は忽ち崩壊し瓦礫と化して沈んでいった。


(で、残るは目玉ディノカリディダ電撃プリシオソーだが……)

≪グォオオオッボオオオッ!≫

≪キュィィィィィィーッ!≫

『おっと、丁度いい所に……』


 それは全くもって実に"丁度いい"タイミングだった。

 カルカロレクスの破壊から程なくして、閃光にやられていたディノカリディダが持ち直し、序でに姿の見えなかったプリシオソーも(傷が治癒したからか)俺の前に姿を現してくれたのだ。

 "総理大臣プレジデント"搭乗時ならいざ知らず、"大英雄ドラゴンナイト"を駆る今となっちゃ二匹同時に出てきたとて纏めて倒すチャンスでしかねえ。



≪キュィィィィィィーッ!≫

『効くかァ! 絶縁障壁、出力五割増しで展開だっ!』


 最初に動いたのはプリシオソー。傷を回復した序でにパワーアップでもしたのか、その電撃は以前にも増して強烈、恐らくアンペア数が上がっているが故だろうが……如何に激しさを増そうと所詮は電撃。自然界で発生しうる最大クラス、二十万アンペアの落雷千二百連発にも通常出力であっさり耐え抜く"大英雄ドラゴンナイト"の絶縁障壁を突き破るのはそう簡単じゃねえだろう。


(……とは言えヤツにしてみりゃ"それで充分"なんだろうがな)

≪ゴグォォォォォォ……!≫


 俺の独白を裏付けるが如く、背後ではディノカリディダが攻撃準備に入っていた。

 例によってプリシオソーに陽動を任せ、出来た隙を突いて特大の光弾をぶち込むつもりなんだろうが……


『その動き自体が隙だつってんだろっっ!』

≪ブボゴギョォォォォォッ!? ゴボゴォォォォッ!?≫


 後ろ手に右掌から"集束閃光弾クラスター・スタングレネード"を撃ってやれば、閃光で視界を奪われた挙句溜め込んでいた光弾のエネルギーが暴発して自爆・負傷する始末。

 それでもまだ再起不能にはなってなかったようだが、何せ目玉が爆発しただけに中々深手を負ってるらしい。


≪ゴグ、ブゴグゥ……!≫

『逃がすかァ~!』

≪ブボゴゥッ!? グゴォォォォォ!?≫


 もがきながらもなんとか逃げようとするディノカリディダを、然し俺は逃がさず捕縛する。

 右腕に内蔵されたグラップル・ガン"物理型瞬間移動装置フィジカル・テレポーター"から打ち出したアンカーで藻掻く異形を仕留めたらば、スナップを効かせた動きで即座に引き寄せる。


『よぉ~ディノカリディダぁ~? お近づきの印に「ダイ大」ごっこやろうぜぇ~!

 俺クロコダインやっからさぁ、お前クロコダインの鎧やってくれよォ~!』

≪ブゴボギョバラァァァァ!?≫


 障壁も地味に消耗のデカい技なんで、あんま長々と展開しとくわけにもいかねぇ。そこで俺は障壁の出力を標準の八割程度に抑えつつ、その代わりとして案外頑丈そうなディノカリディダを盾にした。

 ……我ながら『ダイの大冒険』に関する知識が『クロコダインって敵軍上がりのワニみてぇなオッサンが仲間内じゃ一際頑丈なんで敵の攻撃を引き受ける壁になりがちらしい』ってのだけなんでこんなボケに走らざるを得なくなっちまった件は素直に謝罪させてくれ。申し訳ない。


(ともあれこれで暫くは持つ……このまま一気に振り切るぜ!)


 ディノカリディダを盾にした俺は、そのままプリシオソーの電撃を力任せに突っ切っていく。


『ぐわはははははは! 耐えろよディノカリディダ、俺がいいって言うまでぶっ壊れんじゃねーぞ!?』

≪ゴグ、グゴゲ、ゴギョガアアアア!?≫

≪ギュギギィィィィィィィィ!≫


 苦しみ悶えるディノカリディダを盾にしつつ、俺は尚も進み続ける。

 道中、プリシオソーの電撃の出力が上がった気がする。察するに仲間を盾にされた怒りか、はたまた単純に身の危険を察知したかわからんが、ディノカリディダが使い物にならなくなったらそん時は絶縁障壁で耐えりゃいいだけの話……然して問題になろうハズもねぇ。


≪ギュギィィィィ!?≫ 

『さあ剣の間合いだぜ……』

≪グボゴォォォ!?≫


 程なくして俺はプリシオソーの眼鼻の先……右腕から生えた剣が届く距離まで接近する。


『これで心置きなく狩れらァ……てワケだ、刺し貫かれとけぇ!

 奥義「竜騎士一家流剣術"剽窃式"・竜紋串刺刑」ェ!』

≪ボブッゴオオオ!?≫

≪ギュイイイイイイ!?≫


 右腕の剣でもって、盾にしていたディノカリディダごとプリシオソーを貫きつつ、刀身を一.三倍程伸ばしておく。何故態々そんな真似をしたかっつーと……


『……念には念を、入れねえとなあッ!

 串焼きになっとけェ! 奥義「大英雄剣技"盗用式"・灼熱割腹幇助」ォ!』

≪グブボオオオオオオ!?≫

≪グュギギギギギィィィィ!?≫


 ……見ての通り、次の技に繋げる為だ。

 突き刺さり、延長された剣に熱を纏わせ真下へ振り抜けば、ゴーレムどもはいともたやすく切り裂かれてくれる。

 その破壊力たるや、ディノカリディダの甲殻やプリシオソーの再生能力さえ歯牙にもかけないほど……要するに圧倒的ってこった。

 だがそれでも中枢を破壊しねーことには安心できねぇ。よって俺は徹底してトドメを刺しにかかる。


≪グュギギ、ギュギギィィッ!≫

≪ボ、ボボボ、グゴボ、ゴグボゴオッ!≫

『……もうめんどくせぇ。揃ってそのまま切り刻んだらァ!』

≪ギュギャギイギィィィィィィイイイイイッ!?≫

≪ブォロボゴ、グブボグォォォォオオオオオ!?≫


 最後の最後で俺が選んだのは、技もクソもねぇただの連続攻撃だった。

 理由は至極単純かつ、安易で安直……息も絶え絶え、戦う力なんて残ってるハズねぇのにしぶとく原型を保ってるこいつらにイラついて、もう技らしい技を使ってやるのも嫌になったからだ。

 だがシンプル乍らその攻撃は抜群だったようで、出鱈目な斬撃はゴーレムどもの中枢を悉く破壊。

 ウミウシ風の電撃首長竜と目玉だらけの異形は、巨大鮫の後を追うように瓦礫となって水中へ消えていった。


(やれやれ、とんでもねー相手だったぜ……)


 全く以て面倒ったらねえ奴らだった。正直な話、これで終わってくれりゃ万々歳だが……あのジジイの性格からしてまだまだ戦いは続くだろう。

 実際それを証明するかのように――恐らくジジイが魔術を解除したからだろうが――海の如く辺りを覆っていた水は見る見るうちに減っていき、浮遊大陸は瞬く間に元の姿を取り戻した。


「……よもや地の利さえ物ともせずあの三匹を破るとは思わなんだぞ、リビングデッド」

『そりゃどうもよ。……で、どうすんだよ? まだゴーレムは終わりじゃねえんだろ?』

「無論。我が最大の切り札を含め……そうさな、まだ両手で数え切れるほどはおる計算になるか」

『十匹ってことか? そりゃ幾ら何でも多すぎだ。気を付けてねーといい加減読者に飽きられんぞ』

「ふむ、それもそうか……なればまあ、なるべく短期決戦となるよう善処せねばなあ……」

『ああ、宜しく頼むぜ』


 ……勝利の余韻からだろう、正直俺はこの時状況を軽視ナメていた。

 具体的に言うならジジイの『ゴーレムは残り十匹いるが、長引かせない為にも短期決戦を心がけよう』って発言、その裏に隠された恐るべき真相に、俺は感づいてすらいなかったんだ。

次回、陸戦再開!

その高性能っぷりで無双状態の大英雄ドラゴンナイトに予想外の危機が!

そしてチャールズの意味深な発言に隠された恐るべき真相とは!?


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