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デッドリヴェンジ!-最愛の婚約者諸共殺されて腹立った俺は、最強ゾンビになって美人悪役令嬢とかイケメン人狼なんか連れて復讐序でに無双しようと思います-  作者: 蠱毒成長中
CASE3 激突、マインデッド邸守衛隊五人衆!

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破『壊』し『蹂』躙する『壮』絶な『侵』攻を『睨』視する象『亀』――即ち『壊蹂壮侵睨亀』

激闘はまだまだ続く!

 俺の名前は、北川ナガレ。


「やれぃ、ケラトプス! "ヴァイブレイト・ファクション"を放てィ!」

≪クギャアアアアアオオオオオオッ!≫

『うおっ!? またその技かよ! クソっ、避けるしかねぇーっ!』


 上空約25キロメートル……成層圏でもオゾン層の密度が一番高い辺りに作られた空中庭園でロボを駆り、恐竜とも怪獣ともつかねーバケモン相手に大立ち回りを演じるゾンビの化け物だ。

 因みに上のシーンでジジイが言った"ヴァイブレイト・ファクション"は、角竜風の"古代剛体王 ヴァイブレイト・ケラトプス"が鼻先の角から放つ光線で、奴自身の能力で生み出した振動エネルギーを初歩的な光線タイプの攻撃魔術に乗っけて撃つシロモノだ。まあ、使い手の古代剛体王ケラトプス自身が元々重量とパワーにもの言わせた格闘戦タイプだからなのか射程は短め、命中精度もさほど高くはねーんだが……その分破壊力と連射性がヤバいんで断じて侮れねぇ。

 現に俺の駆る"謎数多武闘派総理大臣ブルートフォース・プレジデント"、その強固な装甲も危うくブチ破られるトコだったからな("原爆の直撃にも五回は耐える"程の装甲が光線掠っただけで目に見えて抉れてんだぜ、冗談じゃねえよ)。


『なァ~爺さんよぉ~? もうその技禁止にしねーか? 明らかに門番が使っていい技じゃねーってばよぉ~』

「おお、そうか……禁止にして欲しいかぁ……。

 そこまで言われてしまっては……より積極的に使わせて行かねばならんなぁ!?

 ケラトプス! もう一発、最大出力でくれてやれぃ!」

≪クギャアアアアアオオオオオオッ!≫

『話聞けやクソジジイ! その喋りで認知症ボケたつもりかァ!』


 迫り来る極太光線を、両脚と後頭部から伸びる"尾"でもって跳躍して避ける。


(……然し参ったもんだな。"総理大臣プレジデント"は元々格闘特化の機体、飛び道具も無くはねーがクセが強くて扱い辛ぇと来てる)


 元々あの角竜と殴り合うつもりで寄越して貰ったが、とは言え近寄った所で光線撃ち込まれたら一巻の終わり……背後バック取ろうにもジジイに妨害される危険がある以上、正攻法じゃほぼ勝ち目はねえ。


(ま、そもそも俺がロボの扱いに不慣れなのがいけねーんだがな……)


 こんなことなら屍人の討伐依頼休んででももっと操縦訓練受けとくんだったぜ……なんて悔いたところで後の祭り。


(となると……アレっきゃねぇわなぁ。今後を考えるとあんま使いたくねーんだが……)


 一念発起した俺は"総理大臣プレジデント"の隠し玉を使うと決意した。


『よぉ~爺さん、さっきの凄かったなぁ。まるでウルトラ族みてーな……いや、角から光線ってぇとそれこそ怪獣か? ともかく大迫力でよぉ~』

「……急に如何した? 我はジッキンゲンではない故、おだてられたとて手を抜くような真似はせんぞ」

『ああわかってる。勿論他意はねえさ。ただ純粋にスゲーなって、知的好奇心を刺激されたんだよ。

 大まかに察した程度だが……そいつ、並みの動物じゃねぇんだろ? さりとてロボとも思えねえが……』

「ほう、よう気付いたな。確かにこの古代剛体王はじめ我が配下らは、そこいらの畜生とはまるで別物……岩石や彫刻に疑似的な生命エネルギーを与えて生み出した存在ぞ」

『要するに生身に近い振舞いのできる土人形ゴーレムってワケだ』

「如何にも。知能は働き者の牧羊犬かよく躾けたオウム程度、声帯ほか簡易的な内臓を持ち、自重を支えつつ柔軟に動くべく骨格や筋肉、神経等も再現してある……最も、生身の生物に比べれば到底粗末ではあるがな」

『何が粗末だよ。めっちゃ精巧じゃねーか』


 よっしゃ、事前確認も万事オッケー。作戦は問題なく進行するだろう。


「……もう好いか? お互い話題も無かろう、そろそろ」

『ああ、いつでもいいぜ。あんたの話は実に有意義だ。地獄への手土産も確保できたし、二度目の死を迎えても悔いはねえよ』

「よう言うた、それでこそ我が対戦相手に相応しい……征けい、ケラトプス! 貴様の剛力と振動能力を以てかの絡繰りを鉄屑に変えてやるのだ!」

≪クギャアアアアアオオオオオオッ!≫

光線ファンクション抜きに向かって来るか……随分とナメてくれるじゃねーか!』


 猛スピードで突進してくる古代剛体王ケラトプスを、俺は"総理大臣プレジデント"で真正面から受け止める。っていうか、受け止めざるを得なかった。


≪クギャアアアアアオオオオオオッ!≫

『チぃ、クソっ! 出遅れたっ!』


 想定としちゃ初撃を上手く回避しつつどうにか背後を取り、適当に攻撃しながら隙を突いて作戦実行するつもりでいたが、タイミングをミスって接近戦に持ち込まれちまった。これは流石にヤバい。


(幸いにも角は上手く避けたからヴァイブレイト・ファンクションの直撃こそ回避できたが……それにしたってこの怪力はヤバ過ぎだろっっっっ……!?)


 いやもう、マジでやべーのよ。奴のパワー、イメージの三倍ぐらいあるんだもん。

 正直このままじゃ力負けは確実だし、仮に押し切った所で隙突いてジジイが何かしてくる可能性もある(つーか今までなんであいつから攻撃受けて来なかったのかが謎でならねぇ)。


(ええい、ともかくここは作戦を実行に移しつつ迅速に抜け出すまで!)


 力負けしそうになるのを必死で押さえながら、俺はケラトプスの背中を殴り付ける勢いで指先から弾丸を発射する。反り返る襟巻フリルの隙間へ入り込んだ弾丸はそのままヤツの首筋へ直撃し……


≪クギャアアアアアオオオオオオッ!≫

『ぬううううおおおおおおおっ!』

≪クギャアアアアアオオオオオオッ!

 クギャアアオオオオッ!

 クギャッ!

 クギッ、クッ、ギ────≫

(よし、早速"効いた"かっっ!)

≪────≫


 悶絶すること暫し、そのままただの石像にでもなったみてーに動かなくなった。


「ぬううっ!? 如何したケラトプス!? 一体何事だッ!?」

『どうなったかって? ……教えてやんな、ケラトプス』

≪クギャアアアアアオオオオオオッ!≫

「な、なんだとっ!? 何故ケラトプスが我の方へっ、――ぐおあああああ!?」


 俺に命じられるまま、ケラトプスは突進でチャールズ老を引っ繰り返す。

 甲羅ん中の上部を肺が占め、かつ甲羅が縦長で重い関係上ゾウガメが引っ繰り返されて起き上がれねぇ状況は即ち、肺圧迫からの窒息死を意味するが……


「っ、ぐぅぉ、っづおおおおおおっらあああ! ぬんんっっっ!」


 そこは流石、常識外れの傑物バケモノが集うマインデッド邸守衛隊……物理的・身体構造的に本来ゾウガメでは不可能なハズの"起き上がり"をやってのける。


『スゲーな、ゾウガメは一度引っ繰り返ると起き上がれずに死ぬだの、だから船乗りは食料としてゾウガメを逆さにして船に積んでただのと聞いてたんだが……』

「我を見縊ってくれるな。そのような弱点への対策などとうに済んでおるわ……」


 そりゃそうだろうな。でなきゃこっちも張り合いがなくてつまんねーし武器の試し斬りもできねーから、まあ好都合っちゃ好都合だが……


「然しリビングデッド、貴様……悪質な手を使いおって……」

『悪質だあ? なんのことだよ、俺の今までの行動・言動に知能指数一万相当の、野蛮じゃなくて無駄もない、標的の心を狙った知的な作戦なんざ考えてもねーんだがなあ~』

とぼけおってが、腹立たしい……貴様、如何にしてか古代剛体王の支配権を奪い我へ嗾けたであろう? よもや存ぜぬとは言わせんぞ?」

『……ああ~……まァ~品のねえ真似だってのは認めるよ。けどしょぉ~がねぇ~だろ、俺なんて巨大戦こんなの初めてなんだしさあ、加えて数のハンデまであったんじゃこうでもしねーと勝負にならねぇっつーのよ』


 ちな(ジジイに教えるつもりはねーが)ケラトプスを操ったカラクリは"謎数多武闘派総理大臣ブルートフォース・プレジデント"の右手薬指に仕込まれた武装"禁断指弾マリオネット・バレット"だ。ただの一発しか打てない上に破壊力も"総理大臣プレジデント"としちゃ有り得ねーレベルで低いが、着弾と同時に変形・自走して標的の神経節や中枢回路なんかに入り込みある程度意のままに操れるっつー代物だ。

 最もだからこそ万能なんてことはなく、ある程度巨大で、かつ内部構造が複雑な相手じゃねーと通用しねーし、開発部の見立てじゃ知能の高い相手を操るのは多分ほぼ無理って話だが……。


「勝負にならん、か……その言い分は大いに理解できる。されど我とて古代剛体王そやつ無くしては勝負にならんのでな。返還するつもりもないならば、少々手荒な真似をせざるを得んなあ……」

『そいつぁ見過ごせねーな。ケラトプス、寝かし付けてやれ』

≪クギャアアアアアオオオオオオッ!≫

『そして俺も手を貸そう』


 チャールズ老の言葉から凡そを察した俺は、ケラトプスに続く形でジジイ目掛けて突撃する。


「甘いわ」

≪クギャアアアアアオオオッ!?≫

『うおっと!?』


 だがジジイは瞬時に防御系の魔術を展開、ケラトプスの突進と俺の袈裟斬りを防ぎながら詠唱を始めちまう。


「――古来、原初より天翔ける救い手あり。其は即ち、神速の翼也。

 かの者、麗しきはその見て呉のみに非ず。その極彩色の羽毛は気高さの証也。

 世が災禍に見舞われし時、地を荒らし人畜に仇為す害悪在らば、かの者は救済と排斥に赴かん。

 絹を重ねし寝間が開かれ、褥の殻さえ破られし時、かの者は羽搏き戦地に舞い降りよう。

 己さえ厭わぬ献身の化身、いざ飛翔せよ。

 原始献身主、バーニング・テラソー」

≪キュエエエエアアアアアッ!≫


 ジジイの詠唱に伴い空の彼方から現れたのは、色鮮やかな羽毛の生えた鳥とも翼竜ともつかない新たな化け物"バーニング・テラソー"だった。


(やっぱ追加召喚だったか)


 当たり前だがケラトプスとは全くの別物……空飛んでるってだけでも厄介なのに、その上結構素早そうなんだから尚タチが悪い。


(しかも恐らくケラトプスの振動光線みたく何かしらの特殊能力や必殺技を持ってると見た。バーニングってからには火でも吹くんだろうが、それだけとも限らねーし……)


 まあいいさ。難局だろうが楽しんで乗り越えちまえばそれでいい。


『面白ぇじゃねーか……! 陸でも空でも水中でも、どっからだろうとかかって来やがれ!』

次回、難敵ゴーレム続々登場!

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