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その展開"まさに予想外"

順調にゾンビを刈っていくナガレだったが……

 俺の名前は、北川ナガレ。



『さてさて……発破遊びもそこそこに、チャンバラごっこと洒落こもうかァ~』



 適当な地面に突き刺しておいた武器を抜き乍ら、慌てふためくゾンビどもの前に躍り出るゾンビ刈りの化け物"死越者エクシーデッド"だ。



『ヴアアアアアア――

『グガアアアアアアア――

『グオオオオオオオオ――

『やかましい』

『ヴエエエエ!』『ヴォエエエエ!』『ヴッバアアアア!』


 騒ぐゾンビどもを爆弾で蹴散らす……これで残り一つ。だがそろそろ補給用のドローンが到着する頃だ。


『それに、爆弾以外にも武器はまだまだ届くしなァ』


 裏方から性能テストを頼まれてた武器が幾つかあったハズだ。

 その辺諸々も兼ねて、こいつらで思う存分"遊び尽くす"としよう。


『ちったあ長く耐えてくれよ。新作試す前に全滅されちまったんじゃ、こっちもやってらんねぇからなァ。

 読者はてめえらが俺によって蹂躙されるのを望んでる。俺の暴れっぷりとてめえらの散りザマに期待してるんだ。

 てめえらも一応登場人物の端くれなら、読者の期待に応えられるよう頑張ってみやがれってんだ』


『ちったあ長く耐えてくれよ。新作試す前に全滅されちまったんじゃ、こっちもやってらんねぇからなァ。

 読者はてめえらが俺によって蹂躙されるのを望んでる。俺の暴れっぷりとてめえらの散りザマに期待してるんだ。

 てめえらも一応登場人物の端くれなら、読者の期待に応えられるよう頑張ってみやがれってんだ』


 そんなこんなでクソ以下のメタ発言交じりにノダチを構える俺だったが……


「いやあああああああああああああああああああ!? なんなんですのおおおおおお!?」


 ……折角の雰囲気に水を差すのは、聞き覚えのある女の悲鳴。

 一体何事だよと気だるげに声のする方を見れば……


『ヴアアアアアアアアッ!』

『ヴエエエエエエエエッ!』

『ブボウッ! ボボボバウッ!』

『ギュイギギャギギャギィーッ!』

『ヴゥゥゥゾダヅォンボゴグォオオオン!』

『ヴィヅォオドグッヅェルゾグッドヴァズボオオオ!』

『ヴオッベケレングッギイイイイイイイ!』

『ズィガガダイズッテブダゴオオオオオオオ!』

「なんですの!? なんなんですのコイツらっ! 昭和のやっすいホラー映画じゃないんですのよ!? 一体どうして追ってくるの!? ほんともうマジ最悪ですわぁぁぁぁぁ!」


 案の定、件の女――劣等どもに追われてたのを助けたら気絶してたんでとりあえず物陰で寝かせといた令嬢っぽい姉ちゃん――が、迫りくるゾンビどもから逃げ回っている。

 囲いに使ってたゾンビ除けが破壊されたとか、バッテリ切れなんてことはねぇハズだ。恐らく意識が戻ったはいいものの、記憶が飛びでもしたか混乱して囲いの外に出ちまったんだろう。


『何やってんだよ全く……しょうがねぇ、助けっかァ~』


 俺個人、あの姉ちゃんには生きてて貰わなきゃ困るんだ。果たしてゾンビどもの目的が何かは知らねえが、ともあれ追い回されてる以上守ってやらなきゃいけねぇだろう。


『死ぬなよ姉ちゃん、今行くぜェ~』


 想定外の出来事は不本意だが……"姫君プリンセス守りながらのゾンビ刈り"ってのも、趣があって悪くねえと、そんな風に思えば何とかなるんだ。


(言うて姫君つーか令嬢だし、あのビジュアルと喋りはどっちかっつーと性根の腐った外道女……世に言う"悪役令嬢"っぽいけどなァ)


 まあいいさ。こちとら怪人"死越者エクシーデッド"。

 見た目も中身も悪役ならば、守る女も悪でいい。むしろそっちがお似合いさ。

次回……ナガレ、謎の女を"超紳士的"にエスコート!

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