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デッドリヴェンジ!-最愛の婚約者諸共殺されて腹立った俺は、最強ゾンビになって美人悪役令嬢とかイケメン人狼なんか連れて復讐序でに無双しようと思います-  作者: 蠱毒成長中
CASE1 ゾンビ刈りのゾンビ、戦闘型悪役令嬢と出会う

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その糸は相手の"意図"の遥か斜め上に飛ぶ

糸と意図をカケたシャレなんだけど"あんなの"が糸って無理があるよな……

 俺の名前は北川ナガレ。


(なんだったかな……あと少しで思い出せるんだが……)


 相対する謎の敵――正体不明の中枢部と"屍人でできた"八本の脚からなる蜘蛛かザトウムシみてーな化け物――の姿に既視感を覚えた、ゾンビ刈りの化け物だ。

 さて、その既視感の正体ってぇのはつまるところ……


(……彫刻蜘蛛ママン以外の何かに似てる気がしてたが思い出したぜ。"バンブー・スパイダー"だ、『髑髏島の巨神』のよぉ~)


 映画『キングコング:髑髏島の巨神』に登場した"バンブー・スパイダー"は、その名の通り体長7メートル――足を含めりゃそれ以上か――の大蜘蛛で、細長い八本の歩脚でもって竹林に擬態し、股下をくぐろうとした標的を仕留める厄介な奴だ。

 劇中では島に乗り込んだ特殊部隊の一人を殺したが、残りに反撃され比較的呆気なく倒されている。


(バンブー・スパイダーは合体節への集中砲火に加え足を斬られて動けなくなった所でトドメを刺された。モンハンの砦蟹シェンガオレンにしてもそうだが、まずは歩脚を一本でもぶっ潰すのが先決か)


 勿論簡単に行くとも考えてねぇが、やれるだけのことをやってみるしかねえだろう。

 ってわけで隣で一緒に隠れてたヨランテへ話を振ろうとしたんだが……


「……!!!」


 どうにも様子がおかしい。まるで生きたまま凍り付いたみてぇに、酷く怯えてるような……。


(……不用意に手ぇ出すべきじゃねえな)


 下手に刺激したら余計悪化するだけだろうと静観を決め込んだのが功を奏したか、幸いにも程なくしてヨランテは平常心を取り戻したようだった。


「……北川様、唐突に、つかぬことお伺いしますけれど」

『おう、どうしたお嬢』


  上品に(?)深呼吸したヨランテは、ゆっくり淡々と、丁寧に絞り出すようなトーンで俺に語り掛けてくる。

 さて彼女が唐突に伺ってきた"つかぬこと"ってのは一体何かっつーと……


「岩崎書店の『妖怪捕物帖』ってご存じ?」

『ああ、あの児童小説のヤツか。近頃読み始めたトコだぜ。あれ面白いよなァ。子供向けだと思って見くびってたが……童心に帰るってヤツ? まさか死んでからそういう体験をするとは思わなかったがよ。

 で、その妖怪捕物帖がどうした?』

「いえね、私も同書のファンなのですけれど……とある名場面を思い出しましたの。今のこの状況と、似ているもので」

『ほう、そりゃまたすげえ偶然だな。で、その場面ってのはどんなんだ? 思い出すぐれーの名場面ってんなら、そりゃもう爽快感と感動がインフレしまくりな感じかい?』

「……ある意味では、そうですわね。具体的に言うなら……」



 息を詰まらせ、なぜか背後を指差しながら、ヨランテは言う。



「……敵に操られた味方キャラが切り札解放で襲い掛かってくるシーン、ですわね」

『その答え、普通の雑談で聞きたかったぜ……』

「裏表紙にそれっぽい姿があって、読み進めたら敵に利用されてるんだから地味にショックでしたわ……」

『わかるぜ。いつか味方戦力としてその切り札使ってくれる場面とかあったらいいよなあ……俺まだそこまで読んでねーけど』


 刹那、ヨランテが背後を指差していたのが気になった俺は咄嗟に遮蔽物の陰から顔を出し……



『避けろ、お嬢っっ!』

「へ? 何をっ、ぎゃあっ!?」



 目にした光景を瞬時に理解し、気付けばヨランテを突き飛ばす序でに反対方向へ跳躍していた。



『rrrrrrRRRRIIIIPPLLLLLLLLLLL!!』



青白い極太の熱線ビーム──怪獣王ゴジラが吐くアレみたいなもん――が俺たちの隠れていた場所を消し炭にしたのは、その直後の出来事で……前後して聞こえてきた怪音から察するに、撃ったのはあの大蜘蛛で間違いねえ。


『お嬢ぉぉぉー! 無事かぁーっ!?』

「な、何とか無事ですけれど、いきなり突き飛ばすのは戴けませんわね!?」

『ああ、悪かったよ。だがあと四半歩でも遅かったら揃って消し炭だったじゃねえか』

「勿論そこは感謝してますけれどっ……こ、腰がぁっ……!」

『いや無事じゃねえじゃん、待ってろ今助ける!』


 当たり所が悪かったからだろう、腰をさすりながらうずくまるヨランテを助けた俺は、そのまま物陰に身を潜めつつ大蜘蛛を注視する。


『やれやれ、何やってきてもおかしくねえとは踏んでたがまさかビーム撃ってくるとはなあ』

「しかもあの蜘蛛、目玉らしいものが見えなかったのに明らかにこちらに感付いてましたわよね? なんだか妙な視線を感じると思ってちょっと顔を出したら心なしかこちらに向けて青白い光の玉が向けられてて……」

『なるほどそれで咄嗟に隠れながら後ろを指差してたわけだ』

「ええ。あの状況……なんて言うんですの、ビーム系必殺技の溜め動作? みたいな状態だったのですけれど……それでもう、あまりのショックに気が動転して、わけもわからず咄嗟に児童書の話なんてしてしまって」

『いいさ。俺だって突き飛ばしちまったしな。それより問題は大蜘蛛ヤツだ。ビームもおっかねぇが、何よりどうやってこっちを認識してんだかまるでわからねぇ……』



『rrrrrrRRRRIIIIPPLLLLLLLLLLL!!』



 お嬢の発言が確かなら、隠れてたって奴はこっちを見つけ出すだろう。だったら正面切ってやりあう方がまだマシだ……そう判断した俺たちは、二手に分かれて物陰を脱し、そのまま大蜘蛛と向かい合う。



「さあ来なさい木偶の坊。私たちが遊んであげますわぁ」

『その歩脚アシ全部ヘシ折ってブチ抜いてやらァ~』

『rrrrrrrrrrRRRRRRRRRRIIIIIIIiiiiiiIIIIIPPPPPLLLLLLLLLLLLLL!!』



 徐々に明るくなりつつある山中で、俺たちは大蜘蛛を挟んで向かい合い……武器を構える。



『rrrrrrRRRRIIIIPPLLLLLLLLLLL!!』

「……またその鳴き声ですの? いい加減耳障りだからやめてくださるかしら?」

『全くだ。なんか合衆国アメリカの仮想通貨詐欺グループみてーですげえ腹t――

『rrrrrrrrrrRRRRRRRRRRIIIIIIIiiiiiiIIIIIPPPPPLLLLLLLLLLLLLL!!』

『「……』」


 俺の発言を遮りかき消すような……狙ってやったとしか思えないほど的確な鳴き声は、俺たちを苛立たせるに十分だった。


「あらあら、止せばいいのに死に急いじゃってまあ……」

『一度死んだ癖してまた死にてえってか。まるで依存症だなぁ……じゃあ望み通り、切り刻んでブチ殺してやるよ!』

『rrrrrrRRRRIIIIPPLLLLLLLLLLL!!』


 さぁ~て、廃棄物処理と洒落込むか!


次回……ナガレ、対大蜘蛛戦を制す打開策を練り上げる!

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