ウソツキは1人(4)
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やぁ!順調に進んでるみたいだね。少しは余裕が出てきたかな?次もウソツキを当てる問題なんだ。楽しんでいってね。でも、そろそろ気づいたんじゃないかな……?君たちが仲間と思ってる人の中に……。
Q.次のA、B、C、D、Eの5人でかけっこをしたよ。みんなはそれぞれその時のことを話しているんだ。でも1人だけ嘘しかつかないウソツキが混ざってるから気をつけてね。ほかの4人はホントのことしか話さないから安心していいよ。それじゃあ頑張ってねウソツキを見つけてそのボタンを押してね!
A「やぁ、僕はラビットだよ。兎だからかけっこでは負けないよ。今回ももちろん1位だったよ。Bくんは思ったより早かったね、3位以内に入るなんてね。話は変わるけど、今までの問題は、次の最後のパズルを解くヒントになってるんだ。だから今までの答えをちゃんと思い出して欲しいな。」
B「ふぅ…つかれた…Cさんより順位が上でよかったよ。Dさんは怒ってたみたいだけど。そういえば、あの事件だけど、彼が原因らしいね。なんでも嘘をついて彼女を傷つけたとか。」
C「私はあまりかけっこが得意じゃないんです。B君とDさんに抜かれたままゴールしました。事件についてはわたしもそう聞きました。彼は嫌いじゃないけど、少しだけ信用出来ない時があるのよね。有賀さんがかわいそう。」
D「石森さんよりは速く走れたみたいね。でも、E君には勝てなかったわ。悔しい…悔しい…悔しい……Eくんを殺してやりたい……私のものにしたい…………。私はアイツを許さない………。私から全てを奪ったあのウソツキに制裁を………。」
E「よぉ!なかなかいい勝負だったな。Cには勝てなかったが、Bの2つ隣の順位だったし満足だぜ。アイツは少し強引なところがあるからな。アイツも一応反省してるからDも許してやってほしいぜ。でも大きな事件にならなくて良かったな。」
ハハッ、ちょっと長くなっちゃったかな?でもここまで来れた君たちならカンタンだよね!次の扉の先で待っているよ!
………ウソツキは彼女を地獄へ導いた
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「なぁ石森、有賀ってあの有賀か…?」
「あら、大輝君も有賀さんは知ってるのね。同じクラスメートでも、大輝君はあまり人の名前を覚えようとしないから」
「有賀って自殺したんじゃないのか…。それも今日その話を聞いたんだが。」
「えぇ、厳密には自殺未遂よ。屋上から飛び降りたらしいわ、だから今日は学校が終わるのが早かったんじゃなくて…?」
「そうか、死んだ訳じゃないのか。それならよかった。」
………2人は何を言ってるんだ?有賀……?そもそも今までそんな話1度も……
「そういえばカイトは有賀と仲よかったよな?」
「えぇ…?有賀って誰……?」
「本気で言ってるのか?ついに俺よりバカになったのか?」
「本気だよ大輝。どうも記憶が曖昧なとこがあるんだ。」
「有賀杏華。同じクラスの女子で、スラッとしてて綺麗な子よ。少しだけ近寄り難い雰囲気をしてるけど。」
「そうだよ、お前らよく話してたじゃないか。なんか趣味が合うとか合わないとかで。」
………ダメだ思い出せない…。おそらくこの問題に出てくるということは重要な人物なのだろう…
「なぁ、よく思い出せないけど。その有賀って人はなんで自殺なんてしようとしたんだ?」
「さぁ…?さっぱりだわ。特にいじめられてたわけでもないと思うけど。失恋とかかしらね…?」
「どちらかと言うと失恋させてきたって感じだけどな。」
「まぁ、でもこの問題に出てきたってことは、何か重要な意味があるんじゃないか?」
「そうね…でもそれを考えても特に思い当たることは無いわ…とにかくこの問題を解いて先に進みたいわね。ラビットが言うには次が最後みたいだし。」
「そうだな岩森。でもラビットが嘘を言ってるかもしれなくないか…?」
「いや、ラビットは嘘を言っていないと思うよ…仮にAがウソツキだとするとAは1位じゃないかつBは4位か5位になる。この条件だとCの発言からBが4位、Cが5位になって、Eの発言と矛盾するんだ。」
「……?」
「つまりAのラビットはホントのことを言っていて、次の問題が最後ってことね」
「なるほどな!」