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論理パズルは裏切らない  作者: やわらかうさぎ
第1章
1/7

プロローグ

 目を開けるとそれぞれA、B、Cと書かれた大きな扉が3つ並んでいた。無機質な立方体の空間、その中央にテレビのモニターと3つのボタンが設置してあった。俺の体を起こそうとした時モニターに電源がついた。


 ――――――――――――――――――――――――


 はじめまして!相澤解兎(あいざわかいと)君。僕の名前は"ラビット"!ヨロシクね。

 突然だけど、君には次の問題を解いて欲しいんだ。なに、簡単な"論理パズル"だから難しく考えなくていいよ!


 次のA、B、Cの3人のうち2人は本当のことしか言わないけど、1人だけ必ず嘘をつく人間がいる。そのウソツキだと思う人のボタンを押すと目の前の正しい扉が開くよ。チャンスは一度、間違ったら元の世界には戻れないかもね!



 A「俺の名前は阿部っていうんだ。Bの相澤はウソツキで有名だから気をつけるんだぞ。」


 B「チッ、めんどくせーな。Cの石森は人見知りだから気安く話しかけるなよ。」


 C「……B君は正直者よ」



 いろいろと聞きたいことがあると思うけど、ここでは質問を受け付けてないんだ。正しい扉の先には君の仲間になってくれる人がいるはずだよ。


 さぁ、よく考えて。勇気をだして。




 ウソツキに裁きを…。


 ――――――――――――――――――――――――




 …頭の処理が追いつかない。ここは一体どこだ?確かに俺は相澤解兎だが、このラビットとかいう奴はなぜ俺の名前を知ってるんだ…?ここには無理やり連れてこられたのか?


 確か学校が終わって、家に帰る途中だったような…何か大事なことを忘れているような……?クソッ、考えてもわからない。とにかくこの部屋から出ることにしよう。


 周りを見渡しても白い床と壁、そして3つの扉しかない立方体の空間、それとモニターと例のボタン。結局はこのふざけた問題を解くしかないのか。


 問題自体はとてもシンプルだな、ノイズになってる発言を除けばAの「Bは嘘つき」、Cの「Bは正直者」という2つの情報しかない。仮にAが正直者だとすると、Bは嘘つきになりCも嘘をついてることになる。その場合BとCの2人が嘘をついていることになりウソツキが1人であることに矛盾する。


 つまりはAが正直者という前提が間違ってたということだ。AがウソツキならばBは正直者になりCも本当のことを言っているので矛盾がなくなる。答えのウソツキはAだ…。



 ただ、Aの言ってる相澤って俺のとこだよな…?それに阿部に石森か、どっちも俺の友達の名前だけど多分偶然じゃないよな。


 考えても仕方がない。とにかく正しい扉とやらを開けてみよう。このAのボタンを押せばいいはず…いいはずだが…ラビットの言うことが本当なら間違った選択した場合帰れなくなるかもしれない。慎重になるのは当然のはずだ…。押す……。押せるんだ……。




 臆病な自分を偽って俺はAのボタンを押した。



 大きな音を立てながら、Aの扉はゆっくりと動き出した。まだまだ先があるんだろう、ラビットは仲間がいるといっていたが、とにかく前へ進もう。




 早くここから脱出するために。






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