表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/92

射出

「オルディネ大聖堂か...よし、そうと来ればすぐにロレドニア周辺に戻れるように魔法陣を調整する!ちょっと待ってろ!」


エラクスは俺たちの話を聞くと、監視をしていた魔法使いとともに魔法陣へ向かう。

まばゆい光を幾度も発生させたかと思うと、エラクスが猛ダッシュで戻ってきた。


「よし!できたぞ!」


「ええっ!?早くない!?お父さん!?」


イゼリアがあまりの早さに戸惑う。

早すぎる...俺は一抹の不安を覚える。


「なっはっは!調整している途中で思いついてな!転移先をロレドニアではなく、オルディネ大聖堂そのものにすれば、すぐにでも着くことができるってな!」


「そ、それで...どうしたの...?」


イゼリアは恐る恐る聞く。


「ロレドニアとここみたいに繋げるのはきつかったから、大砲みたいにバーン!っと飛んでいく魔法をさっき作った!名付けてホーダイ!どうだ、この発想?」


「バカー!?そんなん転移でもなんでもなくてただすっ飛ぶだけの魔法じゃない!危なくって使えないわよ!」


イゼリアは腕を振り上げて父親であるエラクスに怒る。

エラクスは不思議そうな顔をしながら首をかしげる。


「ロレドニアからオルディネ大聖堂は遠いぞ?長距離を素早く行けるんだから利便性の塊だろ?」


「利便性云々以前に安全面を考慮してよ!」


豪胆な性格だと思ってはいたけど、こんな無茶な魔法を作るとは...

しかも思いつきで。


「私は、それでも構わないです」


ハルがイゼリアとエラクスの口論に割って入る。


「お母さん、きっと怖い思いをしています。だから、私は一刻も早くお母さんに会って少しでもその気持ちを和らげてあげたいです。そのためなら、多少の危険は平気です」


「あたしも、大丈夫だよ。ロレドニアからオルディネ大聖堂までなんて道のりがほんと長いからねー。それに、あの大魔導士エラクスが作った魔法だし死にはしないでしょ!ね?」


ユミナがハルの言葉に賛成して、エラクスにウインクする。


「おうよ!死にゃしねーようには頑張って作ったぜ!大魔導士を信じな!」


エラクスが親指を立ててユミナにニッと笑う。

ハルがそういう考えであるなら、俺はそれに応えられるように従いたい。


「俺も、大丈夫です」


「ジルまで!?うーん...うー...」


俺の賛同にイゼリアが頭を抱える。


「我が娘よ!実の父の腕を信じなって!」


「信じてはいるわよ!信じては!あーもう、わかった!私もそれで行くわよ!」


「おー、やっと決心してくれたか!昔は、こんなに言わなくともそのまま信じてくれたのになあ...」


エラクスをしみじみと語る。


「昔って私が小さいころでしょ!一緒にしないで!それよりもほら、もうみんな準備できてるんだから!」


イゼリアがエラクスを杖でつっつく。

俺たちは既に魔法陣の上に立ち、待機していた。


「お、そうだな!俺はこの魔法を発動させなきゃいかんから一緒には行けないが、王女さんのことよろしく頼んだぞ!」


エラクスと周りを取り囲む魔法使いが魔法陣へ手をかざす。

魔法陣が輝き始め、俺たちの体が少し宙に浮き始める。


「んじゃ、行ってこい!」


「「「うわああああああ!?」」」


「きゃっほー!」


エラクスのその見送りの言葉と共に俺たちは天高くはじき出された。



「...きて、起きてってば!」


遠くの方でイゼリアの声が聞こえる。


「おーい、起きよー」


「ジルさん!ジルさん!」


ハルとユミナの声もだ。


「起きないと死んじゃうわよ!」


イゼリアのその言葉で俺は飛び起きる。

起きた俺の目が見た景色は一面の雪に覆われた銀世界だった。


「ここ、どこ...?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ