オルディネ大聖堂という地
オルディネ大聖堂。
「グランワールド」のストーリーで最後に訪れる街。
教会や神父といったそういう教えを説いているものたちの、いわば総本山だ。
そして、そこの頂点には聖王と呼ばれる人がいる。
街中にいるのも敬虔な信者と、神父やシスターばかりだ。ゲーム中でも言われているが、まさに聖なる街だ。
そんな街がなぜ最後に訪れるというと、勇者が魔王を追った結果、オルディネ大聖堂直下に魔王がいることがわかるからだ。つまり、オルディネ大聖堂の地下には魔王の居城が存在している。
魔王は、なんとも大胆な場所へ作ったものだ。
俺がここにアラドがいると考えたのは、シフトの仕様と魔王の目的だ。
まず魔王の目的だ。
魔王は、表面上は平和にして裏から世界を掌握するというのが目的だったはずだ。
そして、そのためにアラドとフィアナ王女を結ばせようとしている。
そのことから、フィアナ王女はまず殺さないはずだ。
だけど、目的のためには連れ帰る必要がある。魔王の居城に。
次に、シフトの仕様だ。
シフトは一度訪れた場所しか転移することはできない。
通常、ゲームと同じ進行度であれば最終盤に訪れる街なんてシフトに登録されているはずがない。
しかし、アラドは魔王と結託していると聞く。
そうであるなら、魔王と何度か談合の機会があったはずだ。
それはどこで?魔王がその辺に表れれば、瞬く間に騒ぎになる。
必然的に、未だに場所を知られていない魔王の居城ですることになる。
つまり、アラドが直接魔王が居る場所まで行っていることが考えられる。
ゲームありきの知識だったから、あまり詳しく話すのは難しそうだった。
実際、イゼリアもユミナも懐疑的だ。
でも、ハルはそのまま俺の言葉を信じた。
「私、お母さんが連れていかれた後からぼんやりとなにか感じていました。でも、それがなんなのかわからなくて...ジルさんが地図を見せてさっきの場所を指してくれた時にはっきりとしました。
私、お母さんのいる場所を感じているみたいです。それがわかってから、赤い光がはっきりと伸びているのが見えます」
もしかすると、その力はフィアナ王女の言っていた...力...?
「ね、ここで話しても王女様は帰って来ないんだし行こうよ」
ユミナが地図をしまって言う。
俺は頭の整理を終え、準備に取り掛かった。




