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霧の先に広がるは

メキラの森は森と一言で表してはいるが、いわゆる熱帯雨林だ。

湿度が非常に高く、暑さも砂漠ほどではないにしろかなり暑い。水気を多く含んだ土を踏み、俺たちはメキラの森を進む。


ここはそんなに広く作られてないはず。

ゲーム的に言ってしまえば、フィアナ王女の力を使って通るための関所のような場所だからだ。


もっとも、そのゲームの知識もここまでくるとどこまで通用するかわからないが。


「ん?なにか霧が見えてきたわ」


イゼリアが前方に目を凝らす。

あの霧、真っ白に広がっており行く道をふさいでいる。


間違いない、あれがメキラの森を進ませない仕掛けだ。

それを確認したフィアナ王女が先頭に立つ。


この先に進むために力を使うのか?

だが、進んだところでアラドや魔王の考えをしのぐものが手に入りそうな場所なんてあっただろうか。


この先の「グランワールド」の展開を思い出す。どうにも思い当たらない。


「私はフィアナ・ローガス!私はあなたたちの力が必要です!どうか道を開いてください!」


突然、フィアナ王女が霧へ叫び出す。

いったい王女は何をしようとしているんだ?


様子を伺っていると、白い霧が青い霧へと変色する。


「さあ、道は開かれました。行きましょう」


フィアナ王女が青い霧の中へと入っていく。


「あっ、待って!お母さん!」


ハルも母を追って迷わず霧の中へ入って行った。


残った俺とイゼリアとユミナの3人も霧へ飛び込んだ。


視界全体が霧に包まれ、息も詰まりそうなほどだった。

やがて光が見え、そこから視界が開ける。


「「ぷは!」」


後ろからイゼリアとユミナも出てくる。


そこには、人々が暮らす村があった。

見回して感じたことは見覚えがないということだった。


ゲーム画面で常に見ていたのだから見覚えがないのも当たり前ではある。

しかし、この村の構造は「グランワールド」のどの村や街の構造を当てはめてもピンとこない。


そもそも、メキラの森から直接どこかの村へ行くことなんてなかったはずだ。


特徴がないわけではなく、むしろ特徴がありすぎる。

空中に浮かぶ家や、あちこちで放されている魔物、果ては村のシンボルなのか知らないが中央に設置された水ではなく火を噴き出している噴水、こんなに特徴だらけの村を忘れるはずがない。


「うーわ、すごいところ。こんな村あったの?」


ユミナも知らないみたいだ。来た方法を考えれば、知らなくて当然か。

だが、イゼリアはわなわなと震えている。


「どうした?イゼリア?」


俺は心配になり、イゼリアへ声をかける。

イゼリアはゆっくりこちらへ向く。


「ここ、私の故郷だ」



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