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正義強襲

俺が「グランワールド」で感じていた様々な違和感、主人公がアラドであったために起きていた。


俺がゲームで見ていた王女や王様とのやりとりは、表面だけを見ていたんだ。


「勇者と認められた者には額に紋章が浮かび上がります。しかし、アラドにはそれがありません。勇者の力を奪ったとはいえ結局は紛い物。勇者として認められるはずなどないのです」


確かに、ゲームでもこの世界で見たアラドにも額に勇者の紋章があるということは確認できなかった。


「私はこの紛い物の勇者と魔王に対抗するためにどうするべきか答えを見つけるために予知を繰り返しました。まだ力を上手く使いこなせず、予知は思い通りの未来を見ることはできず膨大な未来を見通しました。その中で、たった1つだけアラドと魔王に対峙するあなたたちの姿が見えたのです」


その1つだけ見えた未来にフィアナ王女は全て賭けたのか。


「強引にあなたを引き入れたのは許されないことをしたと思っております。しかし、どうかこの世界をお救いください!」


フィアナ王女は深く頭を下げる。

俺はイゼリア、ユミナ、そしてハルの順に見渡す。


みんな、無言で頷いた。

答えなんて決まっている。


「もちろんです。尽力させていただきます」


フィアナ王女は頭を上げ、顔を輝かせる。


「ありがとうございます!アラドの居場所ですが、おそらく私の力を狙ってこの街に…」


突如、轟音とともに壁が破られる。


なにごとがあったのか俺たちは破られた先へ一斉に目を向ける。


そこにはアラドが立っていた。


「王女さま、余計なことをお喋りし過ぎですねぇ。せっかく親切に勇者がお迎えに上がったというのに、不当に貶めるのはやめてほしいよ」



アラドはフィアナ王女を睨みつける。

フィアナ王女の話の通りなら、アラドは彼女の力を奪いに来ている!


俺はフィアナ王女の前に立ち、アラドへ睨み返す。

俺の姿を見るとアラドはため息を吐く。


「はあ、また君か。この前僕に偶然勝ったからといってあまり調子に乗らないでほしいよ。僕は今正義のために働いているんだ。邪魔しないでほしいなぁ!」


アラドは手の先でなにかため始まる。黒いエネルギーがアラドの手に集まっているのがわかる。

正面から受けたらまずそうだ!


俺はフィアナ王女とハルをイゼリアとユミナが座っていたソファに突き飛ばす。


「みんな逃げてくれ!俺がなんとかする!」


「なんとかってあんた1人で…」


「大丈夫だ!今はとにかくフィアナ王女を連れて逃げてくれ!」


俺は反対するイゼリアを強引に制して逃げさせる。


「かっこつけたつもりかい?それじゃあ、サヨナラ」


禍々しく黒いエネルギーがレーザーのように一直線に飛んでくる。


避ければ、この建物を突き破って街中まで危害が及ぶかもしれない。


この体がどこまで耐えられるかはわからないけど、全て受けるしかない。


俺は両手を広げてその攻撃を真正面から受け止める。


「ジル!!」


受ける直前にイゼリアの叫び声が聞こえた気がした。


「くくくく、アーハッハッハッ!バカ正直に受け止めるとは思わなかったよ。まあ、笑わせてもらえる最期だったよ。それじゃあね」


「誰が最期だって?」


「そんなバカな!?」


俺はほぼ無傷でその場に立っていた

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