混乱呼ぶ真実
「ど、どういうことですか...?」
「この世界を救っていただくために私はあなたを呼び寄せたのです。それが、私に与えられた使命」
フィアナ王女は淡々と信じられないことを話す。フィアナ王女が俺をこの世界に呼んだ...?
じゃあ、ここに来る直前に見たゲームのセリフはこの人が?
「あなたを異世界から呼ぶのにはいくつもの条件がありました。その中でも、あなたが私の呼びかけに応えてくれることがなによりも重要だったのです」
あのセリフを承諾したから、俺はこの世界に...
納得はしにくいが、現に俺はこの異世界に来てしまっている。信じるほかないだろう。
「ちょ、ちょっと待って!ジルが異世界から来た?なにその突拍子もない話!わけがわかんないわよ!」
俺とフィアナ王女の話を遮ってイゼリアが割って入ってくる。
「信じられないとは思う。だけど、俺がこの世界の人間ではないことは確かだ」
「な、なにそれ!?あんたのことは普通じゃないとは思ってたけど、だからって異世界の住人だなんて...」
イゼリアは取り乱す。俺自身、まだ腑に落ちない部分が多い。そんな中で人に納得のいく説明をするなんて無茶な話だ。
「ハルやユミナは落ち着いてるけど、どうしてよ!」
イゼリアは先ほどから静かに話を聞いていたハルとユミナに問いただす。
「んー、びっくりはしたけど異世界からの勇者って肩書きの人と旅できてるって思うとどうでもよくなっちゃった!」
ユミナ、自分のお爺ちゃんに会った時はあんなに取り乱していたのに...
俺が異世界から来たっていう話はあっさりと受け入れられるのか。基準がわからない。
「私は、なんとなくそうなんじゃないかなって思ってました」
「「え!?」」
ハルの言葉に俺とイゼリアの驚きの声が重なる。
「ハル、俺が異世界から来ていたって知っていたのか?」
「ええと、最初は全然わからなかったんです。ジルさんと旅を続けているうちにそれぞれの人が纏っている色のようなものが見え始めたんです。その色はどれも似たような青色なんですけど、ジルさんだけ明らかに違う色の真っ赤な色を纏っていたんです。私、その色を見ていると根拠はないのにジルさんは別の世界の人なんだなぁって思っちゃって」
ハルにはオーラのようなものが見えていたというのか?
フィアナ王女が「やっぱり...」とつぶやくのが聞こえた。
「イゼリアさん、信じられない話ばかりで戸惑うでしょうがどうかお聞きください。あなたもこの世界を救うのに必要な方なのです。それから、そのハルの真実を見通す力、その力があるからこそハルを巻き込みたくはなかったのです」
フィアナ王女は顔を俯かせながら語った。




