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再会

「どうぞ、こちらへ」


ローブを身にまとった研究員が俺たちを案内する。

許可などは必要なかったらしく、そのあたりにいた人に声をかけると快く案内してくれた。


中は、いくつもの部屋があり、それぞれ授業が行われている。

生徒は老若男女関係なく、ハルのような年頃の男の子からユミナのお爺さんよりも老けているお婆さんが熱心

に授業を受けていた。


奥の方の部屋を覗くと、研究室らしき場所で研究員が慌ただしく動いていた。

なにかの実験中なのか?どうやら大学のようなシステムの施設らしい。


魔法研究院。ここには王女がお忍びで学びに来ているという話から、ゲームでは会いに行くイベントがある。

特に行く必要があるとかいう話はないが、ここに来ないとストーリーが進まないから行かざるを得ないだけだ。会えば、「おうじょのフィアナです」の一言だけ言って主人公に特別な力を与えてくれる。

 

この特別な力は真実を見ることのできる力らしく、ロレドニアより先にある「メキラの森」の隠された道を出すのに必要だ。

正直、唐突なイベントで困惑した記憶がある。もう少し作りこめなかったのかと今更ながらに思う。


俺が今いるこの魔法研究院にもフィアナ王女はいるのだろうか。

ハルのお母さんを探しつつ、俺はフィアナを見れないものかと淡い期待を抱いて見回しながら進む。


「お母さん、どこにいるんだろ...」


ハルが不安そうにぽつりと呟く。

ここは思ったよりも広い。案内されるついでに探しているようじゃ見つからないかもしれない。


「あの」


「なんでしょう?」


俺は思い切って声を掛ける。研究員が立ち止まって振り向く。


「ここに探している人がいまして、もしよかったらその人のことを教えてほしいのですが」


「ええ、よろしいですよ。名前を教えていただけますか」


「はい。ハル、ハル...教えてあげて」


俺はハルに促す。よく考えたら、まだハルのお母さんの名前を知らなかったな。

ハルはおずおずと自分の母の名を言った。


「はい、グリナっていう名前なんですけどどこに行けば会えますか?」


その名を聞いた瞬間、研究員の顔が曇る。


「申し訳ございません。その方に関することはこちらからお教えすることはできません」


「え!?なんでですか!」


研究員の意外な反応に、ハルは驚く。

明らかになにかわけがありそうだけど、それがわからない。


「すみません、その人はこの子のお母さんなんです。会わせてあげていただけませんか」


俺は頭を下げる。研究員は俺の態度を受けて唸ってしまう。


「そうは言われましても...こればっかりは...」


「リーグさん、よいのです。その方たちは私もずっと待っていました」


突如、誰か別の人の声が聞こえる。その声を聞いて誰よりも早くハルが反応して、走り出した。


「お母さん!」


ハルのお母さん!あっちから来てくれたのか!

俺もその姿を見ようと頭を上げる。


「ええええええ!?」


姿を見た瞬間、俺は魔法研究院の全体に響き渡るほどの声で驚きの声を出した。

ハルがお母さんと言って抱きついていたのは、フィアナ王女だった。


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