ロレドニア着
門を通って街中へ入る。様々な建物が目いっぱいに建てられて、背後には見上げるほどの大きな城が見える。
ここが王都ロレドニア。ゲーム中でもトップの大きさを誇る街だ。
行き交う人々も、多種多様な人が見える。
トウシンで見たような荒くれ者、シートレにもいた商人に、俺の世界の都会にも引けを取らない人の多さだ。
「ここに、お母さんが...」
ハルはきょろきょろと辺りを見渡す。街の景観に思いを馳せていながら、母親も探しているようだった。
これだけ大きな街だ。1人の人間に会おうと思うと、難しそうだ。
「不安そうな顔をしてるとハルも心配しちゃうわよ」
イゼリアに言われて、俺はハッとする。そうだよな。俺が不安がってちゃダメだよな。
「ハル、お母さんはここにいるんだったよな?」
「は、はい。王都ロレドニアの魔法研究院という場所に」
場所はそこまでわかっているんだな。なら、そんなに焦ることもないだろう。
俺はハルに1つ提案する。
「ハル、お母さんに会う前になにか贈り物を買っていかないか?」
「贈り物、ですか?」
俺はそうだと頷く。久しぶりに母親と会うんだ。
せっかくだし、娘から贈り物があったほうが母親として嬉しいだろう。
「お母さん、指輪が好きでした。私から贈って喜んでくれるかな...」
「きっと喜んでくれるさ!」
俺はハルの頭を撫でて励ます。イゼリアも俺の手に重なるようにハルの頭をそっと撫でる。
「私も、喜んでくれると思うわ」
「ちょっとー!後ろで盛り上がらないでよー!あたしもいいと思うよ!」
ユミナとイゼリアもハルを励ました。ユミナは後ろを振り返ってしてたからちょっと怖かったけど。
「えへへ、ありがとうございます」
ハルは照れながらも笑顔を俺たちに向ける。
その後、馬車を停められる大きな宿に入って荷物などを置いた後、俺たちはロレドニアの街へ繰り出した。
ハルの母親がいる魔法研究院...
ゲーム中でも訪れる場所だから、そんなに迷うことはないだろう。
今は、ちゃんとハルが母親と笑顔で再会できるように俺のできることをするだけだ。




