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闘技大会を終えて

宿へ着くと、イゼリアとユミナが既に部屋にいた。


俺はイゼリアから余計な心配をかけないでと軽く叱られ、ユミナからはそういう時もあるよねと同調されてしまった。


「ハルが一番早く探しに行こうって言い始めて、一番心配していたんだからね。いい大人が子どもを心配させるんじゃないわよ」


「全くもってその通りで...」


続けざまに俺はイゼリアから叱られる。返す言葉もない。

俺はもっとしっかりしなきゃな。


「まま、お説教はそんくらいでいーじゃん。それよりそれより、あたしが闘技大会に出てたのびっくりしたでしょ?」


「別に説教じゃ...はあ」


イゼリアはなにか言いかけるがユミナの意に介していない様子に溜息を1つ吐いて話を切る。


「びっくりはしたわよ」


呆れ気味にイゼリアは言う。

ユミナはその言葉を聞いて俺とハルに視線を向ける。あ、俺たちの反応も気になるのか。


俺は同意を示すように頷いた。ハルもふんふんと首を縦に振っていた。


「でしょー!頑張って内緒にしていたんだよー!ねえねえ、なんで出ていたか知りたい?」


「いや、大体わかるからいい」


俺は丁寧に断る。試合中にもう想像はできていたしな。


「えー!まあ話すんだけどさ、あたしのサルガッソとしての名前を宣伝するために出ていたんだよね」


断ってもユミナは勢いに任せるままに話し始めた。

この子は本当にもう自由だ。


「あたしも腕には自信はあったからさ、ジルの後にこっそり出場登録やったの。それで、あたしが本戦に出たことで完璧なプランができたの!」


「完璧なプラン?」


「そう!本線の試合であたしが勝ち上がっていけばあたしは自然と有名になれる。もし勝ち上がれなかったとしても、ジルはどうせ勝ち上がっていくからあたしがジルに持たせた剣の宣伝をあらかじめしておけば客はもう集まりまくり!どう!完璧でしょ!」


ユミナは身を乗り出して力強く説明する。

俺にはよくわからなかったが、商人のユミナが言っているからいいプランなんだろう。

チラッとイゼリアとハルをの様子を見る。おそらく俺と同じ感情を抱いてぼーっとユミナの話を聞いているであろう2人が見えた。


「ああ、すごいな!」


「でしょでしょ!それでね、闘技大会が終わった後にぶわーっと露店に人が...」


俺はユミナの力強さに応えるように返事をした。

ユミナが嬉しそうならそれでなによりだなぁと全て俺は投げた。



夜は更けて俺はもうベッドに入っていた。

次の目的地は、ペネリート山だ。


王都ロレドニアはこの山を越えた先にある。

ただ、問題としてここへ来たときに超えてきた砂漠よりもさらに長い砂漠を渡っていかなければならない。砂漠で一度倒れているハルとイゼリアが心配だ。それに、俺とユミナも今度はどうなるかわからない。


何かいい方法があればいいんだが...

そう考え事をしていると俺はいつの間にか眠ってしまっていた。


翌朝、俺はいち早く起きて宿の入り口辺りが騒がしいのに気づく。


気になった俺はそっちへ向かう。


入口に来ると、多くの人が詰め掛けていた。

その中でも、中心に佇んでいる白髭を蓄えた位の高そうなお爺さんが俺をまじまじと見た後、つかつかと近づいてくる。


「おお!見つけました!いやー、さがしましたよ!」


な、なんだこの人は...

このお爺さんがまさか助けになってくれるとは俺は思いもしなかった。


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