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本戦へ

予選は進んで、俺は順調に勝ち上がっていった。


ゲームでは闘技大会でもお構いなしに剣や魔法を人に向けて使っていたが、流石に現実に生身の人間が目の前にいる状態で刃がある剣を使う気にはならない。


俺は代わりにユミナから刃を落とした剣をもらっていた。

これなら俺が力加減を考えさせすれば少しはマシだろう。


予選も終盤に差し掛かっているころには俺に対する声や目が入ってきた時とは全く別のものになっていた。


「予選とはいえ無傷って...」


「優勝候補のディバダを一撃で倒したらしいぞ」


それは羨望や畏怖の念がこもった目だった。だが同時に打ち勝ってみせるという熱意も感じる。

およそ自分が今まで向けられたことのない目だ。戸惑いもあるが、俺は自分の目的を思い出して冷静になる。


そうだ、この中に例の勇者がいるかもしれないんだ。


予選は滞りなく進んでいき、俺は無事に本戦へ勝ち上がることができた。



「流石ジルさんです!私、本戦はいっぱい応援しちゃいますからね!」


「私もハルと一緒に応援に行くわ。あんな大きな会場だから見えるかはわからないけど」


宿に戻って俺は2人に本戦進出の報告をした。

本戦の会場は街の真ん中にあるコロッセオのような円形の闘技場で行われる。


街のどこからでも見えるほど巨大な闘技場で、ゲームで見ていたイベントよりもずっと盛り上がることがわかる。


ふと、俺はユミナがいないことに気づく。


「あれ?ユミナはまだ戻ってきていないのか?」


「ユミナさんなら、本戦会場の下見に行ってくるって言ってましたよ」


下見?明日ハルやイゼリアと行くことになるから、事前になにか見に行ったのかな?


ああっと、そうだ。明日の本戦はもしゲーム通りなら道具はポーションのみ使える連戦形式だ。

装備は自由ではあるけど、なかなか辛いイベントになっているはずだ。


まあ、でも1回戦の相手は状態異常魔法をかけるのが得意なバニーガールのミャネだったはず。

「せいなるゆびわ」があるから、そんなに苦労することはないだろう。



翌日、俺は勝負の場に向かって一歩一歩階段を上がっていく。

今、この階段を抜けた先が闘技場だ。


「さあ、やってきたぜ!あらゆる強者どもが血肉を争って闘い、最強の座を欲しいままにするトウシン闘技大会!」


「うおおおおおおおおお!」


向かう先からは地鳴りがするほどの歓声が聞こえてくる。


「まずは今回の記念すべき第一戦を飾る幸運野郎どもはこいつらだ!右から上がってくるは優勝候補のディバダを予選に沈めた期待の新人、ジルぅぅ!」


「あいつが例の!」


「ディバダの代わりにお前に賭けたんだからすぐやられんじゃねーぞ!」


名前を呼ばれると同時に俺は闘技場へ出る。

四方八方から歓声が上がるこの会場は、自分がゲームで想像していたよりも熱気に包まれている。


見渡すと、観客席に座っているハルとイゼリアも見つけた。

あっちも俺の視線に気づいて手を振った。主にハルが大きく。ん?ユミナがいないな?


「左から上がってくるは、またも期待の新人、大勢のファンを持つ実力派のミャネを押しのけて本戦に上がってきた女!これが商人だってんだから恐ろしいぜ!サルガッソおおお!」


「どうもー!」


その相手は、ちょうど俺が探していた人物だった。


「え?」


正面から上がってきた相手はミャネではなく、サルガッソという名のユミナがフル装備で立っていた。


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