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爆発の先に

「へー、ダイナマイトか。そういや売ってたわねー」


「こんな狭い場所でダイナマイトって危険じゃない?」


「これがダイナマイトですか、お母さんから話でしか聞いたことありませんでした」


誰もこの世界に明らかに合っていないダイナマイトの存在については突っ込まない。

まあ、この世界の住人なら受け入れられてるよな。


これはゲーム中、ダナメ村でキーアイテムとして唐突に渡される。初めてプレイした子ども時代では特に疑問に思わなかったが、大人になって改めてやった時には浮き方が尋常ではなかった。


それまで散々剣だの魔法だの謳っていたのに、突然現実的な爆発物を渡されるこの不可解さは解消されることはないと思う。


実際、シートレの広場の店を見て回っていた時にこれを見つけて思わず二度見してしまった。

ゲーム中でもあるから、存在そのものは知っていた。とはいえ、様々なファンタジーな露店が並んでいる中にこれが紛れている存在感は簡単に頭で処理できるものじゃない。


「大丈夫、ここの壁は魔法で作られたものだから衝撃は全て吸収してくれるよ」


って確かグランワールドを振り返るトークショーで開発者が冗談交じりではあるけど言ったはず。


「でも念のために設置したら岩陰に隠れよう」


流石に当てにできない設定だから、大事を取る。


「3人は先に隠れていて。俺がやるから」


「気を付けてくださいね!」


「結構威力大きいから無茶しちゃダメだよー」


「爆発物だから、慎重にしなさいよ!」


3人とも、俺に注意するように言って比較的遠い岩陰に隠れる。

ゲームでは轟音が鳴るような描写だったし、設定があるとしても危ないことは危ないな。


俺はダイナマイトを壁の傍に置く。

そして、買った時になぜかセットでついてきたマッチで火をつける。


火をつけた瞬間、俺は急いで岩陰へ走る。

ん、どの岩陰に3人はいるんだっけ!?


「ジルさん!ここですよ!」


ハルが岩陰から顔を出して俺に知らせる。

ハル、助かる!でも、もう爆発しそうだ!


俺は顔を出したハルを抱きかかえるように岩陰へ滑り込んだ。


直後、洞窟内全体に響き渡るほどの衝撃が届いてきた。


「くっ!」


それは一瞬で終わったが、確かに相当な威力が発揮されたのはわかった。


「なによ、爆発を吸収なんて全然されてないじゃない!慢心してのんびりしてたらあんた巻き添えになってたわよ!」


イゼリアが至極まともに怒る。


「ごめん、どうも俺の知っている情報と食い違っていたみたいだ」


「んー、そうでもないみたいよ?」


いつの間にか爆発跡まで行っていたユミナがこちらに向かって言う。

ユミナは手招きして、壁のあった場所を指さす。


そこを見ると、なんと壁だけがきれいに消えていて周辺の地面や壁には損傷がほとんど見られなかった。


「どうやら本当に魔法で作られた壁だったみたいね」


「そうだったみたいね。でもやっぱりこれからも大事は取りなさいよ」


「は、はあ...」


なんにせよ、道は開くことができた。

俺はその先にある洞窟の最深部に目を凝らす。


円形のフロアになっている最深部には中央になにかいるのがわかる。

俺はそれを認識して動揺する。


最深部には、俺が倒したはずの魔王の使いのウーロイが佇んでいた。


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