合流
「「「うおおおおお!」」」
どこにいたのかわからないが、大勢の人が出てきて歓声を上げる。
たちまち俺は囲まれてしまう。
「助かった!すごかったよ!」
「あの魚人を圧倒できるなんてすげえよ!」
あちこちから声をかけられる。た、対応しきれない...
「ちょっとちょっと、なにこの騒ぎ」
イゼリアの声が聞こえた。
その時、人ごみをかき分けてイゼリアとハルが現れる。
「2人とも、どうしてここに?」
「そりゃこんな騒ぎなら来るわよ」
「ジルさん、これは勇者としてなにか成し遂げましたね!」
まあ、当たり前か。町ごと大騒ぎみたいだし。
「とりあえず、詳しいことは後で。今はここを抜け出そう」
「あとでなにしてたか聞かせてくださいね!」
ハルに頷き、俺は申し訳なくも人だかりから抜け出す。
俺はすみませんすみません、と言いながら人々の間を縫って脱出した。
◇
人だかりから離れる道すがら、俺はこの町に起きたことを話した。
「そういうことね。あんたんとこ向かってる最中に騒ぎの種類が恐怖から歓喜に変わったのよ。あんた、魔物倒すの速すぎ。少しは戦うさま見せてもいいじゃない」
俺としては長い時間に感じたけど、実際にはそんなに経っていなかったようだ。
「ジルさんの勇姿!見たかったです...」
ハルは悔しそうだ。そんなにいいものでもなかったような気がするけど。
「でも、私たちは私たちでエンジョイしてましたよ!ね、イゼリアさん!」
ハルはイゼリアに顔を向ける。
俺は別にエンジョイしていたわけではないんだけどなぁ。
「ま、まあね」
イゼリアは照れながらも同意する。ハルたちで楽しんでいたようでよかった。
少し、仲がいいかわからなかったからな。
「ん?ハルのその髪飾りどうしたんだ?あ、イゼリアもペンダント着けているな」
見ると、ハルは羽根の形をした髪飾りを、イゼリアは白い貝殻だけが繋げられたペンダントを着けていた。
「おっと、気づいちゃいましたね!」
ハルはなぜか得意げだ。
「これはですね、私とイゼリアさんがお近づきになれた印なんです!」
「????」
よくわからない。どういうものなんだ?
「え、えーと。つまり、私とハルはこれからと、友達っていう証で覚えてもらって構わないわ」
イゼリアは言葉に詰まりながらも言い示す。
耳が真っ赤だぞ。恥ずかしがらなくてもいいだろうに。
「ちょ!?そのニヤニヤした顔やめて!気持ち悪い!」
そ、そんな顔してたか!?
年頃の女の子からの気持ち悪い発言は効くなー...俺はがっくりと落ち込む。
「イゼリアさん、ジルさんは嬉しかったんですよ」
「そ、そうなのかもしれないけど!」
まあ、仲良くはなれたみたいだし、いいことなんだろう。
再び、俺は自分でもわかるほどニヤニヤした。
次回についてですが、更新できる状況ではなくなったので次の日にやります。




