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力だけでは

「は?それは、いいんですか?」


思わず聞き返してしまった。

緊急事態とはいえ、そんなにあっさりと認めてもらえるのか。


「ええ、言ったでしょう。この町に利益となる人物であれば誰であってもいい。魔物を倒すことで町の被害を抑えていただけることは立派な利益です。それよりも早く行っていただけますか。このままでは被害が広がるばかりなので、倒してきてください」


それもそうだ。俺がどうとかじゃなく、今は町の人が危険なんだ。少しでも力にならないと。


「わかりました!行ってきます!」


「頼みましたよ」


俺は発行所を後にして急いで船着き場へ向かった。



船着き場へ着くと武装した集団に囲まれた魔物が見えた。警備隊だろう。周辺には何人か倒れている。

警備隊の周りにはまだ残っている人が何人か見えた。

その魔物は人型にあちこちヒレがついており、魚人と無意識に認めてしまう風貌だった。


これは、ウーロイだ!

ウーロイはこの町の周辺のフィールドに出てくる魔物で魚人の姿に剣を持った剣士だ。

それだけならなんてことないのだが、額をよく見ると目玉があった。

つまりこいつは、魔王の使いか!なぜシートレの町中にボスが!?


しかし、考えている暇はない。俺は走って囲まれているウーロイへ近づく。

その時、警備隊が一斉にかかった。


「でぇぇやあ!」


雄叫びを上げながら警備隊はウーロイへ四方八方から襲い掛かる。

ウーロイはその攻撃を難なく流し、鮮やかな剣裁きで警備隊を全員斬った。


あんなにいた警備隊が全員やられてしまった。


「うわあああ!警備隊がやられたぞ!」


「助けてくれえ!」


まだ周りにいた人たちはパニックに陥る。

逃げ惑っている人を追い、容赦なくウーロイは後ろから斬りにかかる。


振り返ったその人の表情が恐怖で満ちる。


「ああああ!もうダメだ!」


させるか!


ガキッ!鈍い金属音が響く。

俺はすんでのところでウーロイの剣を止めることができた。


「あ、ああ?」


「大丈夫ですか!?」


俺はウーロイの剣を軽く押し返す。

するとウーロイは後ろへ遠く吹き飛び、家の壁に叩き付けられる。


「早く逃げてください!」


「あ、ありがとう!」


とりあえず助けることができてよかった。

ウーロイの方を見ると、立ち上がって信じられないといった驚愕の表情で俺を見ていた。


「お、おいあんた。逃げた方がいいぞ。力はあるようだが、それ以上にあの魔物はとんでもなく強い」


近くで警備隊の人が倒れていた。そして俺に忠告をしてくれた。

だけど、俺は退くつもりはなかった。


俺はウーロイへ足を進める。


「おい!そいつの剣はとんでもなく速いんだ!力があっても、ダメだ!」


後ろから警備隊の人が叫ぶ。

俺は前を向きながら言う。


「大丈夫です!センスもありますから!」


ウーロイは怒りの表情を浮かべ、俺と対峙して剣を構えた。


俺も、剣を構えた。


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