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外伝:今日から

私はイゼリア。

訳あって今はハルという女の子とシートレを観光している。


「港だけでこんなに広いなんて!」


ハルは初めて見る町並みに目移りしている。私もここは初めて来たけど、ハルのようにはなれない。

もう17なんだ。なんでもかんでもはしゃいでしまうのは、恥ずかしい。


「イゼリアさん、早く早く!」


ハルが手を振って私を呼んでいる。私はそれに応えて、ハルの後ろをついていく。


私は、ジルの旅に無理を言って着いてきた。ジルは気にしないでくれって言ったけど、ハルはどうなのかな。ネタスの村を出る時、私が同行していると顔が曇っていたような気がする。

あの子は今、こうして観光を楽しんでいるけど本当はジルと一緒に来た方が楽しめたのかな。

ずいぶんと懐いているようだったしね。


ハルの後ろ姿を追いながらそんなことを考える。


「ねえ、ハル」


私はハルに呼びかける。


「はい?」


ハルは振り返った。


「ハルはひょっとして私とここを回るよりもジルと回る方がよかった?」


ハルはキョトンとした表情をする。あれ?私、なにか変なことを言ったかしら。


「どうしてそんなこと聞くんです?」


「いや、あなたって最初は私をあまり好きじゃなかったみたいだし、それでそのままの状態で今私が一緒にいるわけだし。もしかしてあんまり楽しくないのかなーなんて思っちゃって」


「そんなことですか。確かにイゼリアさんは最初こそジルさんに失礼で、とても良い人とは思えませんでした。正直私の中では危険人物!でした。でも、ジルさんが言ったんです。イゼリアさんは大丈夫って。ジルさんが認めているのなら着いてきている私はなにも言うことがありません」


そういうことだったの。でもそれって結局我慢してるだけのような...


「あ、別に無理してることはないですよ!ジルさんから色々と聞いて、謝ったことも知ってますし。それに、意外と可愛げがあるとも聞いてますしー」


ハルはニヒヒと笑う。あ、あいつ...何言ったのよ。

少しそこが気になったけど、ハルは言葉を続ける。


「だから、私は私の意思でイゼリアさんと話したいと思ってましたし、こうしてどこかを一緒に回りたいとも思ってました。まずはイゼリアさんのこと知りたいんです」


...!ジルがこの子を可愛がっている理由が分かった気がするわ。


「そうね、考えたら私たちほとんど喋っていなかったわね。じゃあ...あった!」


私は辺りを見渡して髪飾りを売っている露店を見つける私はそこで羽根の形をした髪飾りを買う。


「はい、これ」


「突然どうしたんです?」


ハルは首をかしげる。


「これは私の故郷に伝わる伝統でね。お近づきの印に贈り物をするの。内容はなんでもいいんだけど、とにかくもっと仲良くなれますようにって願いをこめて贈るの」


「へぇー、そうなんですか。イゼリアさんのことを少し知ることができました。それなら、私も!」


ハルは肩から下げている鞄を漁って何かを出す。

それはペンダントだった。装飾にはきれいな白い貝殻が1つだけ。しかし、それだけの装飾だからこそ、その貝殻の白色が鮮やかに見える。


「私が昔買ってもらったペンダントです。私からのお近づきの印としてどうぞ!」


「え、ええ!?大丈夫なの?」


「大丈夫です!もらってなにも返さないのはお母さんの教えに反するので!それにこのペンダントは元々いつか誰かに送るものとして取っておいたものなので!」


「そ、そういうことならもらうわ」


これで、ハルは羽根の髪飾りをつけて、私はペンダントを首から下げた。


「これからよろしくお願いしますね!イゼリアさん!」


「ええ、よろしくハル」


こうしてハルとの溝を埋められた私はハルと一緒にシートレの町並みに目移りしながら、露店や船を見て歩き、楽しんだ。




一通り見て回って休憩をしていると遠くで騒ぎが起きていることが聞こえてきた。


「あっちってジルさんが行った場所ですよね?」


ジル、なにかに巻き込まれたのかしら。

私とハルはその騒ぎの方へ急いだ。





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