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まずは知ることから

「グレン」はゲームの中盤で大魔導士エラクスの魔導書を譲りうけることから初めて使うことのできる全体攻撃魔法だ。こんな序盤では主人公が使えるわけないし、まして主人公以外のキャラが使える魔法ではない。


「あら?2人とも驚かせちゃったかしら?」


イゼリアは得意げな笑みを浮かべて言う。


「うう、悔しいけどすごかったです」


ハルはがっくーんと体を折って落ち込んでいる。

俺も、初めてグランワールドの攻撃魔法を見たがあんなに派手だったとは。

そういう意味でも面食らって驚いてしまった。


「ああ、驚いたよ。その魔法はどこで?」


俺はイゼリアに質問する。


「さっきのは...お父さんに教えてもらったの」


「イゼリアのお父さん?」


誰なんだ?

俺は聞きたかった。


「私は、お父さんに教えてもらったこの魔法で証明してやるの...」


だが、イゼリアの目から悲壮になるほどの決意が感じられて俺は訊くのを躊躇った。


「この話はもうおしまい。これ以上は話す気はないわ」


イゼリアは半ば強引に話を打ち切って先を進んだ。


「イゼリアさんのお父さん、どんな人なんでしょう...」


「わからない。でも、話したがらない以上はそれについて話すのはやめておこうか」


「はい」


そこから少し経って、俺たちは再び歩き出す。


空気は重い。イゼリアが無言で歩いていて、俺もハルも黙ってついていった。


「そ、そういえば魔物って倒すとあんな風に消えるんだな」


俺は少しでも空気を変えるために、ついでに気になっていたことを聞くために話をイゼリアに振った。


「ん?知らないの?」


前へ進みながら、イゼリアは答えた。


「ここに来るまでに見たでしょ」


「いや、なんであんな風になるのかなって」


イゼリアは後ろからわかるほどに渋々話し始めた。


「勇者なのに知らないってどういうことよ...あれは、魔物が魔王から生み出された魔力の集合体だからよ。だから、倒すと魔王の魔力が浄化されて光の粒子に変化するの。ついでに全ての魔物がお金を落とすのは人間の負の感情が魔力に変換しやすくて、最も負の感情が集まりやすいのがお金だからよ。つまり、お金を依り代にあいつらは魔物として発現しているわけね」


「え!そうだったのか!」


すごい初耳なんですけど。そんなことゲームの攻略本とか説明書に載っていたかな?


「あんた本当に勇者?」


イゼリアは呆れる。


「あっははは、面目ない...」


本当に今知ってしまったので言い訳のしようもない。


「私も、私も初めて知ったので、大丈夫ですよ!ジルさん!」


「ありがとうな、ハル」


思わぬフォローに俺は笑顔になる。

どうしてそんなにいい子なんだ。泣いてしまうぞ。


「はあ、なんかアホらしくなってくるわ」


再び呆れられることになってしまったが、空気は軽くなったようだ。



その後、俺たちはまた歩き出して、ついに魔物が出てくるという場所にたどり着いた。


「着きましたー!さ、さすがに疲れました...」


ハルはその場にへたり込む。無理もないか、ずっと歩き通しだったからな。


それにしても、森の中からいきなり開けた場所に出たな。

不自然に開けた場所、荒らされた土からウリボンスが棲み処にしているのが伺える。


「いたわよ!」


イゼリアが指を指す。その先には、ウリボンスが佇んでいた。


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