終わりと始まり
「春君、君の話をしよう」
「私の...話?」
「ああ、君の話だ」
文は落ち着いた口調で春に話しかける。春はその話を椅子に座って聴いている。
「君はやけに絵佐野とかいう男に好かれてるね」
「不快です」
「恐らく彼は君を我が物にする為に追い回すだろう」
「しかも彼は生憎警察組織に所属している」
「そこでだ、君のことをここで保護してあげよう」
「君の母にも個人的な借りがあるしね」
「でもまあ安心したまえ、ずっといる訳じゃない。彼を何とかするまでの間だけだ」
「そ...そうですか」
「あと...それだけじゃないんだ」
「君の魔法の件についてだ」
「私の...魔法...?」
「その前に僕達の話をしておこう。僕たちは革命軍と呼ばれている存在だ」
「名前こそ革命軍という名を冠しているが...春君、オートファジーというものを知っているかい?」
「はい、生物が持つ自食機能ですよね」
「そうだ、僕達は今その機能を担っているんだ」
「そして、その名を冠しているから僕達はあるものを駆逐しないといけない」
「新沢、君には僕らのことを話しておかなければならない」
「俺らは英霊隊と呼ばれている」
「玲さんも元々は君をここに入れる為に君を育てていたんだ」
「英霊隊?」
「この国が持つ自衛手段の一つだ」
「魔法の台頭により警察組織だけじゃ治安を維持できなくなったこの国はもう二つ組織を増やした」
「一つは蓮千亭。もともと秘密組織としてあったものが発展したものだ。もう一つが英霊隊。蓮千亭の上に存在する者で主に国の要人を守っている」
「そして俺たちには少し前から課されている任務がある」
「春君、僕達は英霊隊を倒さなければならない」「この国を綺麗にするために」
「新沢、俺達は蓮千亭を倒さなければならない」「この国を守るために」
第二部(グリモアレイド-A)に移行します




