第82話 さて戦果はおいくらに?
フツノさんの目は¥マークとなっていることでしょう
一週間分の収穫は結構な量となり買取カウンターでの査定が非常に楽しみである。
加工できるものはこっちで加工して店で売り出すけれどもね!
今回の収穫をまとめるとこんな感じです。
黒の魂石(様々)×390個
赤の魂石(様々)×130個
黄の魂石 (ヒトデナシヒトデ)×1個
黄の大きめな魂石 (熊)×1個
緑の大きな魂石 (イービルタッドポール)×12個
サタンニシキ(日々消費するため非売品)25俵
悪魔杓子の腱×20本
悪魔杓子の粘液(加工して売る為、非売品かつ大量。大型の石器バケツ7杯分)
熊の肝×1個
バニラエッセンス(売られている瓶詰めで換算)×59本分
アルラウネの蜜(加工して売却する為、非売品。瓶に換算)×39本分
イワシ×387匹
サバ×119匹
サケ×29匹
鮭児×1匹(ミタマに説得され非売品に決定)
ブラックタイガー×58匹
ツイストゼラチン(リョーマクラゲドロップ品)×4個
ヤラナイカの卵(ヤラナイカドロップ品。珍味らしい)×1個
大量すぎるわ!
ちなみにこれらは残っている量でダンジョン内で美味しく頂いた分は除外してあります。食材に関しては依頼があれば納めそれ以外は日々の食卓に並ぶことになっておりますのよ。
ごちそうさま。
「というわけでエレノアさん、ただいまです」
皆を引き連れて冒険者ギルドへ帰還すると速攻エレノアさんへと報告に走る。
「おかえりなさい、あなた」
はうあ、エレノアさんそいつぁ不意打ちです。ニコリと微笑かけるエレノアさんに後ろの皆もちょっと驚いてます。ギルド内部の男連中から射殺さんばかりの視線も集めていますぜ。主に俺へと!!
「ふ、不意打ちとは参りました。これらに関して何か依頼って出てますか? あるなら即納品できそうなんですが」
羊皮紙に書き込んだリストを見て流石のエレノアさんも驚いたようだ。だがそこは熟練の受付嬢。すぐに気を取り直して数ある依頼の中からピックアップしてくれる。
「こちらの依頼がでておりまだ受領者もいないためすぐに受注は可能です。どうしますか?」
依頼料と納品数を見比べ今までの経験からぼったくられていないか計算する。ま、エレノアさんのオススメだからそんなに心配していないけれども哀しい下っ端のサガなんだぜ。
依頼数は4件。魚の大量発注とバニラエッセンス10本相当、魂石の急募(黄色)、弦の素材5本か。丁度いいっちゃ丁度いいな。
「受けます。全てすぐに納品します。結構な量ですがどこに下ろしますか?」
「それでは奥の解体所へ行きましょう。あそこならすぐに冷蔵保管できますから」
エレノアさんに促され奥の解体所へ全員で移動する。その間も羨ましげに見るもの、憎憎しげに見るもの、美味しそうに見るものなど様々な視線を投げかけられる。おい、最後のなんだ!?
羨まれても手放す気は一切ないのである。これが俺の護りたい家族なのだ。
俺たちのほかはエレノアさんとランバーさんのみの解体所の一部屋。念のため人払いをお願いしたがランバーさんだけは同道することになった。まぁ、この人なら信用できると思う。この街の渋いおっさんの安定率は恐ろしい。
「魚の種類はどうします? 大量ってことですがその量は??」
「イワシ100匹、サバ20匹、サケ10匹、変り種としてブラックタイガーを20匹よろしいですか?」
どさどさと鮮魚用の台へ依頼品を載せていく。こうして見れば結構な量だ。しかも時間停止型の次元収納だから鮮度も抜群である。前もってエレノアさんには次元収納について説明してあるので平気だがランバーさんは面食らった模様。いつもの冷静な顔を崩して口をぱくぱくさせている。だがそこは渋いおじ様。すぐに気を取り直して査定に入る。
魂石、バニラエッセンスまでは問題なし。俺的に未知数なのは弓の弦の素材依頼だ。悪魔杓子の腱がどれほどの価値なのか分からんからね。
「ふむう、これはまた珍しいものを……。この依頼の依頼料ではこの腱は釣り合わないのである。本当によろしいのか?」
「いや、相場がまったく分からないんですがこれ一本いくらくらいするもんなんですか?」
悪魔杓子の腱。なんと驚きの価格で一本1万マニーは固いだろうとの事。品質もさることながら流通量が非常に少ないからだとか。よほど優秀な魔術師を連れて行かないとパーティ壊滅の憂き目もあるため割に合わないらしい。
「ふーむ、されどこの素材を逃すのも惜しいのである。この依頼主は見る目のある御仁ゆえコレの情報を伝えてみてもよいか? 恐らくだが飛びつくであろうな」
「それは構いません。それじゃ後でこちらにこればいいですか?」
「うむ、それでお願いするのである。ではそれ以外の査定は問題なし。品質も非常に良いのである。エレノア殿、こちらが確認票であるな」
「承りました。それではカウンターにて代金をお渡ししますね」
了解ですと来た道を再び戻る。それにしても悪魔杓子の腱があれだけ高値なのは嬉しい誤算だったな。
あ、そうだ。丁度いいからエレノアさんも誘っておこう。
「エレノアさん、今晩お暇ですか? 全員揃って帰還の宴会を催そうと思うんですよ。師匠もよければ誘って盛大にやりましょう」
「ええ、大丈夫です。丁度父も今日、明日と非番ですし伺わせていただきます。ずっと……待っていたんですよ?」
そう言うとちょっとだけ責める様な瞳でこちらを見る。ごめんね、エレノアさん。
依頼3件分合計で12,460マニー。また魂石の引き取り額が黒合計39,000マニー、赤合計65,000マニー、熊の黄魂石が7,000マニー、イービルタッドポールの緑魂石が大きいため増額され合計90,000マニー。腱はそれなりにしそうなので今回は保管しておくことに。
総計213,460マニー。一人頭1日で7,500マニー以上か……いい感じだ。なんせ加工品の売却額抜きでこれだしな。あっちは濃魔力水で薄めて更に増量、買い手さえつけば一財産になるね。明らかに利益は増大している。5Fまでとは大違いだ。
尚、お金の管理は俺に任されているので週一のお小遣い形式です。あんまり渡しすぎれば誰とはいわないが買い食いに全て使ってしまいそうだからだ。その分、武器防具はパーティ資金から出して手出しを無くす。ただ俺一人で管理するのもリスクが多いのでフツノさんに半分預けてある。加工品が売れたらもっと多く渡すことが可能になるのでそれまではこの状態かな。売り上げに期待がかかる。
現在の俺達の資金は以下のとおり。隠し資金はまだ誰にも言っていない。誰も知らない知られちゃいけないって感じの黒いお金だからね。
内緒のN資金(ジャミトー+バカボンボンから接収) 約10,500,000マニー
内緒の宝石群 いまだ査定してもらっていない。結構な量。
保管していた魔道具→手元へ持ってきた。近いうちに皆へ渡す予定。
パーティ資金 200,000マニー(お小遣いを抜いたもの)
そして夜は派手に打ち上げをした。海鮮をふんだんに使い鍋、網焼き、刺身、煮込みと大盤振る舞いだ。
セフィさんもお酒を引っ張り出して飲めや歌えや踊れや脱げやの大宴会。師匠もすっかり潰れてみんなでお泊りすることに。俺も羽目を外して場に酔っちゃいましたさ。
結局その日はみんな広間で雑魚寝。たまにはこんなのもいいね。




