第67話 ノブサダの告白
前話の会話部分修正。
書き直しているうちに消えていたお礼部分。読み直していたのに気付かない作者。
アリガトウゴザイマシ;y=ー( ゜д゜)・∵. ターン!
色々と後始末を済ませて気付けばいつのまにやら夜になっていた。
ちなみにエルフの親子は屋敷に併設されている宿舎っぽいところ(昔侍女などが使っていた)を片付けて住むことになった。
セフィさんに事情を話すととりあえずしばらくは薬品作成助手のような形で手伝いをして貰うってことになったよ。これで俺の作成助っ人が減る事に! 出来るならディリットさんにセフィさんがサボらないようにお目付け役になってほしい。いつもギリギリまで作らないから後で泣きをみるのに反省しない。夏休みの宿題か! そう思ったことは何度かある。
今は家の客間にミタマ、フツノさん、セフィさん、カグラさんが揃っている。
互いに帰還するまでの間、どんなことがあったのか情報を交換しどういった顛末になったのかということを話した。
そしてこれから俺は皆に俺自身の身の上とこれからどうしたいのかを伝えようと思っている。どうなるかという不安はある。だけれどここまできたら話せないところ(魔王関連)以外は全部はっきりしておいたほうがいいと思う。思った。思うんだけれど。
「えー。それじゃ皆に聞いて欲しいことがあるんだ。今から話すことは全部俺に起きた本当の事っていうのだけは先に伝えておきます」
俺が異世界から来たこと。本来なら勇者召喚で召喚されるところをなにかに介入されてグラマダ西の森に落っこちたこと。その森からでてミタマ達に会った事。グラマダでみんなに会った事。レベルが上がるほど魔力は上昇を続けもはや天井知らずになっている事。それからカグラさんに纏わる一件、セフィさんに纏わる一件、今回の一件。皆は真剣に耳を傾けてくれた。
「それでだ。フツノさんを助ける際に言ったんだけれども俺はみんなのことが好きだ。本当なら誰か一人っていうのが普通なんだろうけども俺は自重できませんでした。みんなまるっと幸せにするよう努力する所存ですのでこれからずっと傍にいてくれないだろうか?」
……
…………
シーン。おうふ、静まり返ってしまった。き、気まずいんだぜ。
「ぷっくくく、あはははは。ノブ君も開けっ広げすぎやん。うちはもうそれでいいって言うたったけどな。ミタマはどうなん?」
急に話を振られて戸惑うミタマ。おろおろしていたがそのうちになにかしら覚悟を決めたのか凜とした眼差しを俺へと向ける。
「……望むところ。強い雄に雌が群がるのは自然の摂理。つまるところ私も……好き、だよ」
「妾もじゃ。主殿のお陰で母上を黄泉路へと送ることができた。感謝してもしきれん。そ、それに妾のあられもない姿を見たのじゃし責任は取ってほしいのじゃ」
カグラさんの母親であるスセリさんの遺体はあの後に俺の魔法で火葬した。幾らか残った遺骨を小袋に入れたものを手渡すとお守りにすると言って涙していたよ。
「あーん、私も私もぉ。それにノブちゃんはエレノアちゃんのことも好きでしょう? 私はお妾さんでもいいのよぅ」
おうふ、お見通しでござる。でも、お妾は嫌だよ。ちゃんとみんなが正妻だと名乗れるように今後の目標を定めたんだからさ。
「お妾はなしで。俺はこれから皆を正妻と呼べるように爵位かS級冒険者を目指します!」
そう、暇な時に色々と調べておいたんだ。こちらの世界、一夫多妻制ではあるが正式にそれで正妻として名乗りを上げられるのは王族、貴族、そして力を示した者、つまりは勇者や英雄、S級の冒険者がそれにあたる。
国に対してなにかしらの功績をあげるか強さを極めるか。どっちにしても楽な道ではないだろう。でもみんなの為なら俺はきっとそこまで到達してやる。そう決めたんだ。
「あららら、ノブ君おっきくでたね。でも嬉しいやん。そういう風に言われると女冥利に尽きるって話やわ。うちも傍で支えるさかいにね」
「……私も。そういえば姉さんにしていた事の説明がまだだよ」
ん? 異魂伝心のことか。確かにまだ言ってなかったね。
「あれは異魂伝心って言って俺のスキルの一つだな。あの時はなにかしら契約を結んで隷属を解除しようということで頭が一杯だったからなぁ。でも不利なことはないとは思うよ。奴隷契約みたいに相手をどうこうしようってものじゃないしね」
「……それなら私にも! 確かな繋がりが欲しい」
「わ、妾にも欲しいのじゃ。想い想われるのが形に出るのは素敵なことだと思うんじゃよ」
「私も私もぉ。除け者にしちゃ嫌なのよぅ」
近い近い、近いです。みんな一気に詰め寄らないで。いかん、甘い匂いにくらくらきてしまうでないの。
「わ、分かったから。ただ、俺もこのスキルがうまく発動するか分からないからそれだけは覚えておいてくれ」
ふうと一息ついて三人を見据える。スキルが発動したっていう感触が無いのがこいつのやりづらいところだ。
「三人ともこれから苦難が襲い来るかもしれないけれど死が互いを分かつまで俺の傍で共に歩んでいくことを誓ってくれますか?」
「……うん」
「勿論なのじゃ」
「当然よぉ」
その瞬間、俺の左手の甲に刻まれた『月夜の桜』が眩く光をあげる。同時に三人も各々別な箇所へと桜の花びらを模した小さな紋様が浮かび上がった。
てってれ~♪ 親愛を深めた相手が一定数を超えたので異魂伝心がレベルアップしました。
むおう、今度の効果はなんぞね?
【異魂伝心】
Lv3 主から魔力を譲渡することができる。譲渡できる魔力量は各々により異なる。
おお! これは便利。死蔵していた魔力が役に立つね!!
「ノブ君、今のは一体なんなん!?」
「どうやらスキルがレベルアップしたみたいだ。俺からみんなに魔力を供給できるようになったっぽい」
「ほうほう、それならば魔力量の少ない妾には助かるのぉ」
「それとその前のレベルだと俺が習得しているスキルをみんなが習得しやすくなる効果があるんだ」
「!? そんなスキル聞いたこともないわぁ。うふふ、ノブちゃんの事狙っちゃう子が増えちゃったらどうしましょ」
びくりと体を震わせる俺。うーん、あまりに貪欲な肉食系の方は得意ではないのですよ?
それから俺がどんなスキルを習得しているか興味があると言われ包み隠さず公開することにした。
名前:ノブサダ・イズミ 年齢:15 性別:男 種族:普人族?
クラス:戦士Lv24 異世界人Lv23 魔法剣士Lv8
状態:健康
称号:【真・マリモキラー】
HP:534/534 MP:4,194,515/4,194,515
【クラス】
異世界人Lv23(up!) 戦士Lv24(up!) 拳士Lv10 魔法剣士Lv8(up!) 下忍Lv1(new!) 侍Lv1(new!) 修道士Lv10 魔術師Lv10 呪術師Lv10 奇術師Lv12 錬金術師Lv12 時空魔術師Lv5(up!) シーフLv10 狩人Lv10 獣使いLv10 商人Lv10 奴隷商人Lv1 農家Lv10 主夫Lv10 大工Lv1 石工Lv1
【スキル】
エターニア共通語 異魂伝心Lv3(up!) 魔法改変Lv3(up!) 複合魔法Lv3 並列発動Lv2(new!) 家事Lv5 農業Lv3 剣術Lv3 刀術Lv1(new!) 格闘Lv3 両手槍Lv2 投擲Lv3 身体強化Lv2 魔力纏Lv3 回避Lv3 受け流しLv3(up!) 直感Lv2(up!) 頑健Lv1 神聖魔法Lv4 暗黒魔法Lv2 重力魔法Lv2 時空間魔法Lv2(up!) 属性魔法適性Lv5(up!) 付与魔法Lv1 生活魔法 偽装Lv3(up!) 錬金術Lv3(up!) 加工技術(木・石) 耐毒Lv1(new!) 耐麻痺Lv1(new!) 耐混乱Lv1(new!) 耐即死Lv1(new!)
【クラススキル】
挑発 トレジャーハンター チャクラ 手当て 鷹の眼
【固有スキル】
識別の魔眼Lv5(up!) レベリットの加護(小)
【契約者】
ミタマ、フツノ、カグラ、セフィロト
【従魔】
タマちゃん
下忍、侍が増えてたー!
【下忍】
厳しい修行によって東方伝来の暗殺術や幻術を操る暗殺者の下級職。隠密行動や毒物の扱いにも優れている。
【侍】
斬ることに特化した武器『刀』をはじめ槍や弓などを扱う武芸に秀でた職種。剣豪や剣聖を目指すものの足がかりとなるクラスでもある。
【時空間魔法】
Lv2 次元収納 次元を歪め収納する空間を創り出す魔法。創り出される空間は熟練度と魔力量によって複数維持することが可能。
侍は刀術の習得が条件だろうか。問題は下忍。たぶんだが人か魔物の殺害数あたりで生えてきたのだろう。何気に上位職の剣豪、剣聖って記載があるから他のクラスにも上位職が存在するんだろうな。そういえばジャミトー配下の連中が色々なクラスに就いていたよね。まだまだ先があるということは成長の余地が多く残されているってことだ。
「ってな具合です」
「「「「…………」」」」
押し黙る4人。ん? どないしはりました??
フツノさんがこめかみを押さえながら何か諦めたように溜め息をつく。
「ええか、ノブ君。まず大前提としてクラスを自由に変えれる時点でおかしいんよ。さらにサードジョブまであるてそんなん伝説にある英雄クラスやで。さらにさらになんやのん、その魔法適性は。普通の魔術師は3種類以上の属性適性あるのも稀なんよ。基本、相性のいい属性に特化しとる。それが全種に神聖魔法に暗黒魔法、時空間魔法、重力魔法、付与魔法って魔法の見本市やないの。それで魔力量が4万人分って国滅ぼせるんちゃうの?」
一気にまくし立てるフツノさん。他の3人もうんうんと頷いている。どっちかって言うと広範囲の魔法のほうが得意なのは認めよう。制御の必要がないから楽なんだよね。それに予感だがサード以降の解放もある気がするんだ。なんでか故魔王と駄女神がにやりとしている気がしてブンブンと頭を振った。




