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新説・のぶさん異世界記  作者: ことぶきわたる
第二章 鬼姫邂逅
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第43話 あなたの素敵な大胸筋

お久しぶりでござんす!

今日ののぶさんがはっじっまっるよー!!


 どーも奥さーん、知ってるでしょう? 和泉信定でございます。

 おい、パン食わねぇか!


 おっといけない動揺していたようです。ええ、久々に料理に失敗しましたよ。

 原因は先ほど判明。昨日獲得したアレを付けっぱなしでしたわ。


 アレ → 【カビデストロイヤー】


 はっはっは、いつまでたってもパン生地膨らまないからおかしいと思ったんだよ、がっでむ。

 ダンジョンから放置してた俺が悪いんだけどもさ。幸いにして別な称号に変えたらその効果は発揮されなかったので助かった。

 厨房内の食材は大丈夫かと確認したんだけども効果範囲は俺が手を下した範囲らしいので他のものは平気だったよ。ある意味恐ろしい兵器に成り得る称号である。封印だ、封印!


 さあ、気を取り直して調理再開だ。

 メニューとしてはこちらを取り揃えようと思います。


 ・ルイヴィ豚のトンカツ(ヒレ、肩ロース)、カツサンド

 ・ルイヴィ豚のハンバーグ大葉入り、チーズ入り

 ・ルイヴィ豚のバラ肉串焼き

 ・ルイヴィ豚のロースト、香草焼き

 ・ミートパイ

 ・ナスキノコ、マツタケの焼き物

 ・天ぷら盛り合わせ(海老、キノコ、野菜)

 ・カツオのタタキ

 ・野菜スティック、サラダ


 あとは炎の狛の料理に期待だ。結構あっさり目のメニューが多いらしいので俺のほうはガッツリ系を揃えてみた。ナスキノコはシンプルに焼いたものでその味わいを楽しみたい。カツオはくまはっつぁんのところで買ってきた。






 昼過ぎには準備が終わったので行き足におやっさんのところへいくつか料理をお裾分けする。

 そういえばカグラさんに服を提供したから予備の服無くなったんだよな。時間もあるしちょいと買い込んで来ようか。

 何度行っても慣れないがやはり安いし品質もいいのであそこに行く。


 ガラリ


 店の扉を開けた瞬間、そこには無数の巨大な小麦色でみっちりと埋まっていた。


 パタリ


 よし、俺はなにも見なかった。さて、セフィさんとこでも行こうかな。

 そう思った瞬間、逃げればよかったのだがなぜかその扉が開かないように踏ん張る。なぜだろう、生物としての本能やら直感やらがこいつを開けちゃいけないと訴えている。

 だが、抵抗虚しくふんぬっという掛け声と共にバッキリと扉は外されてしまった。


「駄目よう、ミネィア。店の備品を壊しちゃ」


「すまぬ、兄者。しかし、この男子おのこが……」


「それはそれ、彼は彼よ。久しぶりね、ノブサダちゃん。今日はどうしたの?」


 もはや逃げることも叶わずか……。覚悟を決めるしかあるまい。食われないよね、色んな意味で。


「ちょっと依頼で遠出した際に服が駄目になってしまったんですよ。それで補充しようかと来たんですがお忙しそうなので時間を改めて来ますね」


「いいのよ? ここにいるのは気心知れた弟弟子達だものん。そうだ、折角だから紹介しておくわ。Aランクの冒険者パーティ『マッスルブラザーズ』よ。ノブサダちゃんの大先輩になるわよね」


 ムッキムッキムクムクムッチムキーン


 そうやってマニワさんに紹介されたのはキレてるポージングを決めた4人の男女(?)。ケィン、スィゲ、オットー、モリコの三男一女の兄妹パーティらしい。モリコ以外の3人は上半身裸で黄色のビキニパンツのみの格好。モリコに至ってはアフロに上下ピンクのマイクロビキニ。全員に共通しているのはすごく大きい筋肉をお持ちでございます。テラ目の毒でござる。

 紹介されている間、一言も喋ることはなく無言でポージングをしていた。マニワさん曰くすごく口下手らしい。どうやって依頼を受けたりしてるんだろう?

 得物は持っておらずどうやら素手で戦闘をするようだ。師匠ほどではないが結構な威圧感を感じる。


「そしてこっちがわたしの実弟のミネィアよ。今じゃ占い師だけれども元々はわたしと冒険者パーティ組んでいたのよ。モンバラバラの兄弟って結構有名だったんだから。ま、わたしの夢だったこの店を立ち上げちゃったのが切欠で解散になっちゃったんだけれどもね」


「我はミネィア。しがない占い師を営んでおる」


「俺はDランクのノブサダといいます。冒険者になって一ヶ月ほどの若輩者ですがよろしくお願いします」


「あら、ノブサダちゃんDランクになったの? 随分と早いわね」


「師匠の特訓のお陰か一ヶ月前よりもだいぶましになったんで依頼の方も順調にこなせるようになれました」


「師匠?」


「ええ、グラマダ衛兵隊総隊長のマトゥダ氏ですね。まだまだ先ですがいつか10番目の弟子としっかり名乗れるように精進しています」


「なに! 戦拳殿の弟子だと!?」


 ミネィアさんがえらい勢いで食いついてきた。この人も他の面々同様小麦色の肌で筋骨隆々である。他の面子と違って衣服は着ているので一般常識があると考えるのは早計だろうか。


「羨ましい、羨ましいのう。我も弟子入りを望んだが『すでに別流派を収めているものに教えられることはない』と断られてしまった。あの往年の筋肉を間近で眺めあわよくば触れられる機会が!」


 うん、早計だった。完全に同類だったよ。


「相変わらずミネィアは渋いおぢさまが好きなのね。わたしはやっぱり若いしなやかな筋肉のほうがいいわね。ね、ノブサダちゃん」


 俺に振られても困るんだが。そしてマッスルブラザーズよ、お前ら両方共に頷いていただろう。


「すいません、そろそろ行かないといけない時間なので前と同じのでいいので上着を2着買ってもいいですか?」


「あら、残念。たしか黒のだったわね。60マニーよ」


「たしかに。ではこれで失礼します。依頼などでご一緒する機会があるよう俺も精進しますよ」


 グっとサムズアップして白い歯を光らせるマッスルブラザーズ。激励してくれてるのだろうか? 変態なことを除けば悪い人じゃないかもしれない……かな??

 手を振りつつも足早にその場を離脱する。ふう、やはりこの店は濃いなぁ。

 とんだことで時間を食ったが目的のものは手に入れたしさっさと『炎の狛』へ行こう。




 炎の狛へつくと早速部屋を借りた。宴会用の料理込みで380マニー、端数はまけてもらった。結構な出費ではあるがたまにはいいだろう。

 早速部屋に入るとキングサイズのベッドがひとつとソファーやテーブルが配置されていた。余計な家具を動かして宴会用に変えていく。

 テーブルなどを並べ終えることにはもう日も暮れ始めておりそろそろかと準備しておいた料理を置いていこう。そして給仕の人が確認に訪れ炎の狛の料理も運ばれ始めた。


 ・野菜たっぷりミネストローネっぽいの

 ・じゃがいもとチーズのフリッコっぽいの

 ・じゃがいものニョッキっぽいの

 ・アスパラの肉巻き

 ・チキンのソテー


 予想外のイタリアンのようなメニュー。メニュー名は違うのだが俺には上記のようにしか見えない。あっさりはどこへいった? そして、この世界の料理体系どうなっとんの? 結構、お腹に溜まりそうなメニューなので作ってきたものは半分ほど展開してあとは随時補充しますか。

 料理の準備もほぼほぼ終わりあとはみんなが来るのを待つだけ。どんな反応をしてくれるのか今から楽しみである。


 あ、タマちゃんは一足早くいつもより濃い目の魔力水に浸かっております。ご満悦のようですわい。


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