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新説・のぶさん異世界記  作者: ことぶきわたる
第一章 ノブサダ大地に立つ
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第31話 炸裂!新必殺技

明日はちょっと投稿できないかもしれないので本日2話目です。

最新話でとんできたひとはご注意を!

 そしてここが目的地。少し広めのお部屋。岩が数箇所に出っ張っており眼前には10匹ほどのマヨイタケが鎮座していらっしゃいます。そう、歩いてません。これはどういうことなんだろう? だが、焼き尽くすには好都合だ。休みながら戦闘してきたがMPは大体半分ほど。俺もタマちゃんもHPは全開。にじりにじりと射程範囲まで近づいていく。


 そして発動! 本日最後になるであろう範囲魔法!!


「ファイアストーム!」


 ゴウと燃え盛る炎が再びマヨイタケを巻き込んで渦を巻く。もーえろよもえろーよっと。

 消し炭になったことを確認して魔法を解除しドロップ品の確認をするために近づいていく。



 あれ?


 いつもなら粒子と消えてアイテムが現れるはずなのに死体が一つそのまま消えてない?


 ズオッ!


 真っ黒に焦げ付いていたはずの固まりから紫色の何かが伸び俺を吹き飛ばした。


 痛たたた。一体なんだ? 完全に油断していたよ。幸い胸当てに当たってくれたので大してダメージは受けていない。


 消し炭だったはずのマヨイタケの黒い部分がひび割れ紫色の何かが見えている。徐々にヒビは全体へと広がりやがてトゥルンとした一回り小さい紫色のマヨイタケがこちらを見据えている。目は無いんだけれどもね。



 Dマヨイタケ Lv11

 HP:30/45 MP:6/12

 迷宮産歩行型菌糸類マヨイタケ科マヨイタケの変種。一定の魔力を持った個体がある程度の期間無想することで進化する。弱点であった火属性は外皮を犠牲にすることで遮断することが出来るようになった。攻撃方法も増え完全な上位互換となっている。



 Dってなんですか?

 そんな事を考えていたらDマヨイタケが攻撃を仕掛けてきた。ちょっとまて吹き飛ばされて離れたのにもう攻撃範囲に入ってたのか!?


 ズオッっと腕を伸ばして攻め立てる。って両手とも伸ばせるのか。やっかいだなタイミングが計りにくいぞ。

 Dってあれか某路上戦士のインドの人か? テレポートとかしないよね??


 っと阿呆な事考えている余裕はないぞ。以外に速度もあるもんだからなかなか突っ込んでいくのが難しい。

 守の型で受け流しながら反撃のタイミングを計る。

 1、2、の3、今だ!


 スカッ


 えっ? タイミングはバッチリだったはずなのに……というか目の前にいたはずのDマヨイタケが消えた!?

 どこにいった……えっ、後ろだって?


 ブフォアァァァァァァ


 慌てて距離をとろうとした瞬間、背後からなにやら霧のようなものを吹きかけられた。

 くそっ、せっかくタマちゃんが教えてくれたのに間に合わなかったか。

 なにやらネトっとしており不快な臭いもする。慌ててドライを唱えすぐに蒸発させた。


 しかし、どうやって後ろに回りこんだんだ? それこそ本当にテレポートでもしたんだろうか……。


 その答えはすぐに分かることになった。


 ブオッ


 再度伸ばされた手をかわして今度は距離をとる。するとDマヨイタケは伸ばした手で後ろにあった岩を掴み伸ばした手を元に戻すことで体ごと移動した。なんつう力技だ。


 だったらと距離を取り火の矢を打ち出した。連続で4本の矢を放ったのだが1本しか当たらない。しかもその1本も当たった箇所が黒くなりボロっとこそげて落ちただけで大したダメージになっていないようである。

 思い切り面倒くさい進化をしてくれたもんだ。ふぅっ、ふぅっ。

 なんだ、随分と息苦しいな。そんなに動いていないはずなんだけど。


 ブォッ


 くっ、考える隙もくれないか。そして目がなんか霞む。なんでこんな時に。


 そのうち明らかに俺の動きは鈍くなってきた。なんなんだこれは。省略でいい、急ぎ自分のステータスを確認する。


 名前:ノブサダ・イズミ 性別:男 種族:普人族?

 状態:鈍毒


 毒か! さっきのあれは毒霧だったんだな。鈍毒とか初めて聞いたけれども動きを鈍くする効果でもあるんだろう。厄介なものもあるものだ。


「キュアポイ……」


 ブオゥ


 カラーン


 解毒の魔法をかけようとした俺にそれをさせまいとDマヨイタケは猛攻をかける。最悪なことに鉄の剣が明後日の方向へ弾き飛ばされてしまった。くそ、こうなれば不安だが頼むしかない。


 ――タマちゃん、頼む。ちょっとでいいから足止めしてくれ。


 巻き込むまいと岩陰に避難させておいたタマちゃんにSOSをだすと小さな緑の塊が紫の珍生物に立ち向かう構図ができあがった。すまん、急いで回復するから耐えてくれ……。


「キュアポイズン」


 急ぎ毒を消し次いでヒールをかける。やばい、タマちゃんのHPがどんどん減っている。

 もう、鉄の剣を取りに走るのは無理だ。

 かと言って魔法を使えばタマちゃんを巻き込むかもしれない。リュックを開いている暇も無い。



 ビシィ、バシ


 尚も攻防は続いているが明らかに不利。


 ――タマちゃん、もういい離れてくれ!


 俺がそう伝えようとした矢先、タマちゃんはDマヨイタケの攻撃をくらい宙を舞った。タマちゃぁぁん!



「うちの子になにしとんじゃぁぁ、こんのくされ菌糸類がぁぁぁぁぁ」


 俺、激オコ。感情が制御できません。オ前、今カラヌッコロシマスワヨ。


 俺はタマちゃんに攻撃したことで一瞬硬直しているDマヨイタケへと一気に飛び込んだ。

 練習はそんなにできていないがやるしかない。タマちゃんの作ってくれた隙を活かしこいつで決めてやる!



 右手に魔力を濃縮してイメージを構築。改変するのはアースウォール。土の壁は岩の壁となれ。鋭く凶悪なほどトゲトゲに!

 硬直したDマヨイタケへ攻の型から不意の一撃を叩き込む! 魔法と技を組み合わせたのがこいつだ!!


「ロックハァァァァンドスマァァァッシュ!!!」


 少し屈んだところから体の捻りを加えDマヨイタケのわき腹と思われる箇所へ目掛けて右拳が打ち上げられる。同時にイメージしていた魔法が瞬時に発現し拳を岩が覆い更にその先には幾本もの岩のトゲが創り上げられた。トゲ一本は5センチメートルほどもありそれが深々とDマヨイタケへと突き刺さった。


 だが、まだだ! まだ終わらんよ!


「爆砕!!」


 全てのトゲが爆発音と共にDマヨイタケの体内へとめり込んでいく。追加で構築しておいたのはゼロ距離からの散弾銃のようなもの。打ち出す魔法の構成には火魔法も組み込んでいたのでその威力は跳ね上がっているはずだ。右手への反動は残った岩壁が吸収する……はずだったんだがかなり痛い。



 うん、予想以上に威力があったようだ。Dマヨイタケは辛うじて生きてはいるものの俺が拳を打ち込んだ半身はもうズタズタになっている。この技、対人戦じゃ威力がありすぎてとてもグロいことになりそうだ。まだまだ改良の余地ありだな。

 そしてリュックから鉄の槍を取り出してそのまま一気にDマヨイタケに突き入れた。HPが0になり光の粒子と消えるDマヨイタケ。


 あ、タマちゃんは大丈夫か!?


 少し離れたところにぽてんと転がっているタマちゃん。HPはまだ2残っていた。良かった。そしてごめんなタマちゃん。今回は完全に俺のミスだ。ヒールをかけながらタマちゃんに謝る。


 ふるふる


 気にするなってか。ありがとう、タマちゃん。そっとその体をなでてやる。




 てれれてってって~♪ シーフ、異世界人のレベルが上がりました。

 てってれ~♪ 複合魔法を習得しました。

 てってれ~♪ 格闘がレベルアップしました。

 てってれ~♪ 魔法改変がレベルアップしました。

 てってれ~♪ シーフのレベルが10になりクラススキル『トレジャーハンター』が発現しました。

 てってれ~♪ タマちゃんとの絆が親愛になり異魂伝心がレベルアップしました。

 てれれて~て~てんてってれ~♪ タマちゃんのレベルが上がりました。マリモのレベル上限に達しました。クラスチェンジの条件を満たしました。




 そしてそんな神妙な空気は駄女神のファンファーレで台無しになった。空気読めって。


 それにしても随分と上昇したものである。

 しかし、タマちゃんクラスチェンジできるのか!? この子の奮戦がこういう形で報われるとは!


 タマちゃんのクラスのところをタップするイメージで反応を確かめるとクラスチェンジできるのは一つだけのようだ。


『スーパーマリモLv1』


 ……色々といいんだろうか? マリモだし問題はないよね? 他に選択肢もないので早速設定してみる。


 カッ


 タマちゃんの体が一瞬光に包まれる。光が収まると……よく見れば毛艶が良くなり体に触った時のモフり具合が上がっている。俺への癒しレベルはあがったのだがこれって戦闘力としてはどうなの? 今後の検証が求められるな。


 そして落ち着いて周りを見てみればコロリンと紫色のアレが二つ転がっていた。そう、求め続けていたアレである。


「ナスキノコ、獲ったどーーーーー!!」


 思わず両手掲げて叫んでしまったよ。

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