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新説・のぶさん異世界記  作者: ことぶきわたる
第一章 ノブサダ大地に立つ
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第27話 君の名は……

 てってれ~♪ マリモは恭順の意を示しました。 異魂伝心Lv1を発動します。


 駄女神アナウンスが流れた後、俺の左手の甲が熱くなる。


 俺の左手の甲になにやら絵柄が浮かび上がってきた。って、これはうちの家紋じゃないか。月輪の中に桜が描かれている。たしか爺様は『月夜の桜』とか言ってた気がする。


 そしてマリモをよくみると顔で言う額のあたりに桜の花びらのようなピンクのワンポイントが出来ている。これで正面が判断しやすいな……って違うわ。


 どう考えても謎スキルだった異魂伝心の影響であるのだがいったいどうなったんだ?

 識別先生、スキルの詳細確認でもできないもんですかね?


【異魂伝心】

 絆を結び心を通わせた者で魂の契約を結べる。レベルが上がるごとに様々な恩恵が与えられる。

 Lv1 主が望めば従者の考えていることがなんとなく通じる。


 できちゃったよ……こんなあっさり。そして魂の契約ってなんだ? 俺が主になってるってことなんだろうけど何か悪魔の契約みたいでいいイメージが湧かない。さらに言えばLv1の恩恵ってすんごく地味だな。そしてマリモよ、君会ったばかりの俺になんでそんなに懐いてるのよ。俺、【マリモキラー】持ちだぜ? 言わば同族の仇なんだけどいいのか?


 ぽよーんぽよーんと跳ねるマリモ。

 え? いいの?


 あ、本当になんとなくだが考えてることが分かった。まぁ、お前がいいならいいけどもさ。んじゃ、名前つけてやらんとな。マリモって呼ぶのも愛着湧かないし。


 ……


 …………


 ぶっちゃけ俺、ネーミングセンスないんだよな。

 うーん、ポチは?


 ふるふる

 嫌か。


 ララァ。

 ふるふる


 ケンタカユッキー。

 ふるふる


 おじゃる○。

 ふるふる


 タマちゃん。

 ぽよーんぽよーん


 いいの!? そんじゃお前は今日からタマちゃんな。


 てってれ~♪ 獣使いのクラスが解放されました。

 てってれ~♪ 称号【真・マリモキラー】を獲得しました。


 WHAT? 【真・マリモキラー】とな??


【真・マリモキラー】

 命だけでなく心までオトした真なるマリモキラー。付き従うマリモの能力が上がる。


 どう言っていいのやら……。あって損するわけでもないしいいか。


 そうそう、タマちゃんのステータスどうなってるんだろう。



 名前:タマちゃん 性別:雌 種族:マリモ

 クラス:マリモLv1 状態:健康

 称号:なし 絆:信頼

 HP:5/5 MP:1/1

【スキル】

 なし



 弱い! さすが生まれたて! そしてタマちゃん雌だったの!? というかマリモに性別あったんかい!

 思わぬ旅のお供が出来ました。でも、タマちゃんこのまま街の中に連れ帰ってもいいもんなんだろうかね。

 ま、戻って聞いてみるしかないか。




 ただ帰るだけじゃ勿体無い。帰りがてらスキルの詳細を識別の魔眼で確認していこうか。はじめから知ってればもうちょい楽だったのにね。


【属性魔法適性】

 特殊属性以外の火、水、風、土の四属性への適性を表す。また、それらの発動際し術者本人の意思により使用魔力や発動規模などの制御が可能になる。

 使用可能魔法一覧 ※レベルにより順次解放

 Lv1 アロー系(ファイア、アクア、ウィンド、サンド)

 Lv2 ウォール系、バインド系(フレイム、アクア、ウィンド、アース)

 Lv3 ストーム系(ファイア、アクア、ウィンド、サンド)


【神聖魔法】

 神に祈りを捧げ力を借り奇跡を起こす魔法。信仰する神によって差異はないが加護や信仰心により奇跡の度合いが変化する。

 使用可能魔法一覧 ※レベルにより順次解放

 Lv1 ヒール、ライトアロー

 Lv2 キュアポイズン、キュアパラライズ


【魔法改変】

 魔法を思うように改変する。ただし、魔法によりスキルレベルと相応のイメージ力、発動する為の魔力が変わってくる。改変すればするほど必要魔力は跳ね上がり改変した魔法は名付けることで性能が固定化される。



 ふんふん、なるほどねー。すっげぇ分かりやすいな。識ペディアとか呼んだほうがいいですか?

 そしてこれが現在の俺のステータスだ。



 名前:ノブサダ・イズミ 性別:男 種族:普人族?

 クラス:拳士Lv5 異世界人Lv6

 状態:健康

 称号:【真・マリモキラー】

 HP:105/105 MP:52/146

【クラス】

 異世界人Lv6(up!) 戦士Lv10 拳士Lv5(up!) 修道士Lv3 魔術師Lv4 呪術師Lv1 商人Lv1 農家Lv1 主夫Lv1 シーフLv1 狩人Lv1 獣使いLv1(new!)


【スキル】

 エターニア共通語 異魂伝心Lv1 魔法改変Lv1 家事Lv5 農業Lv3 剣術Lv3 格闘Lv1(new!) 両手槍Lv2 投擲Lv2 魔力纏Lv2 回避Lv2 神聖魔法Lv2 属性魔法適性Lv3 生活魔法 偽装Lv2


【クラススキル】

 挑発


【固有スキル】

 識別の魔眼Lv3  レベリットの加護(小)


【従魔】

 タマちゃん


【真・マリモキラー】にしたのはタマちゃんがあっさり逝きそうだったから。これをつけたらHPとMPが10ずつ上がったよ。良かった、旅のお供が早々にいなくなるのは避けたいからね。そして、獣使いのクラスと従魔って枠が増えた。モンスターを従えたからだろうけどもムツ○ロウさんもびっくりだな。

 ちなみにタマちゃんは今俺の肩の上に乗っかっています。そのうちこの子のレベル上げもしなきゃいけないか。


 そんな今後の展開を考えつつグラマダへと足を進めるのだった。




 グラマダについたのはなんとか日暮れ前ってところ。

 さて、タマちゃんの件で確認しないといけない。北門の詰め所で聞けばいいか。


「すいませーん、ちょっとお伺いしたいことがあるんですけども」


「おう、どしたい。お、無事に戻ったな。ゴブリンとかでなかったか?」


 この人はオッチャさん。ヒゲ面のもっさいおっさんなのだがこの北門の衛兵長なんだぜ。出掛けに森の場所を再確認するために詰め所で訊ねたら知り合ったのだ。


「ええ、3匹遭遇したんで倒しましたよ。ちょっとした小遣いですね」


「ほうほう、やるねぇ。ゴブリンはどんどん増えるから見かけたら潰しておくってな基本だからな。んで、聞きたいことってななんだい?」


 手の平にタマちゃんを乗っけて訪ねる。


「この子が懐いちゃったんですが魔物ですけど街にいれちゃっても大丈夫ですかね?」


「は? これってマリモか!? はー、初めて聞いたな。獣使いのクラスについてるやつなら従魔契約結んでるってのはあるがマリモもできるもんだとはなぁ。マリモってな最弱の魔物で通ってるが生態については謎だらけらしいぞ。……話がそれたな。従魔ならば冒険者ギルドで情報登録しないといけないな。仮登録証発行してやるから今日中にギルドに登録しとけ。明日以降になると仮登録証の効果がきれて違約金が発生するからな」


 すごく丁寧な解答ありがとう。もっさいおっさん呼ばわりしてすまなんだ。セフィさんとこに薬草納めたら報告がてら登録しちゃいましょう。


「ありがとうございます。依頼報告したら早速いってみますよ」


「あいよ、お疲れさん」




 北門からセフィさんの店までは結構近い。

 そういや閉店時間知らなかったけど大丈夫だろうか?

 店舗に近づくと中から明かりが見える。やってるか分からないけど確実に人はいるだろう。


「ごめんください」


 店の扉はあっさり開いた。営業中です、よかったね。


「はいはーい。どなたかしらぁ……あらあら、えーっとたしかノブちゃんだったわねぇ。こんな時間にどうしたのぉ」


 相変わらず色っぽい格好ですネ。すごく生殺しです。今晩、自家発電でもしないとテントがおっきしちゃうのだぜ。

 おっと下ネタは空気が荒れるからこっちにおいて置いてと。


「ギルドで依頼を受けてきました。薬草の採取のやつですね。色々と採ってきたんですが確認して貰えますか?」


「あらあらあらぁ、助かるわぁ。依頼を出したのはいいんだけどだ~れも受けてくれなかったみたいで困ってたのよねぇ」


 依頼の出し方がまずかったと思うんです、はい。

 とりあえず採取してきた薬草をカウンターの上に並べていく。

 ヒラ草24束、ゲド草16束、マジ草9束、パラ草10束

 短時間で結構とれてたよ。さぁ、おいくら万円でしょうか。


「前と同じで状態はすごくいいわねぇ。あら、マジ草とパラ草までしっかり区別してあるのねぇ。前に頼んだ人だと似てるから混じっちゃってて困ったのよぉ。これなら文句なしだわぁ」


 ヒラ草とゲド草は一束50マニー。マジ草は100マニー。パラ草はちょっと需要が低いのでお安めの40マニー。

 しめて3,300マニー……あれぇ? ダンジョンに入ってるより儲かってるよ? いやいや、浅い階層だから仕方がない。でも、結構美味しい臨時収入だ。

 あ、そういえばまだアレ持ってたな。ついでに見てもらおうか。


「そういえばダンジョンでこんなの手に入れたんですけども。これって錬金術の素材になったりします?」


 リュックから取り出したのはヒキコモリドクガエルの毒薬。


「どれどれぇ。えーっとこれはヒキコモリドクガエルの毒袋からとった液体ねぇ。そのままだと毒薬として使えるけれども品質がそんなに良くないから効果は低いわねぇ。加工すれば強心剤の素材になるけれど錬金術のレベルが高くないと無理よぉ」


「なるほど。引き取ってもらったりとかできますか?」


「いいけれどあまりたいした金額にはならないわよぉ。そうね、さっきの薬草がいいものだからちょっと色つけちゃって合計で3,500マニーでどうかしらぁ」


「相場とか知らなかったんでセフィさんの言い値で大丈夫です。信用してますから」


 多分だけどこの人は騙すような阿漕なマネはしないと思う。俺の希望的観測ではあるけどもそんな雰囲気してる気がする。美人だからってのも大いにあるけどね!


「あらあらぁ。もう、お姉さんをからかっちゃだめよぉ。はい、それじゃこれが代金ねぇ。そうそう、この依頼そのまま継続しちゃうからノブちゃんが暇なときにでもまたお願いしたいのよぉ。いいかしらぁ?」


「時間あるときでいいならいいですよ。その代わりといっちゃなんですがたまに錬金術や魔法についての質問してもいいですか? 興味があるんですよ」


「あらぁ、それならいつでもいいわよぉ。なんなら手取り足取り教えちゃうわぁ、うふふ」


 ありがたいけど食べられちゃいそうだね、色んな意味で! だが、それはそれで男の本懐かもしれん!


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