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新説・のぶさん異世界記  作者: ことぶきわたる
第九章 嵐の前の静けさ
228/274

第205話 セイ長の証



 おさんどんの仕込を終えれば実のところ手持ち無沙汰だったりするノブサダです。


 というわけで宿に引っ込んだら王都、グラマダとばたばたしていて出来なかった装備品や自分のステータスの確認をしておりました。夜なので回りに音が響かぬよう防音結界は準備済みでございます。


 装備品だけれどもかなりの欠損が確認されていた魔獣装備は部品をバラして再利用できないかおやっさんに相談するしかないだろうという結論に。まだ原形を留めていただけましなんだろうけれどもね。


 未だ性能を把握してないのからいきますかね。まずはアジマルド戦で突貫で改修した双片手棍の『雄酸棍おっさんこん曼酸棍まんさんこん』から。



 雄酸棍おっさんこん曼酸棍まんさんこん

 品質:特上級 封入魔力:78/89

 両断された雄曼酸棍がノブサダの手によってリペアされた雌雄一対の片手棍。どこから現れたのか加齢臭漂う酸っぱい親父の愛と母性溢るるママンの愛情が宿っている。特に雄酸棍は非常に気難しいので取り扱いには注意が必要。

 天恵:【父酸】【母酸】



 どうしてこうなった!?

 単純に魔工で加工しただけなのに!


 改めて握ってみると微妙に生暖かく感じる。振ってみると、うん、重さも丁度いい片手棍だと思う。そういえば天恵もあったしこの状態でも酸を出せるのか?


 ――酸撃発現!


 後に振り返った俺はこの時完全に油断していたと反省した。


 右手に握っていた雄酸棍からジョビジョバと酸が溢れ出て胡坐をかいて作業していた俺の右太腿を直撃する。


 ジュワワワワワ


「うわっちいいいやっはあああいうえおふぎゅるぽあばるす!」


 のた打ち回り転がる俺。防音の結界を張っていなかったら何事かと踏み込まれんばかりの悲鳴を上げつつだ。ブスブスと煙を上げつつズボンは溶け俺の太腿も激しく焼け爛れている。というかあまり見たくないのだが僅かに見える白いのは骨か? 勇者に吹っ飛ばされたときほどではないがかなりの痛みがある。それも酸だけに蝕むような痛みだ。


 眩暈がしそうになるが落ち着きながら水を作り出し丁寧に洗い流していく。その後、『駄女神の気まぐれ(ディバイン)癒しフルコース(ヒール)』とリジェネーションまで使って傷跡を治療した。リジェネーションを使えなかったらと思うと恐ろしい。


 あまりの事に取り落としていた雄酸棍はからからと転がりベッドの足に引っかかっていた。幸いにして手から離れてすぐに酸の放出は止まったようだ。とにもかくにもなんというヤバイ代物だ。リーチが短いから迂闊につかえた物じゃないな。


 少々気は重いが片割れのもう一本も効果を試しておかないといけない。ここでやっておかないとぶっつけ本番でああなったらえらい事だしね。あの惨劇を踏まえてかなり層の厚い石器を用意しつつレッツ再トライ!


 ――酸撃発現!


 とろ~り


 !!??


 棍の先からトロリとした液体が溢れてくる。じんわりと器の中に溜まっていくのだがこれは一体なんぞや? 今のところ異臭もしないし危険物のような感じはないのだが……こんなときは識別先生お願いしますよ。


 ヒアルロン酸

 品質:特上品

 疲れたお肌に潤いをもたらす奥様垂涎の素材。新たな化粧水を女神様達は御所望なのですよ?


 さり気無くと言うか思い切りあからさまに物欲アピールですね、わかります。今回は世話になったことだし帰ったら暇な時間にでも試作してみようか。


 なんというか酸は酸でも違うだろうという突っ込みは無粋なんだろうね。もうそういうもんだと諦めるか。そもそもどんな理屈でこれらが出てくるのかすらよく分からないのだし。


 すっかり忘れていたが雄酸棍から出たものを鑑定してみ……たら……『王水』だと!? たしか金すら溶かすとかいうとんでもない物じゃないか! そら酷い目にあう筈だよ。これで溶けないのってなんだったかな。思い出せないから保存も出来やしない。


 何というか雄酸棍はこのまま封印指定になりそうな勢いだぜ。我ながらとんでもないものを作り上げてしまったようである。意図したわけじゃないんだけどね。



 危ないものは次元収納に仕舞い込んで今度は防具か。

 現時点で換装の指輪に登録し直した防具は以下のとおりである。


 頭:俺特製鉢金 色々付与済み

 胴:双皇の鎧

 両手:紺倶の手甲

 両足:紺倶の脛当て


 装飾品は換装の指輪、あとは首からあの指輪をチェーンに入れてぶら下げている。指にはめてたら殴ったときに壊れたりするから嫌じゃないか。最近は掌底打ちばっかりなのは換装の指輪に被害がいかないようにする思惑もあるのだよ。どうしても殴るときは右手オンリーになる。


 さてあとはお待ちかねのステータス確認だ。マグマの沼に嵌めてえらい勢いで色々と上がったから確認するのもちょっと楽しみだね。それでは識別先生、イッツショータイム!



 名前:ノブサダ・イズミ 年齢:15 性別:男 種族:普人族?

 クラス:総大将Lv1 剣鬼Lv1 上忍Lv1  時空魔術師Lv59 全魔導師Lv1 異世界人Lv54

 状態:健康

 称号:【和泉家当主】

 HP:2,470/2,470 MP:表示不可能/表示不可能


【クラス】

 ◎基本クラス

 異世界人Lv54


 ◎戦闘クラス

 侍大将→総大将Lv1(new!) 武芸者→剣鬼Lv1(new!) 中忍→上忍Lv1(new!)

 獣使い→魔獣使いLv1(new!)  狩人Lv39(up!) 爆弾魔Lv1(new!)

 ・限界到達済み[▼]

 戦士 拳士 魔法剣士 シーフ


 ◎魔法クラス

 魔術師→全魔導師Lv1(new!) 呪術師→死霊術師Lv1(new!) 時空魔術師Lv59(up!) 召喚士Lv1(new!)

 ・限界到達済み[▼]

 修道士 奇術師


 ◎生産クラス

 錬金術師Lv42 主夫→魔道家事士Lv1(new!) 魔工技師Lv1(new!) 色魔Lv1(new!)

 ・限界到達済み[▼]

 商人 奴隷商人 農家 大工 石工



【スキル】

 ◎基本スキル

 エターニア共通語  異魂伝心Lv5(up!) 魔法改変Lv6(up!) 武技改変Lv2(new!) 並列思考Lv4 身体強化Lv4 魔力操作Lv4(up!) 魔力纏Lv6 回避Lv5(up!) 受け流しLv6(up!) 直感Lv6(up!) 頑健Lv4 開錠Lv3 罠Lv1 指揮Lv1(new!) 全耐性Lv5 性豪Lv6 偽装Lv5


 ◎戦闘スキル

 刀術Lv6(up!) 剣術Lv3 格闘Lv6(up!) 両手槍Lv2 片手棍Lv1(new!) 両手棍Lv4 投擲Lv4 射撃Lv3


 ◎魔法スキル

 複合魔法Lv6(up!) 並列発動Lv6(up!) 神聖魔法Lv6 暗黒魔法Lv5(up!) 重力魔法Lv6(up!) 時空間魔法Lv5 結界術Lv4(up!) 隷属魔法Lv4(up!) 生活魔法 錬金術Lv5 属性魔法適性Lv6(up!) 付与魔法Lv5(up!) 忍術Lv3(up!) 召喚術Lv1(new!) 使役術Lv1(new!)


 ◎生産スキル

 家事Lv6 農業Lv4 魔工Lv6(up!) 彫金術Lv4  加工技術(木・石・鉄・貴金属)



【クラススキル】

 挑発 トレジャーハンター チャクラ 手当て 鷹の眼 心眼 士気高揚 残心 隠遁 一隻眼 癒しの心 空間の理 テナシティ コンセントレーション 揉みの極意 


【固有スキル】

 識別の魔眼Lv6(up!) レベリットの加護(大盛つゆだく) 神託(直通) 一点突破


【契約者・犬】

 ミタマ、フツノ、カグラ、セフィロト、エレノア、ヤツフサ、フミルヌ、クーネル、その他19名


【従魔】

 タマちゃん、わかもとサン、ウズメ、その他20匹



 識別先生!? 何気にレベルアップというよりバージョンアップになってる!?

 どうやら自動で上位職に切り替わったらしい。あの時は駄女神アナウンスがそれはもう頭の中で輪唱の様に響き渡っていたから何がなにやらって感じだったんだよな。おお、限界到達済みのところは表示非表示が可能なのだね。気になるのは従魔のその他がやたらと増えているんだがいつのまに? これってウズメの配下のウミネコたちだろうか。


 というか何か色々増えているし非常に困ったクラスも見えている。爆弾魔なんてのは先達ての戦闘でフレアボムを使いすぎたせいだろうか。それにしてもスキルレベル6から7までの間が長いな。『駄女神の気まぐれ(ディバイン)癒しフルコース(ヒール)』とか大規模複合攻撃魔法とか結構使ったんだが変動なしか。やはり王(級)への道は険しいのね。それと限界を迎えたクラスも多い。修道士とか限界なんだけど神聖魔法頭打ちってないよね? 少しだけ不安になる。


 ふう、気を取り直してと……どれどれ?



『総大将』

 戦において侍を束ねる最も位の高い将。特殊なクラススキルを有し配下を強化する。また指揮能力にプラス補正がかかり部隊を率いて戦うことに有利なクラス。


『剣鬼』

 幾多の戦場を単身駆け抜ける胆力を持ち剣に生き剣に死ぬ剣術の探求者。剣術というものの短刀、刀、小太刀、大太刀など全てを統合して扱うクラスである。


『上忍』

 忍のものたちを束ねる上級の忍者。忍術だけでなく火薬の取り扱いや罠の設置にも深い知識を有する。


『魔獣使い』

 ただの魔物ではなく魔獣と呼ばれるものたちすら従える者。ドラゴンやロック鳥、ユニコーンや麒麟など伝説に名を残す魔獣を従えるには相応の実力が必要なのは言うまでも無い。


『爆弾魔』

 爆発を使い爆発を食らい爆発に魅了されたものが行き着くクラス。火薬操作などにプラス補正のボーナスが付く。


『全魔導師』

 地水火風の各属性、神聖、暗黒の魔法を高い水準で修める者が就く事のできるクラス。真理の探求者であり遥かなる高みを目指すと言う。


『死霊術師』

 死せるものたちを降臨させ使役する術師。死者の眠りを妨げることから忌避の目で見られることも多い。クラスのレベルと魔力量により使役数が変化していく。かつて死霊の軍団をたった一人で使役したものもいたらしい。


『召喚士』

 魔物や魔獣、果てはこことは違うどこかの生物と契約を結び呼び出し従えるクラス。獣使いと似たようなクラスであるが決定的に違うのは召喚・送還の魔法であろう。状況に応じて違う仲魔を呼び出し戦わせるなど戦術の幅は広い。ただし相手の都合を考えずに呼び出すことが大半なことから総じて契約者との仲は良くないことが多かったりする。


『魔道家事士』

 鍛冶師ではなく家事士。かつて古の時代に実在した魔法やそれに順ずる魔道具を駆使して家庭の平和を守護するもの。一家にお一人マドーさん。対G戦において能力に極大の上昇補正がかかる。


『魔工技師』

 魔工を用いて数々のアイテムを製作するクラス。すべての工程において魔力を必要とするためこのクラスへと就くには相応の魔力量が必要となる。


『色魔』

 色欲の権化たるモノ。複数の女性と閨を共にすることで発現するクラス。条件には類稀なる精力も必要。下半身に対する色々な経験により育ちそういった事情にプラス補正がかかる。ただし戦闘などの経験値では一切成長しないペナルティもある。

 ゆうべはおたのしみでしたね。byれべりっと♪



 最後、最後、最後のぉぉぉぉ! 駄女神ぃぃぃ。折角見直してきたのに色々と台無しだよ!

 否定はできないけれどもこんな形で現れるとは……。


 あーもう、なんか色々と疲れたよ。取りあえず細部の確認は明日の移動中にでもしようか。やる瀬無くてもう何もする気がおきない。

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