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新説・のぶさん異世界記  作者: ことぶきわたる
第五章 そうだ! ダンジョンへ行こう!!
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第115話 ドロップ品を確認するときって一番楽しみだよね?

某MMORPGでは引きの悪さに定評のあった作者です。おかげでマイトレジャーハンターはトレヘンという嫌な俗称が……。

 てれれてってって~♪ 侍大将、武芸者、中忍、時空魔術師のレベルが上がりました。

 てってれ~♪ 上位クラスのレベルが20を超えたためフィフスクラスが解放されました。

 てってれ~♪ 刀術のレベルが上がりました。

 てってれ~♪ 魔力纏のレベルが上がりました。

 てってれ~♪ 時空間魔法のレベルが上がりました。

 てってれ~♪ 耐吸収のスキルを習得しました。

 てってれ~♪ 称号『大物喰らい』を獲得しました。

 てってれ~♪ 称号『魔王の遺志を継ぐもの』を獲得しました。

 てってれ~♪ 称号『にゃ王(猫の王)』を獲得しました。

 てれれてってって~♪ ミタマのレベルが上がりました。



 グネが眠りにつくと同時に俺の意識が覚醒する。覚醒した途端、大量の駄女神のアナウンスが流れたが……。


 目を覚ませばどうやら柔らかいものの上にいるらしい。後頭部がふにんとなにやら気持ちいい。

 ミタマの膝枕の上にいるのか。いまだ焦点のはっきりしない目で見上げればミタマが俺の顔を覗き込んでいる。なんか前にもこんな感じあったよなあ。デジャヴを感じつつも柔らかなミタマの太ももの感触を満喫する。ぶっちゃけると今の俺の体はぴくりとも動きません。たぶん同調のせいだろうな、ひどい筋肉痛だよ。

 あ、いつの間にか体は元の通りです。


「おはよう、ミタマ」


「……良かった。もう目を覚まさないんじゃないかって心配したんだから……ありがとう、助けに来てくれて」


「言ったろ? 好いた女が呼ぶのならどこにだって参上するのむぐっ」


 そんな俺の軽口を最後まで言わせずに唇で塞ぐミタマ。

 息も荒くなにやら頬も赤い。


「……ごめんね。安心したらもう我慢できない」


 艶かしく唇を舐め取る。その仕草が非常に色っぽい。


「もしかしてミタマさん興奮してらっしゃいますか? ひょっとして試作品のアレたくさん飲んじゃった??」


「……全部」


 うほう、マジですか。あれというのは試作品のリポビタマアゲイン改。どうやら配合したまんどらゴルァの影響なのか随分と精神を高揚させる副作用があるらしい。俺がマザーアントと対面したときとんでもなくハイテンションだったのも試作品シリーズの影響が大きいんだろう。

 それをミタマはあるだけ全部飲んでしまった。おっかなびっくりミタマの状態を確認すれば……。


 名前:ミタマ

 状態:発情


 やっぱりだーー。普段ならばばっちこーいと言うところなんだが今の俺は満足に体を動かせない。さっきから回復魔法をかけちゃいるが回復の兆しは見えん。まさにまな板の上の鯉である。


「……いただきます」


 普段と違いこれ以上ないほど妖艶なミタマが俺の下半身を露わにする! ぴくりとも動かないといったな。あれは間違いだ! 悲しいけれどこれって雄の本能なのよね。


 ッアーーーーー。





 試作品シリーズの販売は見送りましょう、そうしましょう。艶々になったミタマを見ながらノーマルのリポビタマデラックスを飲ませてもらいつつカサカサに干からびた俺はそう思うのだった。




 ~それからどした?~




 しばらくしてなんとか回復したのでようやっと動き出す。

 ふう、散々搾り取られて凄く気だるいですたい。


 さて気を取り直してと。

 よっこいせと体を起こして魔法を解除すれば一面の氷が消え去る。『高機動兵装フライトシステム』を使いつつミタマを抱き上げふわりと砂地に降り立った。そして二人で手分けして大量の魂石と鉄蟻の甲殻などを回収する。えらい量だな、これ。孵化していなかったアイアンアントがかなりの量いたらしいが皆氷付けになってお亡くなりになったせいだ。


 せっせと回収すること30分。

 粗方回収した後、残ったのはこれら。

 まずはミタマが倒したというシルバーアントたちが持っていた魔剣と大盾2つ。


 魔法剣ミデア

 品質:特上級 封入魔力:23/23

 神聖魔法が封じ込まれた魔法剣。使用者の意思に従ってヒールとキュアポイズンを使うことが可能。封入魔力を使うことで魔力消費なしに使うことも可能だが使い切った後は魔力が自然回復するまでただの剣となる。

 天恵:【神聖】


 ファンファンシールド

 品質:特上級 封入魔力:21/21

 大型の亀『ファンファン』の甲羅から作り出された大盾。大人の男をすっぽり覆うほど大きい。受け流しのスキルにボーナスが加わる。

 天恵:【流動】



 ミタマの話ではこれは例の『白の運び手』の二人の遺品らしい。二人で話し合ったのだがもし遺族がいるのならば届けてあげようと思う。使える人がいないし売るのも忍びないからだ。これら以外の武器防具は見当たらなかった。もしかしたら残りの二人が生き残っている可能性もないとはいえないのでそこら辺もあとでギルドへ報告するとしようか。


 白鋼蟻の甲殻×2

 希鋼蟻の甲殻


 ミタマを追い込んだ変異種の残した甲殻がこれら。こいつらはおやっさんに頼むか俺が上達したら挑むか……ま、相談してからにしようか。少なくとも売らずに俺達の装備へと変わるだろう。



 そして目の前に残るはマザーアントの残したドロップ品だ。

 一つ目は今までで一番大きな魂石。大きさはなんとバスケットボールほどもある。なんせ通常の魂石は精々5センチメートルくらいで俺が見てきた中では大きくてもソフトボールサイズがいいところだった。しかもその色は藍色であり、その価値はかなり期待できるんじゃないだろうか?


 二つ目はアイアンアント同様の甲殻なんだが……。


 王母蟻の甲殻

 品質:国宝級 封入魔力:94/94

 マザーアントの落とした赤銅色の甲殻。加工するには高レベルの技術が要求される素材。加工次第で出来上がりの色が変化し質が良くなるほど煌びやかな赤となる。


 煌びやかな赤……この甲殻一つだけでも多分二人分は作れそうな量があるし俺以外の面子に渡すとしましょう。どうにも派手な原色の装備って言うのは抵抗があるんだよねぇ。ミタマもシックな色合いが好みっぽいのでカグラさんとフツノさん用になりそうな気がしますな。



 そして最後に……。


 王母蟻の毒針

 品質:国宝級 封入魔力:98/98

 マザーアントの落とした毒針。突き刺し蟻酸を噴出し相手を溶かす為の器官であり加工にも非常に危険が伴なう。



 これ、ただの毒針だと思うだろう? だが長さはなんと2メートルほどもあるんだぜ。太さも野球バットを2,3回りは大きくしたほど。これの加工のためにも魔工のレベルを上げないといけないな。加工にすら危険が伴なうものをおやっさんに頼むわけにもいくまいて。おあつらえ向きに大量の鉄蟻の甲殻があるし今日から毎日特訓だな。

 槍にすべきか金棒にすべきか。



 それと変化のあったものが一つ。


 月猫・新月

 品質:遺産級 封入魔力:298/298

 偽りの姿を脱ぎ去り現れた真の月猫の第一形態。扱うものによってその性能が変化すると言われる世に三振りしか現存しない活魂刀の一振り。その刀身を維持するだけでも非常に大きな魔力を消費するため扱えるものは殆どいないとされる。

 天恵:【再生】【硬化】【鋭化】【魔断】【峰・不殺】



 月猫……本当に猫被ってたな。それも第一形態ってことはまだ先があるってことだよね。どこぞの宇宙人様みたいに何段階も変身を残してる? それはそれで胸アツだから良し!

【魔断】ってのはどうやら魔法などを切り裂き吸収するらしいよ。どんだけ性能跳ね上がってるのよと突っ込めばいいのかいままでどれだけさぼってたんだと突っ込めばいいのか迷うところですがね。






「さて、一頻り回収できたことだし帰ろうか。フツノさんたちが心配してるだろうし」


「……ん」


 ミタマをお姫様だっこしてふわりと宙に舞う。とりあえずはぶち抜いた穴を目指して飛びますかね。

 あ、ぶち抜いた穴はそのまま残っていたのでほっと一安心でしたよ。


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