表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大悪魔サタン誕生伝説~光を求めた反逆者たち~  作者: 月光女神
第三章 三人の反逆者と怪物
19/21

 大天使ウリエルは外へ出ていた。

 彼女は無事に別館から救出されて、今はようやく外へ出てこれたところである。彼女を助けた天使たちは、やることがあるのか討伐対象の四人が滞在していた別館をいろいろと調べている。一人になったウリエルは、満月が輝く夜空の下にいた。あの四人と別れてから、しばらく経っている。彼らが今、どのような状況にいるかは、まだ彼女の耳には届いていない。

「……」

 ウリエルは顔を上げる。

 綺麗な夜空を見上げているのではない。彼女が見つめているのは、ほとんど散ってしまった大きな桜の木の枝だ。

 わずかに四枚だけ、生き残っている。

 たった四枚の桜だったが、四枚だからこそ似合っていると思えた。

 しかし、その瞬間。

 大きな風が横から吹いて、ウリエルの白金の髪を揺らす。すると同時に、四枚の桜の内二枚が、とても綺麗に舞い散っていった。 

 残るは二枚。

 先に散っていった二枚の桜は、とても美しい散り様だった。

 最後の二枚は、未だに枝から離れることはない。

 散ることは、ない。

 だがしかし。

 果たして、それはいつまで続く悪あがきなのだろう。

 散ることが宿命といえる桜が、散らないことなどあるはずがない。

 


 今にも終わりそうな桜は。

 いつまで終わらないでいてくれるのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ