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ニワトリ聖獣様の事実がまた明らかになりました。

更新しました〜。次回更新は8月2日です。

ニワトリ聖獣様と、お兄様は馬が合うらしく、話に花が咲いていた。


「聖獣様、私は聖獣様の武勇伝を聞いて、深く尊敬致しました。いわれもない罪を捏造し、婚約者の令嬢を断罪する、そんな男への丸ハゲも、領地の丸焼けも、当然の事だと思います」


切々と聖獣様の行いは正しいと。それをなされた聖獣様は、素晴らしいと身振り手振りで力説しています。尊敬の眼差しにを向けられ、ニワトリ聖獣様の鼻息が荒くなってました。


「そうコケー!婚約破棄はお仕置きコケー!それが分かる兄ーは分かる男コケー」


「私たちの偉大さが分かるコケー!婚約破棄されたら言うコケー!お仕置きしてやるコケー!」


お兄様は強力な協力者を手に入れた様です。お兄様には意中の令嬢がいるのですが、中々いい返事がもらえない、と愚痴をこぼしている、とお母様情報が流れています。


イケメンなお兄様。お父様に似てモテるのですが、恋愛感情のない令嬢に対しては、冷たい対応(本人は思っているが、無自覚で微笑対応が数ある令嬢の心を撃ち抜いている)しているのですが、お兄様の意中の令嬢の事が囁かれると、その令嬢に嫌がらせが続発して、敬遠されたお兄様が、近付くのが困難になっている様です。


ニワトリ聖獣様の言葉を聞いたお兄様は、とても良い笑顔で微笑みます。

どうしてだか、その笑顔を見てるとなんと言うか、遠くない日、お兄様に捕まり、婚約者にされた令嬢の末路が見えそうです。


そう、婚約破棄をすれば、実家の領地が丸焼きに、と脅されたら逃げられないですよね。

お母様へのお父様の執着は知ってますので、その性格も似ているお兄様が逃す訳ありませんよね。


ああ〜!顔も知らない令嬢様、ご愁傷様です。頑張ってください!私には……私には、もう一度言いますが、残念ですが助ける術がないので、ごめんなさい!諦めて溺愛されてください。溺れて死にそうになっても、呼び戻されますので、そうそう死にません。


「聖獣様、ありがたきお言葉痛み入ります。私の意中の令嬢は、謂れなき噂を立てられ、私に遠慮して去ろうとしています。彼女の優しい心根に、私は感動致しました。聖獣様の後押しがあれば、彼女も安心して私に元に嫁いで来てくれるのではと」


そう訴えるお兄様に、聖獣様も羽根をパタパタさせた後、胸を張って応えてくれます


「任せるコケー!婚約破棄は許さないコケー!」


「悪い令嬢の、お仕置きは私に任せるコケー!ひたいに焼印コケー!」


えーと、聖獣様。まだお兄様は婚約までいってないと、お母様に聞いてますが……

言おうとした時、悪寒が走った。……ワタシハヨイコナニモシラナイ。


「偉大な聖獣様に相談して良かった。伯爵家も安泰です。聖獣様に出会えた奇跡に神に感謝を」


祈りを捧げるお兄様。その横で聖獣様が喜んでいた。


「祈りが捧げられた!女王様に褒められるコケー!おおっ!」


「契約者の、血族の祈りは喜ばれるコケー!ぎゃ!」


ニワトリ聖獣様が、突然輝き出しました。眩しいと目を瞑って次に目を開けた時、ニワトリ聖獣様の胸もとに、翼を広げた様な模様がありました。


「おお〜!俺様にも祈りの翼がもらえたコケー!」


「これで皆にもバカにされないコケー!良かったコケー!」


その虹色の光の柱は、屋敷の外に溢れ出て空高く昇って消えたそうです。不思議な力、微かに浄化がおこなわれた聖なる光、気が付いた者は少なかったが、王都中の人たちが珍しい光を見て驚いた、と後から慌てて帰って来たお父様が教えてくれました。


お父様自身は自分の屋敷付近からの光に、ニワトリ聖獣様と私に何かあったのだと思い仕事も放り出して家に駆けつけたそうです。



「ルビィディアたちが心配で帰って来たのだが……何が起こったのかい」


「お父様、聖獣様から光が溢れて、消えた後に聖獣様の胸もとの羽根に模様ができたのです」


「そうです、ルビィディアの言う通りですが、父上……王都中の人に見えたのですか?」


私たちは、光った瞬間は眩しくて目を瞑っていたので知りません。屋敷の中にいる全員が眩しいかったので、私たちと一緒で眩しさに目を瞑っていたそうです。

パニックになった屋敷で、冷静に対処できるお兄様が居ましたので大事に至りませんでした。


「王城にある、私の執務室の窓からも光の柱が見えたよ。驚いたから急いで帰って来たのだが、聖獣様に変化が起こったのか……昔の記録を調べてみないといけないか」


お父様が思案顔で考えていたら、私の足下で話を聞いていたニワトリ聖獣様が教えてくれます。


「調べなくても教えてやるコケー!感謝の祈りをもらえると、これがもらえるコケー!」


「そうコケーよ!すごいわ〜偉いコケー!」


「え?」


「……」


「………」


お父様も、お兄様も、ニワトリ聖獣様の説明に声も出ません。自分たちが知った真実は、途轍もなく大きかったみたいです。


ニワトリ聖獣様は気が付いてませんが、長〜〜い年月誰からも感謝されて無いと、言い切ったと分かって無いニワトリ聖獣様です。

やはり、丸ハゲ、丸焼け、焼印は誰からも喜ばれる事もなく、恐怖だけを作り出していた事実だけが露わになりました。


さっきの、お兄様の感謝の祈りがニワトリ聖獣様に模様を授けたのですが、頭の良いお兄様は自分の祈りがニワトリ聖獣様を喜ばせたと気が付いてますよね?

それに、今まで他の聖獣様にバカにされてたと聞こえました。どれだけ酷かったんですかー!ニワトリ聖獣様!


私は知りませんでしたが、ニワトリ聖獣様の光を浴びた、エディアルド殿下たちが正気にかえり、顔面蒼白になっていました。




ルビィディア「長生きしてるのに、誰にも感謝されなかったの〜聖獣様!頑張る方向間違ってますよー!」


お兄様「失敗は成功のもとだ。聖獣様には結婚の後押しをお願いしなければ」


ルビィディア「お兄様の意中の令嬢様ああああ〜っ!逃げてえええーっ!」


フラン「お嬢様、手遅れでございます。坊っちゃまは、私が知る限り、一度も欲しい物を逃した事はございません」


ルビィディア「……」


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