ニワトリ聖獣様の昔の話を教えられました。
隙間投稿しました〜。
今、私はハイサル大神官様に、聖獣様の正しい取り扱い説明を受けています。
「いいですか、聖獣様は気難しい性質の方が多くいらっしゃいます。扱い方を間違えると、周りに被害が及びます」
懇々と説明を受けてますが、頭の中に入らず 、抜けていきますね。
それに、一言、大神官様が話をするとニワトリ聖獣様の横槍が入る為に中々前に進みません。
「俺たちは素直な聖獣だぜ、コケー」
「契約者の側に居るだけよ、コケー」
素直?ニワトリ聖獣様は素直と言うより、太々しいですよ。側じゃない頭の上!です。
せめて、ひよこなら喜んで手乗りひよことして可愛がるですけど。大きくなると、ニワトリから可愛さは消えるからね〜。
「と、我儘を通される。ルビィディア嬢、心を強く持って冷静に対処をお願いします」
大神官様、ニワトリ聖獣様の話をスルーされましたね。どんな時も判断を誤るな 、と?
いやあ〜っ!無理です。調教師でもない私にニワトリに言う事を聞かせる自信はないですよ〜。
大神官様ー!見捨てないでください。
「大神官のくせに俺たちを疑うのか?コケー」
「聖獣の私たちは、契約者を傷つけない限り、丸焼けにはしないわ!コケー」
足下にいるニワトリ聖獣様が、コケー、コケー、言ってます。運が悪いと丸焼けになる人がいそうです。あああーっ!冷や汗しか出ない!
「ルビィディア嬢、聖獣様はこう言ってますが、実は昔の記録に契約者を侮辱した王家の王子が、頭を丸焼けにされました。命に別状ありませんでしたが、一生髪の毛は生えて来ませんでした」
ぎゃあああああーっ!昔の王族、ぽかやってるよ!毛根死滅!一生ツルピカ!そして、記録に残ってるー。
「……」
「契約者の婚約者が浮気したんだ。ハゲるように呪ってやった、罰を受けるのは当然だ!コケー」
「浮気者には制裁よ!毛根死滅!コケー」
悪役令嬢の定番、婚約破棄に危機が!私の普通ライフに暗雲がかかって来ましたあああーっ、やばい!
「元々政略的な婚約者で、円満破棄の2人に起こった出来事だと記録に残ってます。その所為で、新たな婚約者との間が上手くいかずに、別れたと」
大神官が語る聖獣様の記録は、正確な文書で残ってるですね。大神官様が気の毒にと呟いていることから、当時の契約者は苦労したのが伺えます。
「心の狭い男は契約者に相応しくない!コケー」
「焼け野原を作ったら、もっといい男を王家が探して来たわ!コケー」
八つ当たりの焼け野原を作るくらいだから、別れた男の人も多分無事な筈ないですよね!別の被害者を……婚約者を王家が都合して来たと!
「ルビィディア嬢、焼け野原ができたのは西隣りの国の側です。驚いた隣りの国が、調査団を派遣して原因を調べたそうです。理由を聞いた王家同士で話し合いがあったとか」
このニワトリ聖獣様は、自国ではなく他国も巻き込んでやらかしてますよー!
「……王家で話し合い?」
話し合いになったのですか?一面焼け野原を見て冷静でいられる人がいるのかな、ニワトリ聖獣様の契約者のいる国に恐怖しか感じないと私は思うけど……。
「ルビィディア嬢が、疑問に思うのは不思議ではありませんよ。話し合いと言う名の脅しと取った国が、友好の為に、王子を契約者の婚約者に、と進めて来たと記録に残ってます」
そ、そこの事情まで、書いてあるんですね。ニワトリ聖獣様ろくな事やってないー!
「いい奴だったぞー、俺様を敬い、貢物の唐揚げもくれたぞー、コケー」
「イケメンで、私たちに大きな宝石をプレゼントしてくれたわ、コケー」
ニワトリ聖獣様の話を聞いていると、ある意味、いい性格の王子様だったみたいですね。ニワトリ聖獣様に鳥の唐揚げを差し出すとは!餌付けも上手くしていたようです。
「頭の切れる王子様で、ウロチョロする聖獣様の居所を、把握する魔道具をプレゼントされた、と記録に残ってます」
やっぱり、意味もなく高価なプレゼントはしないよね〜。
「契約者が誘拐されてからは側にいるぞー、コケー」
「2度と失敗しないわ!他の聖獣にバカにされたの、コケー」
ニワトリ聖獣様は、力はあっても他の聖獣様にバカにされるほど、頭の脳みそは少なそうです。
姿は一般的な白い身体に、赤いとさかの普通の見た目のニワトリなのにいいいいーっ!
凶暴ニワトリ聖獣様の弱点書いてありますか?大神官様の話が夕方まで続くと今は知らないルビィディアでした。
ルビィディア「いつまで続くのニワトリ聖獣様の話」
大神官「ルビィディア嬢、知らないと大変困ると思います。最後までお聞きください」
フラン「お嬢様、情報は大事です。いつでも狩れるように準備は必要なのです。美味しく食べるタイミングは大事ですよ」
ルビィディア「ニワトリ聖獣様、何才かしら?年を取ると硬いときくわ」
フラン「大丈夫ですお嬢様。軟らかくする方法は、私が知ってますので心配いりません」
ニワトリ聖獣様「「寒気がする〜!何故だろう?」」




