新しい婚約者に目眩がしそうです。
ぼちぼち更新です。
お父様に、穏やかな暮らしをさせてくれる人をお願いします。と言っておいたので、大丈夫だと思いたい。
いえいえ、 信じたいよ〜!でも、嫌な予感がひしひしと伝わってくる。
平凡で、ふ、つ、う、の人がいいですから。
魂になって、この身体に憑依してから1か月。
婚約解消で、傷付いた心を癒す為に屋敷に篭った事になってました。
実際は、全てを忘れてしまった私に、教育を施していたから。
割と本気で、ガチな戦いが繰り広げられたのは言うまでもない。
普通の一般人が貴族のマナーを直ぐできるか!無理です。何をしても、それダメ〜、これダメ〜の連発!
ついつい乱暴な言葉が出た瞬間、周りの人達がお嬢様が壊れたー!
これもあの殿下の所為だわ!と大騒ぎ。
喋るたび(庶民口長)に、おろおろ、うろうろの、周りの反応に疲れました。
侍女達の、こんなのお嬢様じゃない〜!ありえないわ〜!の連発。
口長を普通に心の中でも気を付けるようにしたんだよ〜。あ!違うしました。少しはマシかなぁ〜。偶に出るのはしょうがないよね〜。
「ルビィディア!お前の婚約者が決まった。喜べ!」
お父様嫌です!素直に喜べません。このお父様、ハイスペックな方です。
伯爵でありながら、有能な領地経営で、国1番の富を誇り紳士であり、イケメンで笑顔が眩しい!
初めて見た時は、口を開けて驚きましたよ。ぽかーんとして、マヌケな顔になったのは仕方ないですよね。
その美貌に誰もがひれ伏す、と巷では言われているそうです。これは、侍女さん情報。
短い間でも、娘に対する愛情が半端ない。この世界のお年頃な娘に抱っこ、キス、頬ずりの3連発。
「お父様、どなたに決まったの?」
そんなに良い笑顔になるなんてどんな人を選んだのですか!
「皇太子だ!エディアルド殿下だ!」
皇太子!いやああああーっやめて!
「はあああーっうそ!!!」
信じたくないわ。そんな人が相手なんて、死んでしまうー!これ以上のマナーレッスンは嫌いだー。
例え身体が覚えていても、使う私はポンコツだよー!
「嘘ではない!将来嫁ぐ相手だよ」
嘘でいいわ!憑依前の世界、日本のお嬢様が皇太子妃なって苦労していたのを見てるのに、一般人の私にできるわけないわー。
「信じられないわ!」
知りたくなかったわ。もっと普通の人が良かった。
「第二王子の事で、迷惑をかけたと気にしていた王に、エディアルド殿下が私の妻にと言われたそうだ。」
冗談じゃない!いきなりレベルMAX王妃様かよ!勘弁して。貴方の娘(現在中身普通)は、恥しかかけないよ!幾ら外見が可愛くとも、中身残念少女の私だよ!無理無理!素が出た私は庶民だよ。は!又、言葉が乱暴に。これで、お母様(この身体の持ち主の母親)と喋った時に倒れられた。しばらく側で泣かれたね。
「無理です!お断りしてください!」
断ってください私には無理です。普通の人にしてください。
「それは出来ない!王様からの縁談だ、諦めなさい」
やばい!王子の婚約者を、辞められたと喜んでたのに!
ラスボスにシフトチェンジなんて最悪!どれだけ運わるいのー。
「……断られるように努力します」
これはもう、嫌われるしかない!頑張って悪役令嬢になれば、婚約も考え直してくれるかも!
ラノベで、読んだ令嬢を真似すれば…ふふふ、私は自由よ!歌の歌詞じゃないけど。
今日は、お父様と一緒に王城へ行きます。挨拶する為です。似非ベルサイユ宮殿並のお城です!
発狂しそう、一般人舐めるな!私は小鳥並の心臓よ、停まっちゃうよ!パニクルと乱暴な喋りになるよね。
「陛下、ガンバード伯爵及び令嬢が参られました」
「うむ、通せ!」
陛下の前まで来ましたが顔をあげられません。この姿勢は辛いわ、だから偉い人と会うのは嫌なのよ。
しばらくしてから、許しを得て顔をあげました。記憶を無くした事になっている為、マナーレッスンさせられました。
くすん、身体は覚えていたけど順番が〜わからない。無知で普通の私〜。
「ガンバード、そなたの娘には気の毒な事をした。記憶がないそうだな」
気の毒と思うなら、今からでもいいから普通の人を紹介して欲しいわ。
「元気を取り戻しただけでも、良いと思っております」
それは感じていたよ。今の両親は嫌いじゃないわ。お父様の私への愛を実感したから。お母様はちょっと怖いけど。
「ルビィディア嬢、大丈夫なのか?」
陛下に話かけられたわ、偉い人と思うと身がすくむ〜。
「お心遣い、ありがとうございます。記憶はありませんが、支障ございません」
なんとか答えられた〜、良かった。丁寧、丁寧。
「それは良かった!紹介しよう、第一皇子エディアルドだ。よろしく頼むよ」
よろしくしたくないです。できれば他の方にしてください。
「何回かは会った事があるね、エディアルドですよろしく。」
別人ですからあった事などないです。爽やかな笑顔だけど、私を妻になんてなんて酔狂な人だよね。
選り取り見取り選べる殿下が、どうして私なんだろう?
「はい殿下、ルビィディア・ガンバードです。よろしくお願いします。」
無事挨拶を済ませましたが、エディアルド殿下の側にはいたくない。
イケメンで、蒼い瞳に長く美しい金髪、頭脳明晰、冴える剣術のパーフェクト人間
王国一モテ男、私の趣味じゃない!!あくまで鑑賞用で絵画並。
つまり見ても、私の頭じゃ理解度ゼロ。何これ?不思議絵画が、私が感じたエディアルド殿下だ!
丁寧口調は辛い!元一般人にはハードル高!もう一度、早くライバル子ちゃん出て来て!
私を助けて!お願い!待ってるよ〜お!