王妃様と地獄のようなお茶会に突入しました。
不定期更新です。
皇太子殿下に連れられて来て今は王妃様の前に座らされています。ダラダラと冷や汗が流れる私は、その内干しイカかにぼしの干物になりそうです。
「ほほほ、このお茶は気に入ってもらえたかしら?」
王妃様の攻撃が始まりました。こんな針の筵で味など分かるはずもないよ!こんな苦行になるのだったらやっぱり無理を言って帰ればよかった!皇太子殿下のバカー!名前忘れたよ!
「ええ、美味しいですわ。」
にっこり笑って無難に答えておきます。王妃様が進めてくれたお茶は緑茶でした。前世で飲んでたのより渋ぶいと言う事しか分かりませんが緊張すると味など飛びますね。後ろの方で控えているフランさんが、目でお嬢様それで良いのです。と言われている様に感じます。
「まあまあ!味が分かるなんて素敵ですわ。誰もこの味を分かってくれませんでしたのよ!」
え?王妃様が感激しています。まさか!渋いので誰も美味しいと御世辞さえも言ってないのですか!渋いと表情に出たんですね。珍しいですね繕うのが上手い令嬢達がそんな失敗をするとは?いやいや、私!王妃様仲良くなどしたくないですから、そんな目で見ないでください!なんだか嫌な方向に話が行きそうです。
「母上、良かったですね。私が選んだ人がお茶好きで母上と趣味も合いそうです。」
なんて方向に話を振っているんですか!迷惑ですよ、この腹黒皇太子!貴方が選んだとは絶対嘘ですね。仕方なくが入ってませんよ!
「そんな事ありませんわ、味を知らないから見つけられないだけだと思いますわ。王妃様のお茶会には中々呼んでもらえない方が多いですので、今度沢山の令嬢に味を知ってもらったら良いと思いますわ。」
皇太子殿下を好きなら、きっとお茶くらい褒めてくれると断言します。令嬢のハイエナ並の闘志には私の方が叶いませんから、お茶好きになって王妃様も落としてください。
「そうね、今度お茶会を開いてみようかしら?エディアルドも参加してちょうだい。」
いい考えが閃きましたと王妃様が嬉しそうな顔でお茶会を決めました。皇太子殿下も強制参加のようです。できれば私は不参加になりたいです。
「分かりました母上お茶会に参加します。ルビィディア君も一緒に参加してくれるだろう?」
私は出たくない!この腹黒と一緒にでは休まる時がないわ。この猫かぶりめ!
「ほほほ、私がいては皆さんが本当の味に触れる事が出来ませんのでご遠慮いたしますわ。」
これ以上胃が痛くなるお茶会に行きたくないわ。お父様と一緒の時だけにしたいですわ。
「まあ、残念だわ。またお茶しましょうね。楽しみにしているわ。」
大勢のお茶会参加は免れました。やったね私!後で呼ばれる茶会にはひとりで参加は怖いですので、またお父様に頼もうと思います。




