新たな乱入者に拐われました。
不定期更新です。
私は今悪役令嬢を演じています。バサバサ扇子を振りながら斜め横から令嬢達を見ています。割と難しいのよね〜。見破られないといいけど青ざめている令嬢達が、言葉も出ず俯いています。これくらいやれば私の悪役令嬢も疑われないわよね。
「申し訳ありません。ご挨拶しなければなりませんでしたのに私の落ち度ですわ。」
青ざめたまま言い訳をしていますが、聞く気はない私は早く帰るための手段にさせて頂きます。
「では、正式に謝罪なさると言われますの?もう、話など聞きたくありませんわ。」
こう言う時は言葉を遮って何も言わせないのが定番よね。
「ルビィディア様!お許しにならないと!」
許したら悪役には慣れないでしょう?早く殿下に嫌われたいのに優しい人だと思われたらやばいよね。
「ふふ、侮辱されたのですもの。お暇致しますわ、もう私を招待などなさらないでください。」
扇で口元を隠しながら微笑めば、青ざめた令嬢達の顔が見えるけど自分の方が大事だもの。
これでこの嫌な場所から帰る事が出来るわ。やったね私!きつく睨む人達の中にいると、これ以上は心臓も気力も持ちそうにないから帰るわ。
「ルビィディア様!お待ちください!」
主催者である令嬢が帰らないでと言うけれど、これ以上身もない話に付き合うのは遠慮したい!ほほほほと笑いながら急ぎ足で帰ろうとしていたら新たな乱入者がやってきました。
「ルビィディア嬢迎えに来ましたよ。」
慌てる令嬢達を完全に無視して私の方に歩いて来ます。どうして皇太子殿下がここに⁈余計な事しないで!私の気持ちも虚しく、殿下に連れられて王城に有無を言わせず連れて行かれました。
「どうして殿下がお茶会に?迎えなど頼んでいませんわ。」
乗せられた馬車の中で不満を漏らせば殿下が反論してきました。全くこの男お腹の中真っ黒だよね〜。隠しても滲み出る黒いオーラ、令嬢達はどこを見たらこの男を好きにできると思うのだろう?私なんて見ただけで速攻無理だと思ったのに。もし結婚するなら、やっぱり普通な普メンの方が私に似合っているし好みよね〜。
「貴女の身に何かあれば私の落ち度になります。傷付いて欲しくないですから。」
あーっ!お父様対策?何をしたの?お父様!皇太子直々助けに来るとはよっぽ怖いのね!伯爵なお父様が、どうしたら王家に警戒されてるの?お父様は黒くないよね!…私の勘違いよね。
「彼女達が悪いのです。皇太子の所為ではありませんわ。」
ツンツンしながら弁明しました。仲良くなどなりたくないです。性格の良い人求む!腹黒よ去れ!ドナドナな気持ちはになりながら王城に到着しました。
「ルビィディア嬢、母上が貴方に会いたいとお願いされましたので行きましょう。」
行きたくない!行きたくないよ!どうしてこうグレードアップするの!会いたくない人に強制的に会うなんて、私って運がないよ!皇太子は疫病神だよね〜。お父様〜早く助けに来てください。娘のピンチです。




