第4話 奴は今日もうざい
あれから班決めの日から一週間がたった、私はあの日から熱海晴翔にからかわれる日々が続いた…
私がいつものように休み時間に寝たふりをしていると奴はやって来て…
「よう氷鷹!ってまた寝たふりかよー本当に友達いねぇんだなーww」
実に鬱陶しい
言ってくることは大体友達がいないということばかり、私もソレ以外にからかうことは無いのかよ!とイライラするを通り越して呆れてしまうほどだった
この年がら年中イライラ気味の私がからかわれて呆れる日が来るとは…逆にコイツはスゴイと思った
そしてまたある日も…
「よう氷鷹!今日も友達いねぇな!」
またこれだ、お願いだから爽やかな笑顔をしながらクラスの皆に聞こえるようにデカイ声で話しかけないで欲しいものだ
まぁ“皆に聞こえるように”が彼にとってはポイントなんだろうけど。
彼は今日とて友達がいないことをからかうのでした、そのたびに私は全部スルーしました
大体からかう人はからかった人の反応が面白いからからかうんでしょ?
なら無反応で無愛想に無視すればいいじゃないか、そしたら相手もつまらなくなりからかうことを止めてしまうのでは?
なのに何故だ…彼はめげずに私を毎日からかう
そんなに私にこだわる理由はなんだろうか?
友達がいないからからかいやすいだけ?
私にこだわる理由が見つかりません
そう言えば…熱海は私以外にからかってる人はいるのか?
今思えば私以外に心当たりがない…
「まさか…」
私が考えたまさかの可能性の正体を察した人は少なからずいるでしょう
そのわずかな可能性が大きな“確信”に変わる日はそう遠くないでしょう…
「なぁなぁ氷鷹ー」
私の斜め前の席に奴は座った
私は視線だけを奴の方に傾けた、嫌な感じはしていた
「あ、お前じゃないからね?俺は隣の南栄ヶ丘中の氷鷹さんのことを呼んだんだよ?」
相変わらずうざい、だが今日は友達以外のことだったのでシンプルにムカつきました。
私は視線を奴から黒板の上の時計に移し、今の会話がなかったようにふてぶてしく頬に手をついた
「ねぇまたそうやって聞いてないふりしないでよ」
奴のことをチラッと見た、奴はとっても不機嫌そうな顔をしていた
フッこれ以上私のことをからかっても意味はない、君は友達と仲良くお手てでも繋いでればいいさ(笑)
「はぁ…もういい、無視ばっかしてつまんね」
奴は諦めて私の下を去った
なんだか勝ち誇った気分だ!
今日はさっきの出来事のお陰で熱海にからかわれなかった
ちなみに余談だが「南栄ヶ丘中」とは私が通う「下栄ヶ丘中学校」の姉妹校みたいな中学校です
我が下栄ヶ丘中学校略して下中は南栄ヶ丘中学校略して南中から分裂して出来たのです、そのせいか分からないがお互いの校舎からお互いの中学校が見えるのです
私が所属する吹奏楽部はよく南中の吹奏楽部と合同練習をします、なんてたって徒歩5分未満で南中に着きますから(笑)