第1話 はるうらら
桜舞い散る春―――
来てほしくなかった新学期が来てしまった…
私はこの春で中2になる、中2でもなれば少なからず受験の話が入ってくる、とにかく受験というものが今からとても憂鬱なのである、私はとてもバカだからな…だってオール3を取るのでやっとだもん…あーあ、全部の授業が美術や音楽だったらいいのに~
話は変わって今日のことについて戻ろう
えーと、まず部活の朝練があるからこれは絶対に行かなくちゃだね
なんてたって今日は入学式で演奏なんですから!
新入部員を集めねば!
よし、時間ももう危ういしそろそろ部活に向かいましょう
まだ眠い目をこすり私は制服来てまだあまり人いない学校に登校した
「おはようございます!」
部活についた私は元気に部員の皆に挨拶した
「慰雨ちゃんおはよー、パーカスのあき先輩とシオちゃんが元1年2組の空き教室で練習してたよー」
「教えてくれてありがとう、じゃあ元1年2組の教室に行って来るね」
「頑張ってね!あ、確か先生が練習時間終了ギリギリまでビッチリ練習していいって言ってたよー」
「マジで?やったー!おもいっきり練習できるわー!じゃあまたあとでね!」
「またあとで!」
さて、練習場所に急ぎましょっと
でもその前に一応先生にいつまで練習していいか確認しないとね
「失礼しまーす」
とりあえず職員室に来てみた
「あら慰雨ちゃんどうしたの?」
ちょうど吹部の顧問がいた
「先生、練習時間終了のギリギリまで練習していいときいたのですが…」
「そのこと大丈夫よ慰雨ちゃん、練習時間なら気にしないで!時間になったら私が呼びに行ってあげるわ!」
「ありがとうございます!」
うん、実に嬉しいことだけどめっちゃ不安…だってうちの顧問…忘れんぼうだしその上全てにおいてルーズだからなぁ…
ため息がこぼれた
「あき先輩!シオ!おはよ~!」
私は元気よく教室に入った
「慰雨おはよ~」
「慰雨ちゃんおはよー元気いいねー」
「はい先輩っ!なんたって今日は入学式がありますから!」
「そうだよね!新入部員をガッツリ取りましょう!」
「はい!頑張りましょう先輩!」
はぁ…ここだけだよ、こんな風に普通にやりとりできて自分の裏までさらけ出すことが出来るのは…
一年の時のクラスは三学期になってからはクラスの友達から距離をおかれはじめだからな…皆に嫌われちゃったのかな?まぁ私はどうせ父親似の嫌われ者ですよーだ!
だから私はもう吹部だけが学校の楽しみなの
吹部の皆は仲良くしてくれるし優しくていつでも私の見方だから!
今年のクラスはいい人がたくさんいますように!!
「慰雨ちゃん、ちょっとテンポ180でスティックを叩いてくれない?」
「えっ!?いきなりテンポ180ですかっ!?ちょっとキツイですよ…」
「テンポ180って言っても四分音符なんだけど…」
「うーん…四分音符でもキツイですがとりあえず頑張りますね!」
「ありがとう」
「てゆーかなんでいきなりテンポ180なんですか?」
「あら、忘れちゃったの?入学式の退場曲はテンポ180だったでしょ?」
「そうでした、思い出しましたよ先輩のドラム楽しみしてますよ!」
「先輩!私も何か手伝いますよ!」
「じゃあシオちゃんは私が暗譜できてるかこの楽譜を見ながら確認してもらえるかしら?」
「了解です!」
「では先輩、私は叩いているので先輩のタイミングでドラムを叩いて下さい」
「は~い」
こうして私達は20分くらい練習を続けていた
「先輩、なんか廊下が騒がしくなって来ましたね」
「そうね、今は8時30分か…もう普通の生徒がいてもおかしくない時間だわ」
「ていうかもう時間ヤバくないですか!?」
その時ガラッと教室のドア開いた
「パーカス!何やってるの!?もう皆とっくに練習やめて自分のクラスに行ってるよ!私もう行っちゃうから、じゃねっ」
「嘘でしょぉぉぉぉおおおおぉぉっ!?」
私のこの叫び声はきっと学校中に響き渡っただろう
「慰雨ちゃん叫んでる暇ないよ!第1音楽室に置いてきたバック取りにいかないと!!」
「そうだよ!ダッシュダッシュ!!」
「だね!急ごう!」
ヤバいヤバいっ!!
このままだと新学期そうそう遅刻しちゃう!
「先輩!大変です!音楽室鍵閉まってます!」
「シオちゃん本当に!?」
「先輩私鍵取りにいってきますね!」
「慰雨ちゃんありがとう!」
クソ…なんでこうなんだよ!とにかく走れ!
「いたっ!」
もうこんな時にぶつかるなんて…誰だよぶつかってきたのはっ!?