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妹と俺が入れ替わった  作者: どんどこどん
第一章◇入れ替わり
4/10

色々な困難

 俺は咲を説得して、一回だけチャンスをもらった。

 だが。


「言っただろ?一人じゃ無理だって」


 時間は後小一時間でお昼時。

 俺の家では異臭が漂っていた。

 俺の作ったフレンチトースト黒バージョン・・・焦げたフレンチトーストを見て、今までの俺のような対応する咲。

 仕方ないだろ・・・。なんか分かんないけど火とか刃物が無性に怖いんだよ。

 料理が出来ない、そして妹として扱われることに、俺は歯をくいしばる。

 すると、俺の頭に咲の手がポンと置かれた。


「やっぱり一緒に作るか」


「い、いやちょっと待て!」


 頭に乗せられた咲の手を払って、俺は咲と向かい合う。

 だってさ。自分より体の大きな妹に覆い被さられるようにしながら、一緒に料理って嫌だろ。

 あ、でも今入れ替わってるのか?だったら他人から見たら普通なのか?

 いや、いや。違う。そんなことは嫌だ。


「どうした?何かあったのか?」


「何かあったも何も、まず、その喋り方止めろ!俺がおかしいみたいに思えてくる・・・」


「じゃあ、一時だけ。そう言えば」


 ふと思い出した。と言うように、咲が俺に訪ねる。


「お兄ちゃん、トイレ行った?」


「──────っ!」


 それは・・・答えはNOだ。

 だけど、妹の体でトイレに行くなんてそんなの・・・。


「お兄ちゃん。いつも私は最小限しか水分とってないからまだ大丈夫かもしれないけど、漏らさないでね?」


「うるさい!行ってくる!」


 俺は乱暴に───ならなかったが───ドアを閉め、トイレに入る。

 はい。そうです。ずうぅぅっと、我慢してました。気合いで我慢してました。

 ・・・。

 幾秒の葛藤後、俺はトイレに座った。

 勿論、下は脱いでいる。

 南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏・・・。

 俺は意味のない念仏を唱えながら、した。

 喪失感と解放感に満ちた、それの後、どこかで知った知識でトイレットペーパーを使ってちゃんと拭きました。

 なんか変な感じがしたが、気のせいだろう。


 俺は手を洗って、正面の鏡を見た。

 そこには、赤くなった咲が写っていた。

 俺はその鏡の中の咲に呟く。


「見てないから、安心しろ」


 言った後で、鏡の中の咲が赤くなった。

 俺には関係ない。

 ・・・たぶん・・・。



 ◇ ◇ ◇



「お兄ちゃん。変なことしなかった?」


「してねぇよ!」


 若干顔を洗って熱を下げた顔が、再び赤くなる。


「いいと思うよ。しても」


「は?」


「それは、お兄ちゃんの体なんだから。お兄ちゃんが何をしようと自由だよ」


「さ、咲?」


 すると、咲は笑いだした。

 けっこう大声で、わざとか何か、笑いだした。


「今、何想像した?」


「っ!?」


「お兄ちゃん。さっきも言ったけど、その体で何をしようとお兄ちゃんの自由だよ?」


 咲は正面から、前屈みで、俺に軽くだけ体重を任せて俺の肩に顎をのせた。

 あ、違う。咲の体の、肩だ。

 その距離は片方が向きを変えただけでキスをできる距離で、吐息も聞くことができる。

 俺の体と咲の体が正面から、抱き合う形になっていた。


「っ・・・」


 この状況に、俺の鼓動が早く、高鳴る。

 いや、咲の体の鼓動がだ。

 まるで、咲に聞こえてるんじゃないかってくらい、鼓動が鳴り響く。

 どうして、こんなに胸が高鳴るんだよ・・・。


「なーんて。冗談」


 咲は俺の左頬に軽くキスをして、俺から離れた。


「咲?あまり毎日は体に毒だぞ?」


「何がだ!」


「分からないか・・・咲はまだまだ子供だな」


 どこか、分からないが何かがカチンときた。


「うるさい!そんなこと、一回だってするわけないだろ!」


「へぇ・・・何を?」


 咲はまた、本日何回目だよ!と言いたくなるニヤニヤした笑みを浮かべた。


「そ、それは・・・」


 じーっとこちらを見つめる咲に俺は思わず目をそらす。

 楽しそうなその瞳と、何故か無性にカッとなって我を忘れていたことに、目を背けたかったからだ。


「そ、それより。料理はどうなったんだ?」


 聞いてから俺は後悔する。

 墓穴掘った。


「そうか、そんなに『一緒に』作りたいのか」


「あ、いや・・・」


「ほら、エプロン」


「おい、これ咲のだろ!」


「何か問題あるか?」


 咲は『俺の』エプロンを結びながら、涼しい顔で答える。

 確かに周りから見れば問題ない。

 でも、俺には大問題なんだよ・・・。


「よし、作るぞ」


 咲の一言で『一緒に』料理が再開された。



 ◇ ◇ ◇



「・・・」


「ほら、手が止まってるぞ」


 今、俺は例によって咲に被さるようにされながら、料理をしていた。

 そして、気づいた。

 恥ずかしい!恥ずかしすぎる!

 だって妹にこんなことされてるんだ。

 恥ずかしいに決まってる。絶対に恥ずかしい。

 現に今。恥ずかしい。

 しかも。


「咲?『いつも』してるのにどうかした?」


「───っ!」


 咲の言葉に、ただでさえ赤くなっていた頬がさらに赤くなる。

 声色でわかる。こいつ絶対楽しんでる。


「咲!お前いい加減に───」


「静かに」


「・・・?」


 咲の真面目な声の制止に、俺は思わず黙る。

 すると、刹那の間の後に、部屋の扉が開いた。


「おはよ~お二人さーん」


 そして、叔母さんが入ってきた。

 ◇ ◇ ◇


 妹ちゃんはドSだね・・・。


咲「そんなこと、ない」


健介「いや、ドSだ」


 ドSだよ。


咲「・・・そんなことより、プロフィール」


健介「さ、咲っ!?」


 そうだね。そうしよう。


健介「・・・もう好きにしろ」


 好きにします。


 じゃ、まずは・・・健介君。


健介「え?俺?」


 とは言っても、体は健介君ね。


健介「・・・入れ替わってるのが普通なのかよ・・・」


咲「早く」


 はいはい。


 ■伊藤健介■

 いとうけんすけ

  身長◇179㎝

  体重◇67㎏

  髪◇黒色

  好きなもの◇スイーツ全般。特にドーナツ

  嫌いなもの◇父親・魚介類

  詳細◇基本的に優しい。成績も上位。運動神経もいい。顔もいい。完璧な男と言える。だが、ある過去のせいで妹に過保護になってしまっている。それが難点とも言える・・・のかもしれない。ちなみに、彼女がいる。


 と、ネタバレ避けるには、これくらいかな?


健介「適当だな・・・」


咲「それ、この前も言った」


 ・・・次回から、死ぬ気で書く!


健介「分かりにくいな・・・」

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