表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

一文字物語

作者: 長野晃輝

 電車の中で本を拾った。

 誰かの忘れ物だろう。


 文庫本で、カバーは取られていて、味気のないのかあるのかよくわからない表紙がむき出しにされていた。

 その表紙に隠れるように小さくタイトルがある。


 本は長年読み込まれたようだった。

 表紙は少し型がついており、中のページにはところどころ織り目があった。


 ざっと本文を読んでみたが、本文に何かしらの印はない。持ち主の拘りなのだろうか。


 私にとってこの本はただの文庫本に過ぎない。

 しかし、落とし主にとってはこの本がどれだけ大事なものなのか想像もできない。


 手の中の文庫本がやけに重たく感じられた。

 これが持ち主の手に帰ることを願いながら、駅員に届けた。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ