その3 お兄さんの呟き
超短編程度で書きました。
長男さん、変態ですね。
勢いで書いてしまったことに少し後悔してます。
お暇つぶし程度にお読み下さい。
僕の妹は可愛い。可愛くて可愛くて仕方がない。
世の中の人はこれをシスコンと言うだろう。
そう、僕はシスコンだ。逆にシスコンで何が悪い。
僕にとって妹は天使のよう。
妹さえいれば後はどうでもいい。
それくらい僕は、妹――ニトラが可愛くて仕方がないんだ。
それにあんな暑苦しい男ばかりの中にこんな華麗で可愛い妹がいれば誰だってメロメロになるに違いない。本当はずっと一緒にいたいくらいだけど、仕事の立場上それは無理だから家に帰ったときにすごい可愛がってあげよう。
そんなある日、お弁当を忘れてきた事に気が付いた僕はお昼の前の休憩時間に取りに行こうと思っていた。ほとんどの皆が食堂で食べる中、僕はまだお母さんの手作りのお弁当を食べている。
その方が安上がりだし、美味しいから。
そのうちニトラが作ってくれたりなんか……想像するだけで、嬉しくなる。
まぁそんな恥ずかしいこと、ニトラがやってくれるわけがないけどね。
あぁ、妄想って素晴らしい。
「お兄ちゃん、お弁当持ってきたよ」
僕の執務室に可愛らしい声が響いた。どうやら、ニトラがお弁当を持ってきてくれたらしい。何て可愛い妹だ僕のためにお弁当を届けてくれるなんて、抱きしめようとしたけどするりと逃げられた。
もうお年頃なのか、最近僕に構ってくれない。寂しい、いや、本当に寂しい。
それからお腹が空いていた僕は、急いでニトラが持ってきてくれたお弁当にありついた。隣でちょこんと腰をかけるニトラが愛しい。
お弁当はちょっと形が崩れていたけどさほど気になることではない。淡々と口に運び、よく噛んでから水で流し込む。
不安そうなニトラに微笑みかけ頭を撫でた後、羨ましそうに僕のことを見ているので、おかずを摘みニトラに差し出した。
すると恥ずかしながらも口に運ぶニトラが可愛くて、思わずにやけてしまった。