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「ここで募集していたお便りを紹介します。魔王城は天守閣とのことですが――――」


「え!? 洋風の城じゃないのか!?」


「時間が止まってるからな、今風に建て直すことが出来なかったんだ。続きを読むぞ――天守閣とのことですが、アダムが魔王に就任したのはいつですか? 教えてください――とのことだ」


「文章に脈略がまったくないが質問に答えよう。私は生まれた時から魔王である」


「――というのは冗談で、魔王就任は10年前とのことだ。ちなみに魔王城の時間が停止したのは100年前なので、魔王城に地下牢があることも知らなかった。事件とは完全に無関係だ」


「……何の話をしてるんだ?」


「ヘイト管理だよ。一緒に旅をした仲だからな」


「そうか恩に着る。それと、言われた通り魔王城周辺の住人の避難を急がせてるが、いったい何が始まるんだ?」


「第三次世界大戦だ」


「これから空手の稽古があるんだ、悪いけど付き合えない」


「今日はやす――――」


 音も無く、白い閃光が空を駆ける。

 遠方でそびえ立つは、暴力と怒りが込められた光の柱。神の目論見を破壊することを目的とした再会の狼煙である。




「――バカな……早すぎる……! 一度は言ってみたかったセリフだが――ちょっと待てよ! B子はまだ魔王城に到達してないぞ!?」


「間に合わなかったというわけか……」


「取って付けたような私の役目も終わっちゃったんですか?」


「……喜んでくれるか分からないが、猫耳が生えて獣人になったB子は動物と会話が出来る! ……それで許してくれないか?」


「――ッ!? ついて来て良かった――!!」


「……これから忙しくなるな。魔王城復興編スタートか」


「いや、ここで終わりだぞ。第二部は無い。確かに復興作業とか正式な魔王との謁見イベントが控えているが、不幸自慢を書きなぐるつもりも代り映えしない日記を書き続けるつもりもない」


「いや、何も起きないはずがなかろう。まさか平穏な日々を送れると思っているのか?」


「これからも大事件が起きるに決まってるだろ。だけどな――その物語は俺たちの心の中に秘めておこう」


「……絶対だいじょうだよ、私たちの戦いはこれからだエンドというわけか」


「いいや、寝る前に物語の続きを考えてたせいでしばらく寝不足エンドだ。ちょっと休ませてもらえるか、少し休めば、また……がんばれるから」


「そうか……良い夢を――――夢と言えば、隣町の道具屋に立ち寄ったら魔王に任命され、破壊されたらしい魔王城の修復の指揮を執らされることになったのだが、これは悪い夢か……?」

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