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「そういえば薬草採取と言ってたが、それは見たら分かる物なのか?」
「ああ、調べるコマンドを使えば一発だ」
「……知らないということか」
「だってよ、薬草と聞けば真っ先に思い浮かぶのはハーブとかで、日本原産ってわけでもないだろう? 漢方薬とかも違うだろうし……ああ、七草粥とかか。食ったことないけど」
「日本でも古来からのハーブティーがあるだろう、どくだみ茶がな」
「飲んだことねえや」
「私は葉の臭いだけでお腹いっぱいだ」
「抜いても抜いても生えてくる。根絶やしにしてえ。俺に力があれば……!!」
「力が欲しいか……? 草刈りには適応されないが」
「それを無力って言うんだ。……調べた感じだと後は大葉とか山椒か。山椒って木なのかよ、知らなかったわ」
「そういえば、ホームセンターに山椒の木が売ってるのを見たことがあるぞ。育ててみるのも一興か」
「身近な薬草って、考えてみれば山菜のイメージが強いか?」
「つまり、薬草採取とか言ってるが実態は山に山菜採りに来たじいさんってことか。玄人だからと油断して遭難はするなよ、今年は熊も多いみたいだしな」
「現実的な注意喚起ありがとよ」




