大雨の姉と母
頑張って書きました
”私”が姉を殺した時も、こんな大雨の日だった。
あの、セミが五月蠅いはずだった日、大雨警報で私の中学校が休んだ日、私と姉はどちらが母と父の家に行くか、話していた。
父の祖父母は、資産家であり、父の家に行けば問題なく私は高校に行けるし、姉がいけば大学に行ける。だが、母の家に行けば、私は貧乏になって、高校にも行けない。
傲慢で嫉妬深い姉はそれを許さないだろう。だが父の望みだと、”私”に来てほしいらしい。そんな姉が私を殺そうとした、大雨の日、
「・・・・・・・」
私を無言で呼び、雨でずぶずぶになった土がある裏山に連れて行った。その大雨は、どんな血でも洗い流すだろう。
「なっ!?」
私はふと後ろを振り返ると、姉がでかい石を両手で持ち、私の頭にその石を落とそうとしていた。私はその石を持っていた腕の袖を掴み、姉に押し返す。
「───」
姉の持っていた石が、姉の両手から、すっぽりと離され、姉の頭に落ちて・・・そのあとはあまり覚えていない。
「なんで、なんでこの姉のせいで」
私は必至になって、土を掘り始めた。
手が血でいっぱいになるほどに、
「・・・これでいい、悪いのは”姉”だ」
私その大雨の日の裏山で、ずぶずぶになった土を掘りだし、姉の遺体を底に埋めた。
誰も知らない場所だから、誰も力寄らない場所だから、誰もこないはずだと私は思い、その場を後にした。
あれからずいぶん経った。
私の人生は、まごうことなき勝ち組だっただろう。
【なんで、ワタシをころしたの?】
父の家から多額の出資金を得て、私は自由に過ごさせてもらっている。
母のことはわからない、姉がいなくなった日、母は失踪してしまったからだ。
【あなたもシんでよ?】
うるさいッ!
【なんでシなないの?」
姉は私に纏いつき、離れようとしない。
いつもきまって大雨の日に、私の耳元で「死んでくれ」とか囁いてくる。
【しんでよ!!!】
姉を殺したのは私だが、殺そうとしたのは姉の方だ。
だが、これ以上は耐えられない───
私はある階段が二十段ある、超有名のお払いの神社に行った。
その日も、大雨の日だった。
「あなたには、殺した相手がいますね?」
私の背後に姉がいることを、神社の神主さんは気づいていた。
そのことをわかっている神主さんは、
「──あなたにお祓いをすることはできますが・・・・あなたの”お姉さん”は、離れませんよ」
離れない・・・その言葉に私はいらいらし始めた。
嫉妬深い姉が、私を逃がさないことは知っていたが、まさかここまで来るとは思わなかった。
私はそれでもいいと、神主さんに言った。神主さんはそれに頷き、私にある塩をかけて、お祓いを開始した。
お祓いが終わった直後に、私は大雨が止んでいることに気づいた。
大雨はやはり、私の姉が起こしていたのだろう。
──次の日も、大雨は降らなかった。
しかし、一か月後の私の誕生日一週間前、
「・・・・・」
私の姉と母が私の目の前にいた。
読んでくださりありがとうございます!!!