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俺の正体は知らなくていい  作者: とととくール
9/19

ギルドの二人と森に行こう

この作品は私の再発したあの病気をAIに補完してもらって作成しているため、アイデアは考えてますが7~8割の文章がAI産です。

以上を踏まえた上で、どなたでも読んで頂き、感想を頂ければ喜びます。



 ギルドの扉を押すと、夕闇が差し込む窓から灯りがぼんやりと床を照らしていた。昼間の喧騒は去り、今は落ち着いた空気が流れている。

 俺はエリシアさんを見つけて、すぐに声をかけた。


「エリシアさん、報告があるんだけど……!」

「クオン君?」

 受付の奥から、少し驚いたようにエリシアが顔を上げた。

「何かあったの?」

「うん。森の依頼で、ちょっと変なことがあって……スライムの動きが妙だったし、魔核も、なんか変な感じがしたんだ」

 肩の上では、シェイドがぴくりと耳を動かし、じっと受付の向こうを見ている。まるで空気の変化を読んでいるみたいに、目を細めていた。

 エリシアの表情が引き締まり、記録用紙を手に取ったそのとき――


「それ、魔核の異常現象かもしれないわ。……ねえ、その話、もう少し詳しく聞かせてくれる?」

背後から落ち着いた声がして、俺が振り返ると――見覚えのある女性が立っていた。

(あ、たしか、数日前にギルド前で話しかけてきた……)

「……あれ、君って……前に、声かけてきた人だよね?」

 俺は少し戸惑いながら、その女性の顔を見つめる。


「ふふ、ええ。私も覚えてるわよ、クオン君、でしょ?」

 俺が驚いて目を瞬かせると、彼女は軽く微笑んで続けた。

「私はセラ。ギルド所属の鑑定士よ。それに今日は、調査担当として来てるの」

「……セラさんか……」

 俺が名前を繰り返すと、肩の上でシェイドが小さく鼻を鳴らした。その仕草には、どこか警戒心のようなものが滲んでいる。……いや、もしかして、観察してる?

 

セラの背後から、ぱたぱたと足音が近づいてきたかと思うとひときわ明るい声が飛んできた。

「おー、いたいたっ! セラ~、またひとりで先行っちゃって~! あれ? もしかして、その子が……クオン君かな?」

 金色の髪をツインテールに結んだ少女――ティリスが、にこにこと笑いながら俺に近づいてくる。

「うん、間違いない! 改めて、あたしはティリス! 回復術師やってるよ! ……っていっても、そんなカタい役職って感じじゃないけどねっ!」

 彼女は元気いっぱいに手を振りながら、勢いよく自己紹介を続ける。


「今日からあたしが面倒みてあげるっ! よろしくね~!」

「め、面倒見るって……どういうこと?」

 ぽかんとした俺の耳元で、シェイドが「ぷしゅ」と短く鳴いた。どこか呆れてるような、でも面白がっているような……複雑な鳴き声だった。


「ティリス。初対面で詰め寄るの、やめたほうがいいわよ? ……クオン君、ちょっと怯えてるもの」

「え~? だって、かわいくてつい!」

「……そういうのは、落ち着いてからにしてね」

 セラが苦笑混じりに言いながら、視線をエリシアに戻す。


「この子が報告してくれた異常って、あの件と一致してる可能性があるわね?」

「はい。森の魔力バランスの乱れと、魔核の挙動に関する調査依頼です。クオン君が現場にいたなら、同行者として適任でしょう」

「そうね……実際に見たなら、証言の裏づけになるし」

 そう言って、セラがこちらを向いた。さっきよりも少し柔らかい声だった。


「ねえクオン君、これからあの森を案内してくれないかな? あたしたちがちゃんとついていくから、安心して?」

「えっ、また森に……? でももう、暗くなってきてるし……」

「へっちゃらでしょ? 冒険者なんだしっ!」

 ティリスが元気いっぱいに言うけれど、俺は思わず反論する。


「この前も変なの出たし……ノリで行くような話じゃないし……」

 肩のシェイドがくいっと俺の耳を引っぱるようにして反応する。……おい、言わなくても分かってるってば!二人の実力的には大丈夫そうだとはいえ、糸の事もあるしね……

「ん~? あたしたちがいるって言ってるのに〜?」

 ティリスがぷくっと頬を膨らませる。が、そんな様子を見ていたエリシアさんが口を挟んだ。


「ふたりとも、ストップ。クオン君はまだ新人だし、保護者の確認も必要なのよ。森に行くのは、明日にしなさい」

「ええ……まぁ、それが妥当ね。夜の出発はリスクが低い訳ではないしね」

 セラが静かにうなずくと、ティリスも「しょーがないなー」と肩をすくめた。

 俺はほっと胸をなで下ろす。


「……よかった。じゃあ、明日の朝に集合ってことでいい?」

「うん、正門前に。寝坊はダメよ?」

 セラがくすっと笑って言う。その笑顔はほんの一瞬だったけど――どこか安心できるものだった。


(なんだか、流れで明日もう一回あの森に行くことになっちゃった。セラさんとティリスさん、ちょっとクセは強いけど……まあ、大丈夫、かな?)

 俺が考えていると、足元の影がふるりと揺れた。すぐにシェイドがするりと姿を現し、ふにゃっとした顔で俺を見上げてくる。耳をぴくぴくと動かしながら、しっぽをのんびり振っていた。


「……シェイド、なんだその顔。心配してくれてるのか?」

 問いかけると、シェイドはぴょんと跳ねて俺の肩に飛び乗り、すり寄るようにほっぺたに鼻先を押しつけてきた。まるで「気をつけろよ」とでも言いたげに――。

 あいかわらず言葉は通じないけど、そういうときのシェイドの反応は、なんとなくわかる気がする。

俺はそっと頬を撫でて、シェイドの体温を感じた。

「……うん。わかってる。明日は――俺も、ちゃんと向き合うよ」

肩の上で、シェイドが小さく鳴いた。その音は、まるで小さな相槌のようだった。



 ギルドを出て、俺はゆっくりと街の灯りの中を歩いた。

まだ少し胸の奥が落ち着かないけれど、とにかく報告は済んだし、明日にはまた森へ向かうことが決まった。

 エルダさんの家に戻ると、ちょうど夕食の準備が終わっていたらしく、香ばしいシチューの匂いが部屋に漂っていた。


「おかえり、クオン。少し遅かったのう。……ギルドで何かあったのか?」

「ただいま。うん……ちょっとだけね。いろいろあってさ、調査に同行することになったんだ。森で、変な魔核を見つけたって話はしたでしょ?」

「ふむ……まさか、それが何かの引き金になっとるのか」

 エルダさんは湯気の立つスープ皿をテーブルに並べながら、眉をひそめた。

「ん、ありがと。……いただきます」

肩に乗っていたシェイドが「ぷしゅ」と小さく鳴き、ふにゃっとあくびをして、俺の髪に顔をすり寄せる。何か、言いたそうだ。


「……それで、明日一緒に行くことになったんだ。セラさんとティリスさんって人が一緒。俺ひとりじゃないから、大丈夫だよ」

 俺は笑ってそう言ったけど、エルダさんの表情はどこか渋いままだった。

「……ほう、あの鑑定士の娘に、あの回復術士か。……なるほどのう」

「知ってるの?」

「まあな、ギルドで何度か顔を合わせたことがあるのぉ。……セラは、頭が切れるが理屈っぽくてのう……何でも首を突っ込まずにはおれん子じゃ。ティリスは……あれは元気すぎて、時々こちらが振り回されるくらいじゃわ」

「そこまで言わなくても……まあ、わかるけどね」

俺がスプーンでスープをすくいながら苦笑すると、エルダさんもようやく表情を緩めた。

「それでも、クオン。おぬしが誰と行動するかは大事じゃ。……まあ、セラもティリスも、それぞれクセはあるが悪い子らではない。おぬしが一人じゃないと思えば、少しは安心できる」


 塩気の効いた優しい味が、疲れた体と心にじんわり沁みていく。

温かい料理と、ゆっくり流れる時間に、気づけば瞼が重くなっていた。

「……むにゃ…………も、限界……」

「おやおや、もう眠たくなったか。まだ食べきってもおらんのに、困った子じゃ」

スプーンを持ったまま……気がついたら、テーブルに突っ伏して寝てた。

 肩の上のシェイドも、俺の頭に寄り添うように丸くなって、くうくうと小さな寝息を立てていた。



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 * * * * * 

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「おーい、クオン。朝じゃぞ。陽がもう昇っとるわい」

「ん、あれ……朝?」

 エルダさんの声に目を開けると、窓の外には朝日が差し込んでいた。

 シェイドももう起きていて、耳をぴこぴこと動かしていた。


「支度はできとるか? 森へ行くんじゃろう、今日は」

「うん、行ってくるよ。あんまり心配しないでね?」

 俺がそう言うと、エルダさんは「ふん」と笑って、俺の頭をぽんと撫でた。

「無理はするな。……あとは、己の直感を信じることじゃ」

「うん。ありがと。行ってきます!」

 そう言って玄関を出た俺の背を、エルダさんは静かに見送った。

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 * * * * * 

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 扉が閉まり、足音が遠ざかるのを確認すると、エルダはひとり居間へと戻った。

 薪の火を見つめながら、ゆっくりと椅子に腰を下ろす。


「……さて、このままでいいものかのう」

 ひとりごちるその声は、静かな朝の空気に溶けていく。

 クオンの背に、何か得体の知れぬ力がつきまとっている――そんな不安が、どうしても拭えなかった。

あの魔核の件も、ただの偶然では済まされぬ気がする。


 ……あの子の行く先には、何が待っておるのか。

本来なら、わしなどが関わるべきではないのかもしれん。

 けれど……また何か起きたとしたら、その時。

 見ているだけではきっと後悔する――そんな気がした。

 ふと、立ち上がって杖を手に取る。だがその足は、一歩前へ出たところで止まった。

 ――本人の意思を尊重するのか、それとも裏から支えるべきか。

 

エルダの瞳が、静かに揺れる炎に映っていた。

「……どうせ、じっとしていられんのじゃろうな、わしも」

 くつくつと小さく笑いながら、エルダはそっと窓の外を見上げた。

 クオンの影が、朝の光の中に小さくなっていく。

 ――その先に、何が待っておるのか。


……せめて、あの子の未来に、闇よりも多くの光があるように――


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