静かな森でおはよう
この作品は私の再発したあの病気をAIに補完してもらって作成しているため、アイデアは考えてますが7~8割の文章がAI産です。
以上を踏まえた上で、どなたでも読んで頂き、感想を頂ければ喜びます。
目が覚めたとき、そこは深い森の中だった。
「……え?」
地面は湿っていて、落ち葉が敷き詰められている。空を見上げれば、木々の枝が複雑に絡み合い、日の光をところどころ遮っている。
見たこともない樹木、聞いたことのない鳥のさえずり。空気はやけに澄んでいて、でもどこか重たい。まるで……夢の中みたいな景色だった。
「ここ、どこだ……?」
最初は夢だと思った。そうじゃなきゃ説明がつかない。
けど、自分の手を見た瞬間、頭の中が真っ白になった。
「ちっさ……!? なにこれ……俺の手……?」
細くて、小さくて、子どものような手。身体も軽いし、声も高くなってる。まるで誰かの体に入ったみたいな感覚だ。
服も、自分のじゃない。黒っぽいローブを着ていて、軽いけど丈夫そうな布地。
どうしてこんな格好をしているのか、そもそもどうしてここにいるのか――思い出そうとしても、記憶は霞がかかったようにぼやけていて、核心には触れられなかった。
変わったのは見た目だけじゃない。
空気の流れや葉の揺れ、遠くで走る小動物の足音──そんな微細なものが、妙にくっきりと感じられる。
それだけじゃない。胸の奥のほうに、ぼんやりとした熱。
それは力とも、衝動とも呼べない、名のない何かだった。
(オレ、なにか“違うモノ”になってる……?)
思い出そうとしても、記憶は曖昧だ。
最後に何をしていたのか、自分がどこから来たのか、すべてがぼやけている。けれど、ただ一つ、確かなことがあった。
──ここは元いた場所「日本」じゃない。
「……異世界、ってやつか。マジかよ。でも、なんとかなる……よな?」
ひとりごちて、立ち上がる。少し歩くと、森の空気がゆっくりと流れ、遠くどこかに“何かの気配”がある気がした。
「持ち物……ゼロ。財布もスマホもなし。これは……完全に“無一文スタート”系じゃん。マジで異世界かよ」
そう呟いたあと、小さなため息。
だけど、不思議と焦りはなかった。いや、焦ってもおかしくない状況なのに、心は妙に静かで、どこか冷めたような感覚すらあった。
「……とにかく、動こう。立ち止まっててもしょうがないし」
そう呟いて、俺は足を踏み出した。
自分の正体も、この世界のルールも、なにも知らぬまま──けれど、不思議と心は軽かった。
森の中を歩くってのは、なかなか癒される……はずなんだけど。
「虫、うるせぇし! しかも、このツタみたいな草、毎回足に絡まるのなんなん!?」
ブツブツ文句を言いながら、久遠は木の根っことかツタに何度もつまずきそうになりながら進んでいた。
さっき目を覚ました場所から、太陽の位置を頼りになんとなく一定の方向へ歩いているつもりだが──正直、方向感覚にはあまり自信がない。
「けどさ、この感覚……うん、あれ。空気の流れ? いや、音の混ざり方? なんか、町っぽいのが近くにある気がするんだよなぁ」
久遠は自分でも意味がよくわからない“感覚”を頼りに、木々の隙間をかき分けていく。
視線の端で何かが動けばそれに気づき、遠くで何かが燃えているような匂いがすればそれを嗅ぎ分けられる。五感が、やけに鮮明だった。
どうやらこの体、地味に化け物染みた身体能力をしてる。
……だって、疲れないし、喉も渇かないし、腹も減らない。──いや、これやばくね?
軽くジャンプしてみると、靴底が草を踏んで「ぐしゅ」と小さく鳴いた。
それでも、着地の音はやけに静かだ。
周囲を見渡しても、鳥の声が聞こえるだけで、人の気配は一切ない。
「うーん、ホントにこの森、誰も通ってないんだな……」
独り言を漏らしつつ、立ち止まって森の奥を見渡す。
鮮やかな緑の中に、ちらちらと光る虫。
木々の間から差し込む光が、斜めになっているのを、ようやく意識する。
そのあいだにも、久遠は何度も木の根っこに足を引っかけたり、ぬかるみにハマって靴を泥まみれにしたり、葉っぱの裏から顔を出す虫にビビったりしていた。
「もしかして、俺、アウトドアに向いてないタイプ?そりゃどっちかっていえばインドア派だけどさ……」
文句を言いつつも、歩くのをやめる気はない。
──なんとなく、進むべき方向は“感じられる”気がしていた。
誰かが呼んでいるわけでも、音が聞こえるわけでもない。けれど、風の中のざわめきとか、かすかに混じってくる匂いとか、なんか……奥のほうがざわざわするんだよな。
「……こっち、か? ゲームのナビかよ、逆らってロクなことになった試しがないし……。」
道なき道を進むと、ときどき視界が開けたり、小さな小川を見つけたり、見知らぬキノコに遭遇して、思わず距離をとったりもした。
だが、不思議と焦りはなかった。
むしろ、この妙に軽い身体や、鋭くなった感覚が心地よくて、何か新しいものに出会えるような、そんなワクワクした気持ちのほうが強かった。
──森を抜けた先に、何があるのか。
それを確かめるまでは、足を止めるつもりはなかった。
歩き始めてどれくらい経っただろう。
あいかわらず方向は分からないし、道なんてあってないようなものだけど、木々の密度が少しだけ緩んできた気がする。
そんなときだった。
「……ん?」
ふと、前方の茂みがカサリと揺れた。
瞬間、全身に緊張が走る。反射的に身を低くして、木の影に隠れた。
音のした方をじっと見つめると――そこから、ひょこりと何かが顔を出した。
小さな生き物。ウサギくらいの大きさだけど、羊みたいな角があって、尻尾は猫のようにふさふさしている。
毛は銀色に近く、目だけが不思議な赤。まるで宝石みたいに透き通っていた。
「……なんだ、こいつ」
可愛い、と思ったのが正直な第一印象だった。
でも同時に、こんな生き物、地球には絶対いなかったはずだという確信もあった。
その小動物は、俺に気づいているのかいないのか、のんびりと前足で顔を洗ったり、ぴょこぴょこと跳ね回ったりしている。
攻撃の気配はない。むしろ、野生動物にしてはずいぶん人懐っこい雰囲気だ。
俺がゆっくりと姿を現しても、逃げる様子はなかった。
逆に、近寄ってくる。
「お、おい……お前、まさか毒持ってるとかじゃないよな?」
とりあえず低い声で牽制してみるけど、当の本人――いや本獣(?)は気にする様子もなく、ぺたんと俺の足元に座り込んだ。
そして、まるで当然のように俺を見上げる。
「……ついてくる気か? それとも道案内してくれるとか?」
もちろん答えなんて返ってこない。けど、目を見ていると、不思議な感覚が胸の奥に浮かび上がる。
懐かしいような、暖かいような……でも、妙に胸の奥がざわつく。
まるで、何かが呼び起こされそうな……そんな感じ。
「……なんなんだ、お前」
小動物は、まるで笑ったかのように小さく首をかしげると、そのまま森の奥へと跳ねていった。
数メートル進んでは振り返り、またぴょんと跳ねる。
「……案内……なのか?」
迷ったけど、何となく悪い気はしなかった。
それに、森で一人よりはマシかもしれないと思って、俺はその後を追うことにした。
――そして、森を抜け、町の姿を見つけたとき。
さっきの小動物は、いつの間にかいなくなっていた。
「……なんだったんだ、あいつ」
不思議な出会い。でも、なぜか嫌な気分にはならなかった。