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第81話 頼子の悩み(その3)

「はぁ、はぁ。嫌な夢を見てしまったわ」


 頼子は夜中に目が覚めてしまった。


「お母さん、大丈夫? 何か凄くうなされていたから、起こそうか悩んでしまったよ」


 ふと視線をちゃぶ台の方に目を向けると、音羽はまだ勉強中であった為、部屋は照明が落とされていたが、電気スタンドは灯っていた。音羽は勉強の手を止めて頼子の方を心配した表情で見ていた。


「ゴメンなさい。ちょっと嫌な夢を見てしまっただけよ。勉強の邪魔をしてしまったわね」


 頼子はそう言って目覚まし時計の時間を確認した。


「午前1時か……。音羽はまだ勉強を続けるの? そろそろ切り上げないと朝に響くわよ」


 枕元に置かれていた目覚まし時計の時刻は午前1時を指していた。音羽ぐらいの世代であれば、勉強やゲーム、それに深夜放送されるテレビやラジオをリアルタイムで視聴して楽しむ者もいるため、この時間帯でも起きている子も少なからずいる。だが、勉強だと言ってもあまり夜更かしをしてしまうと、授業中眠くなるなど弊害も出るため、頼子は音羽に対し、そろそろ切り上げないかと提案した。


「そうだね。ここの例題を解いたら終わらせるよ。お母さんは気にせず寝てて良いよ」

「そうしたいのだけど、少し寝汗が酷くて着替えるわ」


 音羽が気にせず寝るように言ったが、頼子は寝汗をかいてしまったため、下着まで湿っていた。このままでは風邪を引いてしまうため、一旦着替えることにした。


「はぁ、見事にバラバラだわ」


 頼子は替えの下着を出すため、衣装棚の引き出しを開けた。すると洗濯のサイクルが上下でズレてしまったものや、痛んだものを破棄したため片方が無くなったままの状態で収納されていた下着しかない状態になっていた。


(来週までには上下揃っているものを用意しておかないと、もしかして兼田君の家で、って私、何を考えているのかしら)


「お母さん、替えの下着が無いのなら私のを貸そうか?」

「無いわけではないのだけど、上下が揃っていないなぁって見ていただけよ」

「あー、あるある。私も上下揃っていないことが多いかも。まあ、見せる相手も居ないんだから良いんだけどね。ってお母さん、もしかして……」


 音羽は親切心で言ったが、頼子が上下揃っていない下着を見ていたことを知り、あることに気が付いた。


「な、ない、ないわよっ。まだそういう関係じゃないし、って何ていうことを言わせるのよ」

「お母さんが勝手に言っただけだよ。はいはい、着替えたらさっさと寝てちょうだい。いつまで経っても寝られなくなるわ」

「音羽もなかなか言うようになったわね。着替えたから寝るわ」


 音羽に追い立てられるように、着替え終わった頼子は布団の中に入り込んだ。


「さて、私もこの問題を終わらせてって、これって思いっきり引っ掛け問題だわ。うぅ、解き直しかぁ」


 頼子が布団の中に入ったのを確認した音羽は、再びラスト1問の問題に取りかかった。

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